平成23年7月24日
[流れ星]
第260回数学的な応募問題解答
<解答募集期間:7月3日〜7月24日
[ベルヌーイの不等式]
職場の数学科の先生から生徒が利用している家庭用参考書にある次の質問を受けました。
(それは問題2です)その問題を解くために必要な考えがベルヌーイの不等式です。
問題1: ベルヌーイの不等式 tn−nt+(n−1)≧0
ただし、t>0 ,nは2以上の自然数とする。
これを証明せよ。
問題2:nを自然数とするとき、22n+6n−1が9で割りきれることを証明せよ。
ただし、数学的帰納法を用いないでください。
問題3:nを自然数とするとき、5n+an+bが16で割りきれるような16以下の自然数a,bを求めよ。【出展:1997年一橋大学の入試問題】
問題4: 体積が2πの直円柱の中で表面積が最小となる直円柱の底面と半径を求めよ。
【出展:2001年東京女子医科大学の入試問題】
解法として、微分を使った方法、相加平均・相乗平均の利用があります。そして、他の方法でも考えてください。
NO1「uchinyan」 07/03 13時32分受信
「uchinyan」 07/10 11時39分受信 更新7/24
第260回数学的な応募問題
[ベルヌーイの不等式]
問題1:
一般に,k を自然数として,
t^k - 1 = (t - 1)(t^(k-1) +
t^(k-2) + ... + t + 1)
t > 0 の場合には,
t^k - 1 = (t - 1) * (正数)
そこで,
t^n - nt
+ (n - 1)
= (t^n - 1) -
n(t - 1)
= (t - 1)((t^(n-1) + t^(n-2) + ... + t
+ 1) - n)
ここで,n = 1 ならば,明らかに = 0 となって成立し,n >= 2 の場合は,
= (t - 1)((t^(n-1) - 1) + (t^(n-2) - 1)
+ ... + (t - 1) + (1 - 1))
= (t - 1)((t - 1) * (正数) + (t - 1) * (正数) + ... + (t - 1) * (正数))
= (t - 1)^2 * (正数) >= 0
以上より,
t^n - nt
+ (n - 1) >= 0
ただし,等号は n = 1 又は t = 1 です。
(別解1)
同じようなものですが,この方が自然かな。
T = t^n - nt + (n - 1)
= (t^n - 1) -
n(t - 1)
= (t - 1)((t^(n-1) + t^(n-2) + ... + t
+ 1) - n)
ここで,n = 1 ならば,明らかに T = 0 となって成立。
n >= 2 の場合は,
t > 1 のときは,t^(n-1) > t^(n-2) > ... > t
> 1 より,
t - 1 > 0,(t^(n-1) + t^(n-2) +
... + t + 1) - n > n - n = 0,T > 0 で成立
t = 1 のときは,明らかに T = 0 となって成立
1 > t > 0 のときは,0 < t^(n-1)
< t^(n-2) < ... < t < 1 より,
t - 1 < 0,(t^(n-1) + t^(n-2) +
... + t + 1) - n < n - n = 0,T > 0 で成立
以上より,
t^n - nt
+ (n - 1) >= 0
ただし,等号は n = 1 又は t = 1 です。
(別解2?)
水の流れさんから,二項定理を使った証明がある,と聞いて考えてみました。
がしかし,何かうまくいかず,恐ろしく難しくなってしまいました...
t^n = (1 + (t - 1))^n =
Σ[k=0,n]{nCk * (t - 1)^k}
T = t^n - nt + (n - 1) = t^n - n(t - 1) - 1
= Σ[k=2,n]{nCk * (t - 1)^k}
n = 1 の場合は Σ の部分がなく 0 で T = 0 になって明らかに成立。
n >= 2 の場合は,
T = Σ[k=0,n-2]{nC(k+2)
* (t - 1)^(k+2)}
= (t - 1)^2 * Σ[k=0,n-2]{nC(k+2) * (t - 1)^k}
t >= 1 のときは,Σ の部分は正なので,
T = (t - 1)^2 * (正数) >= 0,等号は t = 1
で,成立。
ここまでは問題ありません。
しかし,0 < t < 1 のときは,-1
< t - 1 < 0 なので,話はそう単純ではありません。
まず,0C0 = 1 としておきます。すると,
P = Σ[k=0,n-2]{nC(k+2)
* (t - 1)^k}
= Σ[k=0,n-2]{nC(k+2)
* Σ[m=0,k]{kCm * (-1)^(k-m) * t^m}}
= Σ[k=0,n-2]{Σ[m=0,k]{nC(k+2) * kCm * (-1)^(k-m) * t^m}}
足す順番を,k = 0 〜 n-2,m = 0 〜 k から m = 0 〜 n-2,k = m 〜 n-2 に変えると,
= Σ[m=0,n-2]{Σ[k=m,n-2]{nC(k+2) * kCm * (-1)^(k-m) * t^m}}
=
Σ[m=0,n-2]{Σ[k=m,n-2]{n!/(n-2-k)!(k+2)! * k!/(k-m)!m! * (-1)^(k-m) * t^m}}
=
Σ[m=0,n-2]{Σ[k=0,n-2-m]{n!/(n-2-m-k)!(k+m+2)! * (k+m)!/k!m! * (-1)^k * t^m}}
=
Σ[m=0,n-2]{Σ[k=0,n-2-m]{1/(k+m+2)(k+m+1) * n!/(n-2-m)!m! *
(n-2-m)!/(n-2-m-k)!k! * (-1)^k * t^m}}
= Σ[m=0,n-2]{n(n-1) * (n-2)Cm * (-1)^m
* Σ[k=0,n-2-m]{(n-2-m)Ck/(k+m+2)(k+m+1) * (-1)^(k+m)}
* t^m}
ここで,
(1 + x)^n = Σ[k=0,n]{nCk * x^k}
Σ[k=0,n]{nCk * x^(k+m)} = x^m * (1 + x)^n
∫[0,x]{Σ[k=0,n]{nCk *
y^(k+m)}}dy = ∫[0,x]{y^m * (1 + y)^n}dy
Σ[k=0,n]{nCk/(k+m+1) *
x^(k+m+1)} = ∫[0,x]{y^m * (1 + y)^n}dy
∫[0,x]{Σ[k=0,n]{nCk/(k+m+1)
* z^(k+m+1)}}dz = ∫[0,x]{∫[0,z]{y^m
* (1 + y)^n}dy}dz
Σ[k=0,n]{nCk/(k+m+2)(k+m+1)
* x^(k+m+2)} = ∫[0,x]{∫[0,z]{y^m * (1 + y)^n}dy}dz
なので,x = -1 とすると,
Σ[k=0,n]{nCk/(k+m+2)(k+m+1)
* (-1)^(k+m+2)} = ∫[0,-1]{∫[0,z]{y^m * (1 + y)^n}dy}dz
Σ[k=0,n]{nCk/(k+m+2)(k+m+1)
* (-1)^(k+m)} = ∫[-1,0]{∫[z,0]{y^m
* (1 + y)^n}dy}dz
ここで,-1 <= z <= y <= 0 で,y^m,(1 + y)^n は連続,∫[z,0]{y^m * (1 + y)^n}dy
も連続で,
積分の平均値定理より,-1 < a < 0,として,
∫[-1,0]{∫[z,0]{y^m * (1
+ y)^n}dy}dz = ∫[a,0]{y^m * (1 + y)^n}dy * (0 - (-1))
∫[-1,0]{∫[z,0]{y^m * (1
+ y)^n}dy}dz = ∫[a,0]{y^m * (1 + y)^n}dy
さらに,もう一度,積分の平均値定理より,-1 < a < c < 0,として,
∫[a,0]{y^m * (1 + y)^n}dy = (c^m * (1 + c)^n) * (0 - a)
= (-a) * c^m * (1 + c)^n
∫[-1,0]{∫[z,0]{y^m * (1
+ y)^n}dy}dz = (-a) * c^m * (1 + c)^n
なので,結局,
Σ[k=0,n]{nCk/(k+m+2)(k+m+1)
* (-1)^(k+m)} = (-a) * c^m
* (1 + c)^n
これより,
P = Σ[m=0,n-2]{n(n-1) * (n-2)Cm *
(-1)^m * (-a) * c^m * (1 + c)^n * t^m}
= Σ[m=0,n-2]{n(n-1) * (n-2)Cm * (-a) *
(-c)^m * (1 + c)^n * t^m}
ここで,a,c は m,n に依存しますが,(-a) *
(-c)^m * (1 + c)^n > 0 で,
t^m の係数はすべて正になります。
そこで,0 < t < 1 でも,
P > 0,T = (t - 1)^2 * P > 0
となって,成立します。
以上より,
t^n - nt
+ (n - 1) >= 0
ただし,等号は n = 1 又は t = 1 です。
問題2:
2^(2n) + 6n - 1 = (4^n - 4n + (n - 1))
+ 9n
9n は 9 の倍数です。また,4^n
- 4n + (n - 1) はベルヌーイの不等式より正で自然数です。
ここで,一般に,k を自然数として,
4^k - 1 = (4 - 1)(4^(k-1) + 4^(k-2) +
... + 4 + 1) = 3(4^(k-1) + 4^(k-2) + ... + 4 + 1)
= 3 の倍数
なので,
4^n - 4n + (n - 1) = (4^n - 1) - 3n
= 3((4^(n-1) + 4^(n-2) + ... + 4 + 1) -
n)
= 3((4^(n-1) - 1) + (4^(n-2) - 1) + ...
+ (4 - 1) + 0)
= 3((3 の倍数) + (3 の倍数) +
... + (3 の倍数) + (3 の倍数))
= 9 の倍数
そこで,2^(2n) + 6n - 1 は 9 の倍数になります。
(別解)
二項定理を使った別解です。
2^(2n) + 6n - 1 = (4^n - 3n - 1) + 9n
= ((3 + 1)^n - 3n - 1) + 9n
= (Σ[k=0,n]{nCk
* 3^k} - 3n - 1) + 9n
= Σ[k=2,n]{nCk
* 3^k} + 9n
= 9 * (Σ[k=2,n]{nCk
* 3^(k-2)} + n)
= 9 の倍数 (n = 1 の場合は Σ
の部分は 0)
そこで,2^(2n) + 6n - 1 は 9 の倍数になります。
問題3:
5^n + an + b = (5^n - 5n + (n - 1)) +
((a + 4)n + (b + 1))
5^n - 5n + (n - 1) はベルヌーイの不等式より正で自然数です。
ここで,一般に,k を自然数として,
5^k - 1 = (5 - 1)(5^(k-1) + 5^(k-2) +
... + 5 + 1) = 4(5^(k-1) + 5^(k-2) + ... + 5 + 1)
= 4 の倍数
なので,
5^n - 5n + (n - 1) = (5^n - 1) - 4n
= 4((5^(k-1) + 5^(k-2) + ... + 5 + 1) -
n)
= 4((5^(n-1) - 1) + (5^(n-2) - 1) + ...
+ (5 - 1) + 0)
= 4((4 の倍数) + (4 の倍数) +
... + (4 の倍数) + (4 の倍数))
= 16 の倍数
となって,(a + 4)n + (b + 1) がすべての n に対して 16 の倍数になればいいです。
これは,a,b が 16 以下の自然数では,
n が 16 の倍数のときに b + 1 が 16 の倍数なので b = 15 に確定で,
このとき,(a + 4)n がすべての n で 16 の倍数なので a + 4 が
16 の倍数で a = 12 です。
つまり,a = 12,b = 15 になります。
(別解)
二項定理を使った別解です。
5^n + an + b = (5^n - 4n - 1) + ((a +
4)n + (b + 1))
= ((4 + 1)^n - 4n - 1) + ((a + 4)n + (b
+ 1))
= (Σ[k=0,n]{nCk
* 4^k} - 4n - 1) + ((a + 4)n + (b + 1))
= Σ[k=2,n]{nCk
* 4^k} + ((a + 4)n + (b + 1))
= 16 * Σ[k=2,n]{nCk
* 4^(k-2)} + ((a + 4)n + (b + 1))
= 16 の倍数 + ((a + 4)n + (b + 1)) (n = 1 の場合は Σ の部分は
0)
となって,(a + 4)n + (b + 1) がすべての n に対して 16 の倍数になればいいです。
後は同じです。
問題4:
直円柱の底面の半径を r,高さを h とすると,r > 0,h > 0 で,
体積 = πr^2 * h = 2π,h =
2/r^2
表面積 = πr^2 * 2 + 2πr * h = 2π(r^2 + rh) = 2π(r^2 + 2/r)
= 2π(r^3 + 2)/r = 2π((r^3 - 3r + (3 -
1)) + 3r)/r = 2π(r^3 - 3r + (3 - 1))/r + 6π
ここで,ベルヌーイの不等式より,
r^3 - 3r + (3 - 1) >= 0,等号は r = 1
なので,
表面積 >= 2π(0)/r + 6π = 6π
等号は,r = 1,h = 2,で成立します。
そこで,表面積の最小は,底面の半径 = 1,高さ
= 2 のときで,6π になります。
(考察)
問題1:は,f(t) = t^n - nt + (n - 1) とおいて微分する方が楽かもしれませんが,
問題2:,問題3:でも使った式変形を意識して使ってみました。
また,水の流れさんから,二項定理を使った証明がある,と聞いて考えてみました。
しかし,0 < t < 1 の場合が恐ろしく難しくなってしまいました。
何か単純なことを見落としているのかなぁ。
問題2:,問題3:は,
本質的にはベルヌーイの不等式を使っているとは言い難い解法なので何かパッとしませんが,
ベルヌーイの不等式の証明でも使える式変形を使い,数学的帰納法は使いませんでした。
これらも,二項定理を使った別解を追加しました。
ベルヌーイの不等式での t > 1 の場合なので,これらはむしろ簡単になるようです。
なお,数学的帰納法を使う解法としては,例えば,問題2:では,
(2^(2(n+1)) + 6(n+1) - 1) - (2^(2n) +
6n - 1) = 6(2^(2n-1) + 1)
= 6 * (2 + 1)(2^(2n-2) - 2^(2n-3) + ...
- 2 + 1)
= 9 の倍数
と,n = 1 で 2^2 + 6 - 1 = 9
を使う解法などが考えられますね。
問題3:でも似たような解法ができます。
もっとも,そんなことはしなくとも,
問題2:は,2^2 = 4,4^3 = 64 =
9 * 7 + 1 なので,n = 3k,3k + 1,3k + 2 で,
問題3:は,5^4 = 625 = 16 * 39 + 1 なので,n = 4k,4k + 1,4k + 2,4k + 3 で,
それぞれ評価する,という解法もあります。個人的には,この方が基本的で自然な気がします。
また,問題3:は,要するに恒等式の係数を求めることと同じなので,
まず,例えば n = 1, 2 で必要条件を求め,それが十分なことを確かめてもいいですね。
問題4:は,ベルヌーイの不等式を使ってみました。
ただ,やはり,相加相乗平均を使って,
表面積 = 2π(r^2 + 2/r) = 2π(r^2 + 1/r + 1/r) >=
2π * 3,等号は r^2 = 1/r,r = 1
とする方が簡単な気がします。
(感想)
ベルヌーイの不等式という名前は知りませんでした。
問題2:,問題3:が,もう少しこの不等式ならではの解法にならないかなぁ,と思いますが。
NO2「スモークマン」 07/08 21時08分受信 更新7/24
問題1: ベルヌーイの不等式 t^n−nt+(n−1)≧0
ただし、t>0 ,nは2以上の自然数とする。
これを証明せよ。
回答
y=t^n の(1,1) を通る接線は...y-1=n(t-1)
二つのグラフを比べると...
y=t^n ≧ y=n(t-1)+1 であり...
つまりは...
t^n-nt+(n-1)≧0
であることがわかる♪
問題2:nを自然数とするとき、2^2n+6n−1が9で割りきれることを証明せよ。
ただし、数学的帰納法を用いないでください。
回答
2^(2n)+6n-1=(3-1)^(2n)+6n-1
=(9-6+1)^n+6n-1
=(9の倍数+nC1*(-6)+1)+6n-1
=9の倍数
♪
問題3:nを自然数とするとき、5^n+an+bが16で割りきれるような16以下の自然数a,bを求めよ。【出展:1997年一橋大学の入試問題】
解答
5^n+an+b=(4+1)^n+an+b
=16の倍数+nC1*4+1+an+b
=16の倍数+(4+a)*n+b+1
a=12
b=15
なら...常に可能
n=1 のときも...5+12+15=32 でOK
問題4: 体積が2πの直円柱の中で表面積が最小となる直円柱の底面と半径を求めよ。
【出展:2001年東京女子医科大学の入試問題】
解法として、微分を使った方法、相加平均・相乗平均の利用があります。そして、他の方法でも考えてください。
解答
π*r^2*h=2π
r^2*h=2
2πr*h+2π*r^2
つまり...rh+r^2=2/r+r^2 の最小値
相加相乗から...1/r+1/r+r^2≧3(r2/r^2)^(1/3)=3
1/r=r^2...r=1
半径1、高さ2
ベルヌーイの定理をどう使うんだろ...^^;...?
NO3「浜田明巳」 07/20 10時56分受信
更新7/24
第260回数学的な応募問題<解答募集期間:7月3日〜7月24日>
[ベルヌーイの不等式]
職場の数学科の先生から生徒が利用している家庭用参考書にある次の質問を受けました。(それは問題2です)その問題を解くために必要な考えがベルヌーイの不等式です。
問題1:ベルヌーイの不等式tn−nt+(n−1)≧0
ただし、t>0、nは2以上の自然数とする。
これを証明せよ。
問題2:nを自然数とするとき、22n+6n−1が9で割りきれることを証明せよ。ただし、数学的帰納法を用いないでください。
問題3:nを自然数とするとき、5n+an+bが16で割りきれるような16以下の自然数a、bを求めよ。【出展:1997年一橋大学の入試問題】
問題4:体積が2πの直円柱の中で表面積が最小となる直円柱の底面の半径を求めよ。【出展:2001年東京女子医科大学の入試問題】
解法として、微分を使った方法、相加平均・相乗平均の利用があります。そして、他の方法でも考えてください。
1.f(t)=tn−nt+(n−1)とすると,
f'(t)=ntn−1−n=n(tn−1−1)
t>0,n−1>0なので,
f'(t)<0 ⇔ 0<t<1, f'(t)>0 ⇔ 1<t
故にf(t)はt=1で極小かつ最小.
∴f(t)≧f(1)=1−n+n−1=0
∴tn−nt+(n−1)≧0
2.22n+6n−1=(4n−3n−1)+9n
であるから,
4n−3n−1
が9の倍数であることを示せばよい.この式をg(n)とする.
g(1)=4−3−1=0
g(2)=16−6−1=9
より,n=1,2のとき成立する.
n=3m+i(mは自然数,i=0,1,2)とする.
g(3m+i)=43m+i−3(3m+i)−1
=4i(43)m−9m−3i−1
=4i(7×9+1)m−9m−3i−1
=4iΣ(0≦r≦m)mCr・(7×9)m−r・1r−9m−3i−1
=4i{Σ(0≦r≦m−1)mCr・7m−r・9m−r+1}−9m−3i−1
=4i・9Σ(0≦r≦m−1)mCr・7m−r・9m−r−1+4i−9m−3i−1
=9{4iΣ(0≦r≦m−1)mCr・7m−r・9m−r−1−m}+4i−3i−1
=9{4iΣ(0≦r≦m−1)mCr・7m−r・9m−r−1−m}+g(i)
ここで,{ }内は整数であり,
g(0)=1−0−1=0,g(1),g(2)
は9の倍数なので,g(3m+i)は9の倍数である.
故にすべての自然数nについて,g(n)は9の倍数である.
3.h(n)=5n+an+bとする.
h(1),h(2)は16の倍数である.
h(1)=5+a+b,1≦a≦16,1≦b≦16から,
7≦h(1)≦37
∴h(1)=16,32
∴a+b=11,27
h(2)=25+2a+bから,
28≦h(2)≦73
∴h(2)=32,48,64
∴2a+b=7,23,39
a+b<2a+bから,
(a+b,2a+b)=(11,23),(11,39),(27,39)
∴(a,b)=(12,−1),(28,−17),(12,15)
条件から,(a,b)=(12,15)
∴h(n)=5n+12n+15
このh(n)がすべての自然数nについて16の倍数であることを示す.
h(n)=5n−4n−1+16(n+1)
であるから,
5n−4n−1
が16の倍数であることを示せばよい.この式をk(n)とする.
k(1)=5−4−1=0
k(2)=25−8−1=16
k(3)=125−12−1=112=7×16
より,n=1,2,3のとき成立する.
n=4m+i(mは自然数,i=0,1,2,3)とする.
k(4m+i)=54m+i−4(4m+i)−1
=5i(54)m−16m−4i−1
=5i(39×16+1)m−16m−4i−1
=5iΣ(0≦r≦m)mCr・(39×16)m−r・1r−16m−4i−1
=5i{Σ(0≦r≦m−1)mCr・39m−r・16m−r+1}−16m−4i−1
=5i・16Σ(0≦r≦m−1)mCr・39m−r・16m−r−1+5i−16m−4i−1
=16{5iΣ(0≦r≦m−1)mCr・39m−r・16m−r−1−m}+5i−4i−1
=16{5iΣ(0≦r≦m−1)mCr・39m−r・16m−r−1−m}+k(i)
ここで,{ }内は整数であり,
k(0)=1−0−1=0,k(1),k(2),k(3)
は16の倍数なので,k(4m+i)は16の倍数である.
故にすべての自然数nについて,k(n)は16の倍数である.
答は,a=12,b=15である.
4.(数学3の微分による解法)
底面の半径をr,高さをhとすると,体積Vは,
V=πr2h=2π
∴h=2/r2
表面積Sは,
S=2πr2+2πrh=2π(r2+rh)=2π(r2+2/r)
∴S'=2π(2r−2/r2)=4π(r3−1)/r2
r>0なので,
S'<0 ⇔ 0<r<1, S'>0 ⇔ 1<r
故にSはr=1のとき,極小かつ最小.
故に底面の半径が1,高さが2のとき,表面積は最小となる.
(相加平均相乗平均の関係を使う解法)
r>0であるから,相加平均相乗平均の関係から,
S=2π(r2+1/r+1/r)≧2π・3(r2・1/r・1/r)1/3=6π
等号はr2=1/r=1/r,すなわちr=1のときに成立する. ・・・
(数学2の微分による解法)
r2+2/r=pとすると,r3−pr+2=0
正の数rが存在するとき,pが最小になる場合を求めればよい.
f(r)=r3−pr+2とすると,
f'(r)=3r2−p=3{r+(p/3)1/2}{r−(p/3)1/2}
∴f'(r)<0 ⇔ 0<r<(p/3)1/2, f'(r)>0 ⇔ (p/3)1/2<r
故にf(r)はr=(p/3)1/2のとき,極小となる.
極小値は,
p/3(p/3)1/2−p(p/3)1/2+2=2−2(p/3)3/2
グラフから,2−2(p/3)3/2≦0でなければ,r(>0)は存在しない.
∴(p/3)3/2≧1
∴p≧3
故にpの最小値は,p=3
このとき,r=(p/3)1/2=1 ・・・
NO4「MVH」
07/23 12時12分受信 更新7/24
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