平成23年515

[流れ星]

     第257回数学的な応募問題解答

      <解答募集期間:424日〜5月15

[はさみうちの原理]

過去の大学入試問題から出題します。

NO1uchinyan  04/24 1602分受信 更新5/15

 第257回数学的な応募問題

[はさみうちの原理]

 

(1)

x = 2kπsin(x), k は正の整数,x >= 0

sin(x) = x/2kπ

として,y = sin(x)y = x/2kπ のグラフの交点を考えます。

まず,m > 0 を傾きとして,y = mx y = sin(x) のグラフを x >= 0 で考えると,

y = sin(x) x = 0 で傾き 1 の接線をもつので,

m >= 1 で交点は 1 個,その後,直線の傾きが減少すると 1 個増え,

さらに傾きが減少し y = sin(x) に接すると 1 個増え,

さらに傾きが減少すると 1 個増え,を繰り返します。

ここで,x = π/2 + 2(k-1)π = (4k-3)π/2 のとき sin(x) = 1 であること,

2/(4k-3)π > 2/4kπ = 1/2kπ > 2/(4k+1)π であること,

y = x/2kπ (2kπ,1) を通ること,に注意すると,

x 2kπ π/2 + 2kπ = (4k+1)π/2 y = sin(x) と接する直線を y = mx として,

2/(4k-3)π > 2/4kπ = 1/2kπ > m > 2/(4k+1)π

がいえます。

そこで,y = x/2kπ は,x 2kπ (4k+1)π/2 y = sin(x) と共有点をもちません。

これより,y = x/2kπ y = sin(x) との交点は,

n = 1, 2, ..., k として x = 2(n-1)π (2n-1)π の間に 2 個ずつ,

合計 2k 個になります。

 

(2)

(1)の議論より,y = x/2kπ y = sin(x) との交点は,

n = 1, 2, ..., k として x = 2(n-1)π (2n-1)π の間に 2 個ずつ,あるので,

その 2 個を a(n) < b(n) とすると,2(n-1)π <= a(n) < b(n) <= (2n-1)π です。

そこで,s(k) = Σ[n=1,k]{a(n) + b(n)} なので,

Σ[n=1,k]{2(n-1)π * 2} <= Σ[n=1,k]{a(n) + b(n)} <= Σ[n=1,k]{(2n-1)π * 2}

Σ[n=1,k]{4(n-1)π} <= s(k) <= Σ[n=1,k]{2(2n-1)π}

4 * k(k-1)/2 * π <= s(k) <= 2 * k^2 * π

2k(k-1)π <= s(k) <= 2k^2π

これより,

lim[k->∞]{2k(k-1)π/k^2} <= lim[k->∞]{s(k)/k^2} <= lim[k->∞]{2k^2π/k^2}

2π <= lim[k->∞]{s(k)/k^2} <= 2π

つまり,はさみうちの原理より,

lim[k->∞]{s(k)/k^2} = 2π

になります。

 

(感想)

最初,ちょっと勘違いをして,(1)の評価に手間取りましたが,これでどうでしょうか。

なお,より正確には,

2(n-1)π <= a(n) < 2(n-1)π + π/22(n-1)π + π/2 < b(n) <= (2n-1)π

ですが,結果には効いてこないですね。

 

 

 

NO2MVH       05/10 1251分受信 更新5/15

 

 

皆さん、答えがわかったら、一部でも構いませんから、解答とペンネームを添えて、
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