平成20年2月17日

[流れ星]

     第203回数学的な応募問題解答

      <解答募集期間:1月27日〜2月17日

ガウスの格子点問題

皆さん、2007年度大学入試問題集(数研出版)にある首都大東京大学の入試問題を参考にして次の問題を作りました。なお、3大数学者の一人であるドイツのカール・フリードリヒ・ガウス(17771855年)がこの極限値を求めています。

 

 

<指摘:質問3は「新俳人澄朝」さんから反例がでてきました。n=2のとき、

方眼紙で実際に数えてみると、P(4)=8、P(8)=41となり不成立>

<水の流れ:まったく不注意でした。深く反省し、お詫び申し上げます。質問3は取り消しにします

  128日午後840分記入>

そこで、「πと微積分の23話」という本を読んで調べたところ、「ガウスの格子点問題」と称して載っていましたから、関連問題として追加しました。よろしくお願いします。<29日午後8時追加>

 

NO1「新俳人澄朝」1/28 1042分受信 更新2/17

「新俳人澄朝」2/15 0920分受信 更新2/17

 

NO2「kasama   2/09 1540分受信 更新2/17

kasama   2/16 0217分受信 更新2/17

質問1 k=1,2,…,n-1とします。x=kのとき、x2+y2<n2となるような格子点数をPk(n)とすると、

 √(n2-k2)-1≦Pk(n)≦√(n2-k2)

です。これを、k=1,2,…,n-1で加算すると、

 {√(n2-k2)-1}≦Pk(n)=P(n)≦√(n2-k2)…(1)

となります。

質問2 (1)の両辺をn2で割って極限をとると、

 {√(n2-k2)}/n2={√(1-(k/n)2)}/n=√(1-x2)dx=π/4

 {√{(n2-k2)-1}}/n2={√(1-(k/n)2)}/n+1/n2=√(1-x2)dx=π/4

なので、両辺からはさんで、

 P(n)/n2=π/4

です。

質問4 N=13N=17N=29の場合をそれぞれ調べると、

 N=13…(±2)2+(±3)2=(±3)2+(±2)2⇒R(13)=8

 N=17…(±1)2+(±4)2=(±4)2+(±1)2⇒R(17)=8

 N=29…(±2)2+(±5)2=(±5)2+(±2)2⇒R(29)=8

なので、R(p)=8と類推できます。博士の愛した数式(小川洋子著)にも載っていましたが、フェルマー・オイラーの2平方和定理(←素人なのでよく理解できませんでした)によると、4で割って1余る素数は2つの整数の和として表されるのでR(p)=8です。

質問5 同様に、N=3N=7N=11の場合をそれぞれ調べると、

 N=3…なし⇒R(3)=0

 N=7…なし⇒R(7)=0

 N=11…なし⇒R(11)=0

なので、R(p)=0と類推できます。こちらも、その2平方和定理によると、4で割って3余る素数は2つの整数の和として表されないのでR(p)=0です。

質問6 N2つの平方和で、N=p2+q2と表せたとします。すると、

 2N=2(p2+q2)=(p+q)2(p-q)2

です。つまり、N2N11に関連付けられますから、R(N)=R(2N)です。

質問6 上の質問を参考にして、R(1)+R(2)+R(3)+…+R(N)を数式で表そうとしましたが、うまくできませんでした。直感的にπに近付いているのは分かるのですが。。。

 

NO3「kashiwagi  2/15 2157分受信 更新2/17

 

 

 

 

 

 

 

問題6.

 題意より右図が書ける。

の一つの格子点が(0、√N

とすると、上の(√N、√N

は必ず格子点である。即ち、

の一つの格子点に

対応する格子点が必ず上に

ある事になる。因って、R(N)R(2N)が成り立つ。

 

問題7.

 題意より、下図に示す半径が各々√Nと√N+1の円の面積を比較した場合、これら2円の間にあるのが一辺√Nの正方形4個ぶんであり、これは円内の格子点の数に等しい。

因って、それらの面積を比較し、

が成り立つ。即ち、

であるからこれらの極限値はπに収束する。因って、求めるものはπである。  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                

 

皆さん、答えがわかったら、一部でも構いませんから、解答とペンネームを添えて、
メールで送ってください。待っています。