平成23年7月3日
[流れ星]
第259回数学的な応募問題解答
<解答募集期間:6月12日〜7月3日
[根軸]
「大学への数学」のショートプログラムを読んでいたら面白い問題がありました。
紹介します。
問題1:単位円x2+y2=1と円(x−2)2+(y−3)2=9の2つの交点を
A,Bとするとき、直線ABの方程式を求めよ。
問題2:円@:x2+y2=1、円A:(x−2)2+(y−3)2=4とする。
点Pから円@,円Aへ引いた接線の長さが等しくなるような点Pの軌跡の
方程式を求めよ。
【参考】2つの円の方程式が分かっているとき、それらからx,yの2次の項を消去した式は、直線を表し2つの円の根軸といいます。
問題3:xy平面上に、2つの放物線をC1:y=x2,C2:y=−x2+4x−2 とするとき、共通な接線の方程式を求めよ。
問題4:xy平面上に、2つの放物線をC1:y=x2,C2:y=−x2+4x−4
とする。点Pから2つの放物線C1,C2へ引いた接線の長さが等しくなるような点Pの軌跡の方程式を求めよ。
問題4に関しての差し替え問題<6月18日午前 記入>改めて問題5とします。
問題5:y=x2・・・@ y=−x2+4x−4・・・Aと直線x=kの交点を
P,Qとする。Pにおける@の接線とQにおけるAの接線の交点をRとするとき、
Rの軌跡の方程式を求めよ。ただし、軌跡の限界は求めなくて良い。
<水の流れから:問題4について、言葉足らずで誤解を招く文章になっていることを深くお詫びします。6月18日午前記>ここに、「uchinyan」 様との意見交換を載せておきます。
「1」
「uchinyan」からの 06/12 17:36 受信メール
実は,問題4:が解けていません。というか,題意がつかめていません。
C1:y = x^2,C2:y = - x^2 + 4x - 4 = - (x - 2)^2
において,
これら二つの放物線の外側の点 P(x,y) から接線を引くことが可能ですが,
それぞれの放物線に対して二本引け,一般に,長さが違うと思います。
問題文の「接線の長さ」とはどれをいうのでしょうか?
四本とも長さが等しいということでしょうか?
そんなことが可能なのでしょうか??
何か勘違いをしていると思うのですが...???
「2」 水の流れから 06/12 20:30 発信メール
「接線は P(x,y)からC1,C2に計4本引けますね。これ想定外。」
「しかし、、 P(x,y)からC1への接線ですが、長さは同じかまたは長短があります。
そして、P(x,y)からC2への接線ですが、同じように 長さは同じかまたは長短があります。
そこで、P(x,y)からC1、C2への接線ですが
、
長さが等しいとはC1への接線の長さとC2への接線の長さを意味してしまして、
長い長さどうし、短い長さどうしが等しいと考えましたが、(同じ長さの場合は4本とも等しい)
・・・と考えましたが、問題文としては不十分でしょうか。」
でも、作問者としては、責任を「感じています。
円と同様に存在すると思い込んだところにミスがあるかな。
もしも、なければないという解答になります。
「3」 「uchinyan」からの 06/13 10:35 受信メール
一応,了解しました。
ただ,個人的には今の問題文では分かりにくいように思います。
例えば,片方の長い方ともう一方の短い方の長さが等しい,などという解釈も,
不可能ではないように思うからです。
いずれにせよ,私には難しそうです。
> もしも、なければないという解答になります。
少なくとも解はあります。例えば,点(1,0) がそうです。
一般に,接点の座標によるパラメタ表示は簡単です。
ただ,その後,長い方同士,短い方同士,という条件を付けなかったせいか,
接点の座標の満たす条件式がものすごくなってしまって,手に負えないでいます。
なお,少なくとも,二つの式から x^2 を消去した y =
2x - 2 が解にならないことは
確認しています。
一応,もう少し考えてはみますが...
「4」
「uchinyan」からの 06/13 14:47 受信メール
Ø
> ただ,個人的には今の問題文では分かりにくいように思います。
> 例えば,片方の長い方ともう一方の短い方の長さが等しい,などという解釈も,
> 不可能ではないように思うからです。
題意を明確にするためには問題文を書き換えた方がいいと思いますが,
そうすると,一つの放物線への接線の長さの大小の判定をまずしなければいけないので,
かなり難しそうな,さらに難しくなるような,気もしてきました。
どうしたらいいのかな。まぁ,お任せします (^^;
> いずれにせよ,私には難しそうです。
これは,どちらにしても変わらず...
「5」 水の流れから 06/12 20:30 発信メール
今回の問題4については
答えが先にあって、あとから問題文を作成した次第です。
多くの不備と疑問がでてきたことを深くお詫びします。
で、どうするかですが、
二つの式から x^2 を消去した 直線 y = 2x - 2 は一体何を表わしているのでしょうか。
ここに、問題の核心がありまして、
当初は P(x,y)からC1、C2への接線で、長さが等しいとは
C1への接線の長さとC2への接線の長さを等しいと円と同じように思っていましたが、
間違いであるようでして、
で、土日に お詫びをしながら、修正をしてサイトに載せたいと思います。
最悪は、削除まで考えていますけど。
重ねて思慮の無さを痛感しています。
指摘に深く感謝しつつ、再度お詫び申し上げます
「6」「uchinyan」からの 06/16 11:27 受信メール
私の方でもその後少し調べてみましたが...
一般に,各放物線に二本ずつの接線のいずれか同士の長さが
等しくなる軌跡の式を導くことはできました。
しかし,√の入った非常に複雑な式で,平方などして簡単になるのか,
よく分からないでいます。
少なくとも,元の放物線の位置関係の対称性から,
(1,0) に関して点対称なのは明らかです。
しかし,例えば,(0,-2) は解にならないので,
y = 2x - 2 全体が解にならないことも明らかです。
(1,0) 以外にも部分的に解になる点はあるかもしれませんが...
多分,あったととしても有限個かなぁ,という気もします。
それと,長い方同士,短い方同士の長さが等しい,という場合も,
少し調べていますが,条件が二つになるので,
軌跡というよりも,有限個の点の集合,になるようです。
そして,どうやら,x <= 0,2 <= x には解はなく,0
< x < 2 の間だけで,
まだ詰め切れていませんが,(1,0) だけかも知れません。
いずれにせよ,今の問題4:は,あまり興味深いものではないかも知れませんね。
> で、どうするかですが、
> 二つの式から x^2 を消去した 直線 y = 2x
- 2 は一体何を表わしているのでしょうか。
> ここに、問題の核心がありまして、
はい,出題の意図はよく分かります。
すぐに思いつくのは,前回,第258回,の問題2:と同じ設定です。
でも,前回と同じ問題では意味ないですよね...
ごめんなさい,すぐには思い付かないです。
> 当初は P(x,y)からC1、C2への接線で、長さが等しいとは
> C1への接線の長さとC2への接線の長さを等しいと円と同じように思っていましたが、
>
> 間違いであるようでして、
放物線は円のような対称性はないので,これは,そもそも無理そうですよね。
> で、土日に お詫びをしながら、修正をしてサイトに載せたいと思います。
> 最悪は、削除まで考えていますけど。
いずれにせよお任せしますが,何か思いつかなければ,削除も止むなしかな,
と思います。
「7」「uchinyan」からの<修正メールが届きました> 06/19 15:42 受信メール
なお,接線の長い方同士,短い方同士の長さが等しい場合の解ですが,
勘違い,計算違いなどがあり,x < 0,2 < x
に解があるかないかは,
まだ分かっていません。
Web上の,
>そして,どうやら,x <= 0,2 <= x には解はなく,0 < x < 2 の間だけで,
は,間違っている可能性が高いです。
<水の流れ:最後に、 問題4につきましては 第258回の応募問題中にある問題2と同じですが、
差し替えさせていただき、重ねてお詫び申し上げます。>
NO1「uchinyan」 06/12 17時36分受信 更新7/3
第259回数学的な応募問題
[根軸]
問題1:
少し一般的に解いてみましょう。
二つの円の方程式を
(x - a)^2 + (y - b)^2 = c^2,(x - d)^2 + (y - e)^2 = f^2
とします。交点 A,B は,これら方程式を連立したときの解になるので,
二式を引いて x^2,y^2 の項を消去した x,y の一次式,
2(a - d)x + 2(b - e)y + (d^2 - a^2 + e^2 -
b^2 + c^2 - f^2) = 0
を満たします。しかもこれは x,y の一次式なので直線です。
したがって,この x^2,y^2 を消去した式が求める直線 AB の方程式です。
今は,
x^2 + y^2 = 1,(x -
2)^2 + (y - 3)^2 = 9
なので,
4x + 6y - 5 = 0
になります。
問題2:
これも,少し一般的に解いてみましょう。
二つの円の方程式を
(x - a)^2 + (y - b)^2 = c^2,(x - d)^2 + (y - e)^2 = f^2
とします。
さらに,P(x,y),最初の円の中心を C(a,b),P から最初の円に引いた接線の接点を S とします。
∠CSP = 90°なので,三平方の定理より,
PS^2 = PC^2 - CS^2 = (x - a)^2 + (y - b)^2
- c^2
同様にして,P から二番目の円に引いた接線の接点を T とすれば,
PS^2 = (x - d)^2 + (y - e)^2 - f^2
PS = PT なので,
(x - a)^2 + (y - b)^2 - c^2 = (x - d)^2 +
(y - e)^2 - f^2
2(a - d)x + 2(b - e)y + (d^2 - a^2 + e^2 -
b^2 + c^2 - f^2) = 0
これは,やはり,最初の二式から x^2,y^2 を消去した式です。
今は,
x^2 + y^2 = 1,(x -
2)^2 + (y - 3)^2 = 4
なので,
2x + 3y - 5 = 0
になります。
この二つの円は交わりませんが,
交わる場合には,問題1:より,交点を通る直線に一致しますね。
問題3:
C1:y = x^2,C2:y = - x^2 + 4x - 2
C1 の接点を S(s,y(s)) とすると,接線の方程式は,
y - s^2 = (2s)(x - s),y = 2sx - s^2
C2 の接点を T(t,y(t)) とすると,接線の方程式は,
y - (- t^2 + 4t - 2) = (- 2t + 4)(x - t),y = (- 2t + 4)x + t^2 - 2
この二式が一致するので,
2s = - 2t + 4,- s^2
= t^2 - 2
最初の式より,
s + t = 2
これを使うと二番目の式より,
s^2 + t^2 = 2,(s +
t)^2 - 2st = 2,st = 1
そこで,s = t = 1 です。
これより,共通接線は,
y = 2x - 1
になります。
この式も,C1 と C2 から x^2 の項を消去したものになっています。
問題4:
題意がよく分からないです...
C1:y = x^2,C2:y = - x^2 + 4x - 4 = - (x - 2)^2
において,これら二つの放物線の外側の点 P(x,y)
から接線を引くことが可能ですが,
これらは,それぞれの放物線に対して二本引け,一般に,長さが違うと思います。
問題文の「接線の長さ」とはどれをいうのでしょうか?
四本とも長さが等しいということでしょうか?
そんなことが可能なのでしょうか??
何か勘違いをしていると思うのですが...???
「uchinyan」 06/19 15時41分受信 更新7/3
第259回数学的な応募問題
[根軸]
問題1:
少し一般的に解いてみましょう。
二つの円の方程式を
(x - a)^2 + (y - b)^2 = c^2,(x - d)^2 + (y - e)^2 = f^2
とします。交点 A,B は,これら方程式を連立したときの解になるので,
二式を引いて x^2,y^2 の項を消去した x,y の一次式,
2(a - d)x + 2(b - e)y + (d^2 - a^2 + e^2 - b^2
+ c^2 - f^2) = 0
を満たします。しかもこれは x,y
の一次式なので直線です。
したがって,この x^2,y^2
を消去した式が求める直線 AB の方程式です。
今は,
x^2 + y^2 = 1,(x - 2)^2 + (y - 3)^2 = 9
なので,
4x + 6y - 5 = 0
になります。
問題2:
これも,少し一般的に解いてみましょう。
二つの円の方程式を
(x - a)^2 + (y - b)^2 = c^2,(x - d)^2 + (y - e)^2 = f^2
とします。
さらに,P(x,y),最初の円の中心を C(a,b),P から最初の円に引いた接線の接点を S とします。
∠CSP = 90°なので,三平方の定理より,
PS^2 = PC^2 - CS^2 = (x - a)^2 + (y - b)^2 -
c^2
同様にして,P から二番目の円に引いた接線の接点を T とすれば,
PS^2 = (x - d)^2 + (y - e)^2 - f^2
PS = PT なので,
(x - a)^2 + (y - b)^2 - c^2 = (x - d)^2 + (y -
e)^2 - f^2
2(a - d)x + 2(b - e)y + (d^2 - a^2 + e^2 - b^2
+ c^2 - f^2) = 0
これは,やはり,最初の二式から x^2,y^2 を消去した式です。
今は,
x^2 + y^2 = 1,(x - 2)^2 + (y - 3)^2 = 4
なので,
2x + 3y - 5 = 0
になります。
この二つの円は交わりませんが,
交わる場合には,問題1:より,交点を通る直線に一致しますね。
問題3:
C1:y = x^2,C2:y = - x^2
+ 4x - 2
C1 の接点を S(s,y(s)) とすると,接線の方程式は,
y - s^2 = (2s)(x - s),y = 2sx - s^2
C2 の接点を T(t,y(t)) とすると,接線の方程式は,
y - (- t^2 + 4t - 2) = (- 2t + 4)(x - t),y = (- 2t + 4)x + t^2 - 2
この二式が一致するので,
2s = - 2t + 4,- s^2 = t^2 - 2
最初の式より,
s + t = 2
これを使うと二番目の式より,
s^2 + t^2 = 2,(s + t)^2 - 2st = 2,st = 1
そこで,s = t = 1 です。
これより,共通接線は,
y = 2x - 1
になります。
この式も,C1 と C2 から x^2 の項を消去したものになっています。
問題4:
この問題は差し替えになりましたが,それまでに調べたことをまとめておきます。
ただし,議論そのものは不完全です。
また,Webに上がっている水の流れさんとの議論の速報は一部間違っていました。
接線の長い方同士,短い方同士の長さが等しい場合の解ですが,
x < 0,2 < x で解があるかないかは,勘違いしており,まだ分かっていませんでした。
C1:y = x^2,C2:y = - x^2
+ 4x - 4 = - (x - 2)^2
P(x,y) とします。
C1 の接点を S(s,y(s)) とすると,接線の方程式は,
y - s^2 = (2s)(x - s),y = 2sx - s^2
s^2 - 2xs + y = 0,(x - s)^2 = x^2 - y,s = x ± √(x^2 - y)
ここで,y <= x^2 が必要です。
さらに,y = x^2 では S
は一つですが,y < x^2 では二つ,接線は二本,になります。
s1 = x - √(x^2 - y),s2 = x + √(x^2 - y)
とおき,対応する接点を S1,S2
とします。すると,
(PS1 - PS2)(PS1 + PS2) = PS1^2 - PS2^2
= (x - s1)^2 + (y - s1^2)^2 - (x - s2)^2 - (y
- s2^2)^2
= ((x - s1) - (x - s2))((x - s1) + (x - s2))
+ ((y - s1^2) - (y - s2^2))((y - s1^2) + (y -
s2^2))
= (s2 - s1)(2x - (s1 + s2)) + (s2^2 - s1^2)(2y
- (s1^2 + y - s2^2)
= (s2 - s1)((2x - (s1 + s2)) + (s1 + s2)(2y -
(s1^2 + s2^2))
ここで,解と係数の関係より,s1 + s2 = 2x,s1s2 = y なので,
= (s2 - s1)((2x - 2x) + (2x)(2s1s2 - (s1^2 +
s2^2))
= - 2x(s2 - s1)^3
・y = x^2 のとき
P = S1 = S2 なので,PS1 = PS2 = 0
・y < x^2 のとき
s1 < s2,PS1 + PS2 > 0 なので,
x < 0 では PS1 > PS2
x = 0 では PS1 = PS2
x > 0 では PS1 < PS2
がいえます。
同様にして,C2 の接点を T(t,y(t)) とすると,接線の方程式は,
y - (- (t - 2)^2) = (- 2t + 4)(x - t)
y = (- 2t + 4)x + t^2 - 4 = - 2(t - 2)(x + (t
+ 2))
(x - t)^2 = y + (x - 2)^2,t = x + √(y + (x - 2)^2)
y >= - (x - 2)^2 が必要で,
y = - (x - 2)^2 では T は一つ,y > - (x - 2)^2 では二つ,接線は二本,になります。
t1 = x - √(y + (x - 2)^2),t2 = x + √(y + (x - 2)^2)
とおき,対応する接点を T1,T2
とすると,
・y = - (x - 2)^2 のとき
P = T1 = T2 なので,PT1 = PT2 = 0
・y > - (x - 2)^2 のとき
x < 2 では PT1 > PT2
x = 2 では PT1 = PT2
x > 2 では PT1 < PT2
がいえます。
さて,一般に,PS = PT の条件より,
(x - s)^2 + (y - s^2)^2 = PS^2 = PT^2 = (x -
t)^2 + (y - (- (t - 2)^2)^2
(x - s)^2 + ((2s)(x - s))^2 = (x - t)^2 + ((-
2t + 4)(x - t))^2
(4s^2 + 1)(x - s)^2 = (4(t - 2)^2 + 1)(x -
t)^2
(4s^2 + 1)(x^2 - y) = (4(t - 2)^2 + 1)(y + (x
- 2)^2)
(8x^2 - 4y + 1 ± 8x√(x^2 - y))(x^2 - y)
=
(8(x - 2)^2 + 4y + 1 ± 8(x - 2)√(y + (x - 2)^2))(y + (x - 2)^2)
ただし,一般に,複号は任意です。もしくは,
(±8x(x^2 - y)^(3/2)) - (±8(x - 2)(y + (x -
2)^2)^(3/2))
=
(8(x - 2)^2 + 4y + 1)(y + (x - 2)^2) - (8x^2 - 4y + 1)(x^2 - y)
± 128x(x - 2)(x^2 - y)^(3/2)(y + (x -
2)^2)^(3/2)
=
((8(x - 2)^2 + 4y + 1)(y + (x - 2)^2) - (8x^2 - 4y + 1)(x^2 - y))^2
-
64x^2(x^2 - y)^3 - 64(x - 2)^2(y + (x - 2)^2)^3
2^14 * x^2(x - 2)^2(x^2 - y)^3(y + (x -
2)^2)^3
=
(((8(x - 2)^2 + 4y + 1)(y + (x - 2)^2) - (8x^2 - 4y + 1)(x^2 - y))^2
-
64x^2(x^2 - y)^3 - 64(x - 2)^2(y + (x - 2)^2)^3)^2
これらが,一般的な P の軌跡だと思います。
ただ,より簡単な形になるかは,ごめんなさい,計算が大変そうで調べていません。
なお,元々の二つの放物線の位置関係から,明らかに,軌跡は,点 (1,0) に関して点対称です。
また,(0,-2) は,簡単な計算で,
PS1^2 = PS2^2 = 2 + 4^2 = 18
PT1^2 = 2 + (4(√2 + 1))^2,PT2^2 = 2 + (4(√2 - 1))^2
なので,この軌跡上の点ではありません。対称性より,(2,2) もこの軌跡上の点ではありません。
そこで,一般に,C1,C2 から x^2 の項を消去した y = 2x - 2 は解になりません。
しかし,(1,0) が解であるように,部分的に解になる可能性はあります。
そのためには,上記の式と y = 2x - 2 とを連立させて解けばいいです。つまり,
(8x^2 - 8(x - 1) + 1 ± 8x√(x^2 - 2(x -
1)))(x^2 - 2(x - 1))
=
(8(x - 2)^2 + 8(x - 1) + 1 ± 8(x - 2)√(2(x - 1) + (x - 2)^2))(2(x - 1) + (x -
2)^2)
を解くことになります。
恐らく,解である x = 1 での対称性を利用して解くのがいいと思いますが,
難しそうで,解いていません。
いずれにせよ,x の方程式の解なので,解は有限個しかなさそうです。
以下では,水の流れさんとのメールでの議論で話題になった,少し特殊な場合,
それぞれの放物線への接線の,長い方同士,短い方同士,の長さが等しくなる場合,
を調べてみましょう。
先ほどの長さの大小関係より,
(1) x < 0 のとき
(8x^2 - 4y + 1 - 8x√(x^2 - y))(x^2 - y)
=
(8(x - 2)^2 + 4y + 1 - 8(x - 2)√(y + (x - 2)^2))(y + (x - 2)^2)
及び
(8x^2 - 4y + 1 + 8x√(x^2 - y))(x^2 - y)
=
(8(x - 2)^2 + 4y + 1 + 8(x - 2)√(y + (x - 2)^2))(y + (x - 2)^2)
(2) x = 0 のとき
(- 4y + 1)(- y) = (8(- 2)^2 + 4y + 1 - 8(-
2)√(y + (- 2)^2))(y + (- 2)^2)
及び
(- 4y + 1)(- y) = (8(- 2)^2 + 4y + 1 + 8(-
2)√(y + (- 2)^2))(y + (- 2)^2)
(3) 0 < x < 2 のとき
(8x^2 - 4y + 1 + 8x√(x^2 - y))(x^2 - y)
=
(8(x - 2)^2 + 4y + 1 - 8(x - 2)√(y + (x - 2)^2))(y + (x - 2)^2)
及び
(8x^2 - 4y + 1 - 8x√(x^2 - y))(x^2 - y)
=
(8(x - 2)^2 + 4y + 1 + 8(x - 2)√(y + (x - 2)^2))(y + (x - 2)^2)
(4) x = 2 のとき
(8 * 2^2 - 4y + 1 + 8 * 2 * √(2^2 - y))(2^2 -
y)
=
(4y + 1)(y)
及び
(8 * 2^2 - 4y + 1 - 8 * 2 * √(2^2 - y))(2^2 -
y)
=
(4y + 1)(y)
(5) 2 < x のとき
(8x^2 - 4y + 1 + 8x√(x^2 - y))(x^2 - y)
=
(8(x - 2)^2 + 4y + 1 + 8(x - 2)√(y + (x - 2)^2))(y + (x - 2)^2)
及び
(8x^2 - 4y + 1 - 8x√(x^2 - y))(x^2 - y)
=
(8(x - 2)^2 + 4y + 1 - 8(x - 2)√(y + (x - 2)^2))(y + (x - 2)^2)
になります。これらを順次解いていけばいいです。ただ,難しそうで解けていません。
なお,Webに上がっている水の流れさんとの議論の速報は一部間違っており,
x < 0,2 < x で解があるかないかは,勘違いしており,まだ分かっていませんでした。
ただ,いずれにせよ,x,y の連立方程式なので,解は存在しても有限個です。
(1) x < 0 のとき
二式の和と差を取ると,
(8x^2 - 4y + 1)(x^2 - y) = (8(x - 2)^2 + 4y +
1))(y + (x - 2)^2)
及び
(8x√(x^2 - y))(x^2 - y) = (8(x - 2)√(y + (x -
2)^2))(y + (x - 2)^2)
前者より,
8x^4 - 4x^2y + x^2 - 8x^2y + 4y^2 - y = 8(x -
2)^4 + 4(x - 2)^2y + (x - 2)^2 + 8(x - 2)^2y + 4y^2 + y
32(x - 1)(x^2 + (x - 2)^2) - 4(x^2 + (x -
2)^2)y + 4(x - 1) - 8(x^2 + (x - 2)^2)y - 2y = 0
16(x - 1)(x^2 + (x - 2)^2) - 6(x^2 + (x -
2)^2)y + 2(x - 1) - y = 0
2(x - 1)(8(x^2 + (x - 2)^2) + 1) - (6(x^2 + (x
- 2)^2) + 1)y = 0
(6(x^2 + (x - 2)^2) + 1)y = 2(x - 1)(8(x^2 +
(x - 2)^2) + 1)
x < 0 なので,
x - 1 < 0,8(x^2 + (x - 2)^2) + 1 > 6(x^2 + (x - 2)^2) + 1 > 0
となって,
y = 2(x - 1) * (8(x^2 + (x - 2)^2) + 1)/(6(x^2
+ (x - 2)^2) + 1) < 2(x - 1)
です。
後者より,
x^2(x^2 - y)^3 = (x - 2)^2(y + (x - 2)^2)^3
ここで,
x - 2 < x < 0,0 < x^2 < (x - 2)^2
(y + (x - 2)^2) - (x^2 - y) = - 4(x - 1) + 2y
< - 4(x - 1) + 4(x - 1) < 0
0 <= y + (x - 2)^2 < x^2 - y
0 =< (y + (x - 2)^2)^3 < (x^2 - y)^3
そこで,y < 2(x - 1) の範囲に,
x^2(x^2 - y)^3 = (x - 2)^2(y + (x - 2)^2)^3
の解が存在する可能性はあります。y を消去すると。
x^2(x^2 - 2(x - 1) * (8(x^2 + (x - 2)^2) +
1)/(6(x^2 + (x - 2)^2) + 1))^3
=
(x - 2)^2(2(x - 1) * (8(x^2 + (x - 2)^2) + 1)/(6(x^2 + (x - 2)^2) + 1) + (x - 2)^2)^3
これを解けばいいですが,難しそうで解けていません。
(2) x = 0 のとき
二式の和と差を取ると,
2(- 4y + 1)(- y) = (8(- 2)^2 + 4y + 1)(y + (-
2)^2)
及び
(8(- 2)√(y + (- 2)^2))(y + (- 2)^2) = 0
後者より y = -4 ですが,これは前者を満たさないので,解はありません。
(3) 0 < x < 2 のとき
二式の和と差を取ると,
(8x^2 - 4y + 1)(x^2 - y) = (8(x - 2)^2 + 4y +
1)(y + (x - 2)^2)
及び
(8x√(x^2 - y))(x^2 - y) = - (8(x - 2)√(y + (x
- 2)^2))(y + (x - 2)^2)
まず,x = 1 とすると,
(9 - 4y)(1 - y) = (9 + 4y)(y + 1)
及び
(√(1 - y))(1 - y) = (√(y + 1))(y + 1)
前者より,y = 0 で,これは後者も満たします。
そこで,x = 1,y = 0 は解です。
次に,図の (1,0) に関する点対称性より,0 < x < 1 を考えれば十分で,
この範囲に解が存在すれば,x -> 2 - x,y -> - y としたものも解で,これ以外にはありません。
そこで,0 < x < 1 を考えます。
最初の式は,(1)と同じで,
y = 2(x - 1) * (8(x^2 + (x - 2)^2) + 1)/(6(x^2
+ (x - 2)^2) + 1) < 2(x - 1)
です。
後者より,
x^2(x^2 - y)^3 = (x - 2)^2(y + (x - 2)^2)^3
この式も,0 < x < 1 であること以外は同じなので,同様の議論で,y < 2(x - 1) の範囲に,
x^2(x^2 - y)^3 = (x - 2)^2(y + (x - 2)^2)^3
の解が存在する可能性はあり,y を消去すると。
x^2(x^2 - 2(x - 1) * (8(x^2 + (x - 2)^2) +
1)/(6(x^2 + (x - 2)^2) + 1))^3
=
(x - 2)^2(2(x - 1) * (8(x^2 + (x - 2)^2) + 1)/(6(x^2 + (x - 2)^2) + 1) + (x -
2)^2)^3
これを解けばいいですが,難しそうで解けていません。
(4) x = 2 のとき
これは,図の (1,0) に関する点対称性より(2)と同じで,解はありません。
(5) 2 < x のとき
これは,図の (1,0) に関する点対称性より(1)と同じで,
(1)に解があれば,それを x -> 2 - x,y -> - y としたものが解になります。
以上,不完全ですが,現状報告です。
問題5:
これは,前回,第258回,の問題2:の設定と同じで,
前回の私の解答の(考察2)で調べたように,x^2 の項を消去したものになります。
したがって,y = 2x - 2 になります。
(感想)
問題4:に関する水の流れさんとのメールでの議論に誤りがあったことをお詫びします。
結局,この問題はまだ解けていません。
不完全で恐縮ですが,一応,分かった範囲のことを記載しました。
一方,円の場合は,簡単で,また美しい結果ですね。
問題3:も興味深いですが,これは,常にいえるわけではなさそうです。
問題4:の共通戦線が y = 0 と y = 4x - 4 であること,
y = x^2 と y = x^2 - 4x + 4 の場合は y = 0 であること,などを考えれば分かります。
なお,問題5:に関係して,
前回,第258回,の問題2:の MVH さんの解法は興味深く,大変勉強になりました。
NO2 「MVH」 07/02 13時09分受信 更新7/3
皆さん、答えがわかったら、一部でも構いませんから、解答とペンネームを添えて、
メールで送ってください。待っています。