平成24年1021

[流れ星]

     第281回数学的な応募問題解答

      <解答募集期間:923日〜1021日>

[3次関数は点対称]

問題1:3次関数f(x)=x―xax において、極大値と極小値の和が0にとき、aの値を求めよ。

問題2:2つの関数 f(x)=x と g(x)=xax で囲まれた部分が2つあるとする。それぞれの面積が等しいような定数aの値を求めよ。

問題3:2つの関数 f(x)=x−6x+8x+3 と g(x)=ax で囲まれた部分が2つあるとする。それぞれの面積が等しいような定数aの値を求めよ。

NO1「浜田明巳」  09/23 1536分受信 更新10/21

問題1.f()=x−x+axから,
  f'()=3x−2x+a
 極値をもつので,2次方程式f'()=0は異なる2個の実数解をもつ.判別式をDとすると,
  D/4=1−3a>0   a<1/3
 このとき,2次方程式の2解をαβとすると,解と係数の関係より,
  αβ=2/3,αβ=a/3
 このとき,極値の和は,
  f(α)+f(β)α+aα)β+aβ)
         =β)β)+aβ)
 ここで,
  αββ)−3αβ(αβ)(2/3)−3・a/3・2/3=8/27−2a/3
  αββ)−2αβ(2/3)−2・a/3=4/9−2a/3
  (α)+f(β)(8/27−2a/3)(4/9−2a/3)+a・2/3
          =2a/3−4/27=2/3・(a−2/9)=0
  a=2/9
 これはa<1/3を満たす.

(別解)極値を表す点をA,f(α)),B,f(β))とする.
 f(α)+f(β)=0から,{(α)+f(β)}/2=0
 故に線分ABの中点,すなわち変曲点のy座標は0となる.
 f''()=6x−2=6(x−1/3)から,変曲点のx座標は,1/3
 故に変曲点のy座標は,
  f(1/3)(1/3)(1/3)+a・1/3=1/3・(a−2/9)=0
  a=2/9
 これはa<1/3を満たす.


問題2.f()=x,g()=x−ax
 f()=g()とすると,x=x−ax
  −x+ax=x(−x+a)=0
  x=0,x−x+a=0
 故に2次方程式
  x−x+a=0………(1)
が0以外の異なる2個の実数解をもてば,2つのグラフの共有点が3個となり,囲まれた部分が2個となる.
 (1)が0を解としないことより,a
 (1)の判別式をDとすると,D=1−4a>0   a<1/4
 まとめると,a<0,0<a<1/4
 このとき3個の共有点のx座標をαβγαβγ)とすると,条件から,
  <x<β)|x−x+ax|dx=<x<γ)|x−x+ax|dx
 これは曲線y=x−xの変曲点を,直線y=−axが通ることを意味する.


 y=x−xから,y'=3x−2x,y''=6x−2=6(x−1/3)
 x=1/3のとき,y=(1/3)(1/3)=−2/27から,変曲点は,(1/3,−2/27)
 これがy=−ax上にあるので,−2/27=−a・1/3   a=2/9
 これはa<0,0<a<1/4を満たす.

(別解)異なる3点を共有しており,それらは交点であり,接点ではない.つまり点を共有するごとに,その前後でグラフの上下関係が変わる.
 条件から,
  <x<β)(−x+ax)dx=−<x<γ)(−x+ax)dx
  ∴∫<x<γ)(−x+ax)dx=0………(2)
 (1)の2解をδεδε)とすると,解と係数の関係から,δε=1,δε=a………(3)
i).
a=δε<0のとき,δεから,δ<0<ε
  ∴αδβ=0,γε
 (2)から,
  <x<ε)(−x+ax)dx
 =[/4−x/3+ax/2]<x<ε)
 =δ)/4−δ)/3+aδ)/2=0
 ε≠δから,
  3εδεδδ)−4εδδ)+6aδ)=0
  {(εδ)−2εδ(εδ)}−4{(εδ)εδ}+6aδ)=0
 (3)から,
  3(1−2a)−4(1−a)+6a=0
  −1+4a=0   a=1/4
 これはa<0に反する.
ii).
0<a<1/4のとき,a=δε>0,δεδε>0から,0<δε
  ∴α=0,βδγε
 (2)から,
  (0<x<ε)(−x+ax)dx
 =[/4−x/3+ax/2](0<x<ε)
 =ε/4−ε/3+aε/2=0
 ε≠0から,
  3ε−4ε+6a=0………(4)
 εε+a=0から,
  εε−a
 (4)に代入すると,
  3−a)−4ε+6a=0   ∴ε=3a
 εε+a=0に代入すると,
  9a−3a+a=0
 a0から,9a−2=0   a=2/9
 これは0<a<1/4を満たす.
 i).ii).より,a=2/9

問題3.f()=x−6x+8x+3,g()=ax
 問題2と同様に,3次関数のグラフy=f()の変曲点を,直線y=g()=axが通ることになる.
 f'()=3x−12x+8,f''()=6x−12=6(x−2)より,x=2のとき,変曲点となり,
  f()=8−24+16+3=3
 故に変曲点は(2,3)
  ()=2a=3   a=3/2
 このとき,
  f'()=12−24+8=−4<a


 グラフから,このとき,囲まれた部分が2個出来るので,これが解である.

NO2「uchinyan  09/23 1617分受信 更新

uchinyan  09/24 1633分受信 更新

uchinyan  09/25 1350分受信 更新10/21

折角,「[3次関数は点対称]」というヒントがあるので,これを使って解いていきましょう。

一般に,3次関数 y = f(x) = ax^3 + bx^2 + cx + da 0 のグラフを考えます。

y' = f'(x) = 3ax^2 + 2bx + cy'' = f''(x) = 6ax + 2b

ここで,y'' = 0 となる点を変曲点といいますが,今の場合,これは

(- b/3a, (- ab^3 + 3ab^3 - 9a^2bc + 27a^3d)/27a^3) = (- b/3a, (2b^3 - 9abc + 27a^2d)/27a^2)

です。そして,X = x - (- b/3a) = x + b/3aY = y - (2b^3 - 9abc + 27a^2d)/27a^2 とおくと,

y = a(X - b/3a)^3 + b(X - b/3a)^2 + c(X - b/3a) + d

= aX^3 - bX^2 + b^2/3a^2 * X - b^3/27a^2 + bX^2 - 2b^2/3a * X + b^3/9a^2 + cX - bc/3a + d

= aX^3 + (b^2 - 2ab^2 + 3a^2c)/3a^2 * X + (2b^3 - 9abc + 27a^2d)/27a^2

Y = y - (2b^3 - 9abc + 27a^2d)/27a^2 = aX^3 + (b^2 - 2ab^2 + 3a^2c)/3a^2 * X

ここで,X <---> -X かつ Y <---> -Y という対称性があるので,

元の3次関数のグラフは変曲点 (- b/3a, (2b^3 - 9abc + 27a^2d)/27a^2) に関して点対称です。

 

逆に,3次関数 y = f(x) = ax^3 + bx^2 + cx + da 0 のグラフが,ある点 (p,q) に関して点対称だとすると,

X = x - pY = y - q とおいて XY の式にしたときに X <---> -X かつ Y <---> -Y という対称性があるはずです。

x = X + py = Y + q として xy の式に代入すると,

Y + q = a(X + p)^3 + b(X + p)^2 + c(X + p) + d

Y + q = aX^3 + (3ap + b)X^2 + (3ap^2 + 2bp + c)X + (ap^3 + bp^2 + cp + d)

Y = aX^3 + (3ap + b)X^2 + (3ap^2 + 2bp + c)X + ((ap^3 + bp^2 + cp + d) - q)

X <---> -X かつ Y <---> -Y とすると,

(-Y) = a(-X)^3 + (3ap + b)(-X)^2 + (3ap^2 + 2bp + c)(-X) + ((ap^3 + bp^2 + cp + d) - q)

- Y = - aX^3 + (3ap + b)X^2 - (3ap^2 + 2bp + c)X + ((ap^3 + bp^2 + cp + d) - q)

Y = aX^3 - (3ap + b)X^2 + (3ap^2 + 2bp + c)X - ((ap^3 + bp^2 + cp + d) - q)

この式が元の XY の式と一致しなければならないので,

3ap + b = 0(ap^3 + bp^2 + cp + d) - q = 0

p = - b/3aq = ap^3 + bp^2 + cp + d = (2b^3 - 9abc + 27a^2d)/27a^2

これから,点対称の中心の点 (p,q) は先ほどの変曲点,ということが分かります。

以上のことから,3次関数 y = f(x) = ax^3 + bx^2 + cx + da 0 のグラフは,

その変曲点に関し,そして変曲点「だけ」に関し,点対称,と分かります。

また,このことから,

y' = dy/dx = dY/dx = dY/dX = 3aX^2 + (b^2 - 2ab^2 + 3a^2c)/3a^2

なので,y' = 0 となる x,極値を与える x,は X <---> -X という対称性をもつので,

x = α で極大,x = β で極小,とすると,(α + β)/2 = - b/3a

極値を与える二つの x 座標の平均は変曲点の x 座標に等しい

ということがいえます。

さらに,この3次関数 y = f(x) = ax^3 + bx^2 + cx + d のグラフと x 軸とで囲まれる部分が二つあり,それらの面積が等しいとします。

このとき,x 軸との交点が三つ,したがって,

3次方程式 ax^3 + bx^2 + cx + d = 0 が三つの異なる実数解 α < β < γ をもつので,

f(x) = ax^3 + bx^2 + cx + d = a(x - α)(x - β)(x - γ)

と書け,面積の条件より,a の正負によらず,次がいえます。

[α,β]{ax^3 + bx^2 + cx + d}dx = - [β,γ]{ax^3 + bx^2 + cx + d}dx

y = f(x) は変曲点だけで点対称なので。(β,0) y = f(x) の変曲点のときこの式は成立します。

その一方で,グラフの形状からして,それ以外ではこの式は成立できないので,

β = - b/3af(- b/3a) = 0,になります。

以下では,これらの事実を使います。

問題1:

f(x) = x^3 - x^2 + axf'(x) = 3x^2 - 2x + af''(x) = 6x - 2

なので,変曲点は (1/3, a/3 - 2/27) で,グラフはこの点に関して,そしてこの点だけに関して,点対称です。

x = α で極大,x = β で極小,とすると,変曲点に関して点対称なので,

(α + β)/2 = 1/3(f(α) + f(β))/2 = a/3 - 2/27

題意より,f(α) + f(β) = 0 なので,a/3 - 2/27 = 0a = 2/9,です。

このとき,α = (3 - 3)/9,β = (3 + 3)/9,となり,確かに極大と極小をもちます。

そこで,a = 2/9 になります。

(別解1) ちょっとだけの別解

f(x) = x^3 - x^2 + axf'(x) = 3x^2 - 2x + a

x = α で極大,x = β で極小,とすると,これらは f'(x) = 0 の解なので α + β = 2/3 です。

また,y = f(x) の唯一の点対称の中心,変曲点,を (p,f(p)) とすると,

p = (α + β)/2 = 1/3f(p) = f(1/3) = a/3 - 2/27 = (f(α) + f(β))/2

題意より,f(α) + f(β) = 0 なので,a/3 - 2/27 = 0a = 2/9,です。

このとき,α = (3 - 3)/9,β = (3 + 3)/9,となり,確かに極大と極小をもちます。

そこで,a = 2/9 になります。

 

(別解2) 検算

f(x) = x^3 - x^2 + axf'(x) = 3x^2 - 2x + a

x = α で極大,x = β で極小,とすると,これらは f'(x) = 0 の解なので,

α + β = 2/3,αβ = a/3

題意より,

f(α) + f(β) = 0

f(α) + f(β)

= (α^3 - α^2 + aα) + (β^3 - β^2 + aβ)

= (α + β)^3 - 3αβ(α + β) - (α + β)^2 + 2αβ + a(α + β)

= (2/3)^3 - 3(a/3)(2/3) - (2/3)^2 + 2(a/3) + a(2/3)

= 2a/3 - 4/27 = 0

a = 2/9

このとき,α = (3 - 3)/9,β = (3 + 3)/9,となり,確かに極大と極小をもちます。

そこで,a = 2/9 になります。

問題2:

f(x) = x^3g(x) = x^2 - ax,より,二つのグラフの交点の x 座標は次の3次方程式の解です。

x^3 = x^2 - axx^3 - x^2 + ax = 0x(x^2 - x + a) = 0

二つのグラフで囲まれた部分が二つあるというのは交点が三つあるということなので,

この3次方程式が三つの異なる実数解 α < β < γ をもつことを意味し,

h(x) = x^3 - x^2 + ax = (x - α)(x - β)(x - γ)

と書けます。さて,面積の条件より,

[α,β]{x^3 - (x^2 - ax)}dx = [β,γ]{(x^2 - ax) - x^3}dx

[α,β]{x^3 - x^2 + ax}dx = - [β,γ]{x^3 - x^2 + ax}dx

y = h(x) は3次関数で変曲点だけで点対称なので。(β,0) y = h(x) の変曲点のときこの式は成立します。

その一方で,グラフの形状からして,それ以外ではこの式は成立できません。

そこで,h''(x) = 6x - 2 より y = h(x) の変曲点の x 座標は 1/3 なので,

β = 1/3h(β) = h(1/3) = (1/3)^3 - (1/3)^2 + a(1/3) = 1/9 - 1/3 + a = - 2/9 + a = 0

a = 2/9

このとき,α = 0,β = 1/3,γ = 2/3,となり,確かに y = f(x) y = g(x) は交点を三つもちます。

そこで,a = 2/9 になります。

(別解1) ちょっとだけの別解

先ほどと同様にして,

[α,β]{x^3 - (x^2 - ax)}dx = [β,γ]{(x^2 - ax) - x^3}dx

[α,β]{(x^3 - x^2) - (- ax)}dx = [β,γ]{(- ax) - (x^3 - x^2)}dx

これは,y = x^3 - x^2 y = - ax のグラフで囲まれた部分が二つあり,それらの面積が等しい,と解釈できます。

すると,3次関数の方は,y' = 3x^2 - 2xy'' = 6x - 2,より,

グラフは,変曲点 (1/3,-2/9) に関して,そしてその点だけに関して,点対称になります。

一方で,y = - ax のグラフは,原点を通る傾き -a の直線です。

そこで,対称性より明らかに,y = - ax y = x^3 - x^2 の変曲点 (1/3,-2/9) を通る時だけ題意を満たします。

(グラフが3点で交わるのも明らかです。)

これより,- a/3 = - 2/9a = 2/9,になります。

(別解2) 検算

先ほどと同様にして,

[α,β]{x^3 - (x^2 - ax)}dx = [β,γ]{(x^2 - ax) - x^3}dx

[α,β]{x^3 - x^2 + ax}dx = - [β,γ]{x^3 - x^2 + ax}dx

[α,β]{x^3 - x^2 + ax}dx + [β,γ]{x^3 - x^2 + ax}dx = 0

[α,γ]{x^3 - x^2 + ax}dx = 0

[α,γ]{x^3 - x^2 + ax}dx

= [α,γ]{(x - α)(x - β)(x - γ)}dx

= [(x - β)^2/2 * (x - α)(x - γ)][α,γ] - [α,γ]{(x - β)^2/2 * (2x - (α + γ))}dx

= - [α,γ]{(x - β)^2/2 * (2(x - β) - (α + γ - 2β))}dx

= - [α,γ]{(x - β)^3 - (α + γ - 2β)(x - β)^2/2}dx

= - [(x - β)^4/4 - (α + γ - 2β)(x - β)^3/6][α,γ]

= - (((γ - β)^4 - (α - β)^4)/4 - (α + γ - 2β)((γ - β)^3 - (α - β)^3)/6)

= - (γ - α)(α + γ - 2β) *

(3((γ - β)^2 + (α - β)^2) - 2((γ - β)^2 + (γ - β)(α - β) + (α - β)^2))/12

= - (γ - α)(α + γ - 2β)((γ - β)^2 - 2(γ - β)(α - β) + (α - β)^2)/12

= - (α + γ - 2β)(γ - α)^3/12 = 0

α < β < γ なので,

α + γ - 2β = 0

ここで,α + β + γ = 1,αβ + βγ + γα = a,αβγ = 0,より,

α + β + γ = 2β + β = 3β = 1,β = 1/3

αβγ = (1/3)αγ = 0,αγ = 0

αβ + βγ + γα = 2β^2 + αγ = 2(1/3)^2 + 0 = 2/9 = a

このとき,α = 0,β = 1/3,γ = 2/3,となり,確かに y = f(x) y = g(x) は交点を三つもちます。

そこで,a = 2/9 になります。

問題3:

f(x) = x^3 - 6x^2 + 8x + 3g(x) = ax

f'(x) = 3x^2 - 12x + 8f''(x) = 6x - 12

より,y = f(x) のグラフは,変曲点 (2,3) に関して,そしてその点だけに関して,点対称になります。

一方で,y = g(x) = ax のグラフは,原点を通る傾き a の直線です。

そこで,対称性より明らかに,y = g(x) y = f(x) の変曲点 (2,3) を通る時だけ題意を満たします。

(グラフが3点で交わるのも明らかです。)

これより,2a = 3a = 3/2,になります。

(別解) 検算

f(x) = x^3 - 6x^2 + 8x + 3g(x) = ax

より,二つのグラフの交点の x 座標は次の3次方程式の解です。

x^3 - 6x^2 + 8x + 3 = axx^3 - 6x^2 + (8 - a)x + 3 = 0

二つのグラフで囲まれた部分が二つあるというのは交点が三つあるということなので,

この3次方程式が三つの異なる実数解 α < β < γ をもつことを意味します。

このとき,x^3 - 6x^2 + (8 - a)x + 3 = (x - α)(x - β)(x - γ) に注意して,題意より,

そこで,

[α,β]{(x^3 - 6x^2 + 8x + 3) - ax}dx = [β,γ]{ax - (x^3 - 6x^2 + 8x + 3)}dx

[α,β]{x^3 - 6x^2 + (8 - a)x + 3}dx + [β,γ]{x^3 - 6x^2 + (8 - a)x + 3}dx = 0

[α,γ]{x^3 - 6x^2 + (8 - a)x + 3}dx = 0

[α,γ]{x^3 - 6x^2 + (8 - a)x + 3}dx

= [α,γ]{(x - α)(x - β)(x - γ)}dx

= (問題2:の(別解)の計算と全く同じ。)

= - (α + γ - 2β)(γ - α)^3/12 = 0

α < β < γ なので,

α + γ - 2β = 0

ここで,α + β + γ = 6,αβ + βγ + γα = 8 - a,αβγ = -3,より,

α + β + γ = 2β + β = 63β = 6,β = 2

αβ + βγ + γα = 2β^2 + γα = 8 + γα = 8 - a,αγ = - a

αβγ = 2(- a) = -3a = 3/2

このとき,α = (4 - 22)/2,β = 2,γ = (4 + 22)/2,となり,

確かに y = f(x) y = g(x) は交点を三つもちます。

そこで,a = 3/2 になります。

(感想)

3次関数がその変曲点に関して点対称なのはよく知られた事実ですが,

なかなかそれを使って問題を解くことに思い至らないことも多いです。

その意味で,よい復習になりました。

なお,検算も兼ねて,地道な計算もしておきました。

解と係数の関係や部分積分を使うこうした計算自体もよく使われるテクニックなので,

こちらもよい復習になりました。

NO3「スモークマン」    09/24 0757分受信

「スモークマン」    09/24 2236分受信 更新10/21

問題1:
3次関数f(x)=x^3―x^2+ax において、極大値と極小値の和が0のとき、aの値を求めよ。

f
(x)=3x^2-2x+a=0
この2根の真ん中の値=1/3 が…
変曲点で…
f(1/3)=(1/3)^3-(1/3)^2+a(1/3)=0
ということなので…
1-3+9a=0
a=2/9

問題2:
2つの関数 f(x)=x^3 と g(x)=x^2−ax で囲まれた部分が2つあるとする。それぞれの面積が等しいような定数aの値を求めよ。

二つの関数が交わるとき…x^3=x^2-ax
この0以外の2根を通る直線で囲まれる面積が同じということは…問題1に回帰する…

上下反対の面積でx=1/3 に関して対称になってることと同じだから…a=2/9

x^2-x+a=(x-1/2)^2+a-1/4=0
1/4>a を満たしている。

問題3:2つの関数 f(x)=x^3−6x^2+8x+3 と g(x)=ax で囲まれた部分が2つあるとする。それぞれの面積が等しいような定数aの値を求めよ。

f(x)=x^3-6x^2+8x+3
g(x)=ax の二つの関数が交わり、面積が同じとは...
h(x)=f(x)-g(x)=x^3-6x^2+(8-a)*x+3
の変曲点のy座標が0であればよいわけだから…

h
(x)=3x^2-12x+8-a の2根の真ん中の点が変曲点のx座標なので…

h(2)=2^3-6*2^2+(8-a)*2+3=0
8-24+3+16-2a=0
a=3/2

ということになるのかな…^^

問題1の意味がわかったら...問題3も簡単に解けるわけですねぇ♪
最初からだと...たぶん解けなかったと思います...^^;

NO4「kasama    09/26 1116分受信

kasama    09/27 0918分受信 更新10/21

問題1

f(x)が極大値・極小値をとるときのxをそれぞれα,βとします。するとその和が0なので、

 f(α)+f(β)=0⇒α3-α2+aα+β3-β2+aβ=0(α+β)3-3αβ(α+β)-{(α+β)2-2αβ}+a(α+β)=0(1)

ここで、α,βはf(x)'=3x2-2x+a=0を満たすので、解と係数の関係より、

 α+β=2/3,αβ=a/3

です。これを(1)式にあてはめると、

 f(α)+f(β)=(2/3)3-3(a/3)(2/3)-{(2/3)2-2(a/3)}+a(2/3)=0a=2/9

となります。

問題2

いろんなやり方があると思いますが、解と係数の関係を使って手堅くやってみます。f(x)g(x)の上下関係を考えて面積を扱うのは面倒なので、h(x)=f(x)-g(x)として、h(x)x軸によって囲まれる面積を考えることにします。まず、h(x)x軸の交点は、

 h(x)=f(x)-g(x)=x(x2-x+a)=0

の解ですが、x=0は明らかです。他の2つは次の2次方程式を満たします。

 x2-x+a=0(2)

その解をα,β(ただしα<β)とすれば、解と係数の関係から、α+β=1>0なのでβ>0です。よって、交点の大小関係は、

 α<0<β…(3) または 0<α<β…(4)

とみることができます。なお、x軸によって囲まれた部分は2つなので、(2)式は2つの異なる実数解を持たなければなりません。判別式をDとすると、

 D=1-4a>0 a<1/4(5)

です。これらのことを踏まえて、2つの面積が等しいときのaを求めます。

1.α<0<βのとき

h(x)3次関数で、3次の係数が正ですから、大よそ次のような形をしています。

α<x<0では正、0<x<βでは負

すると、x軸で囲まれた2つの面積が等しいので、

 

 ⇒(3α4-4α3+6aα2)/12=(3β4-4β3+6aβ2)/12

 ⇒(β-α)(3(α+β)((α+β)2-2αβ)-2(2(α+β)2-3a(α+β)-2αβ))=0

 ⇒3(α+β)((α+β)2-2αβ)-2(2(α+β)2-3a(α+β)-2αβ)=0 (∵α≠β)

ここで、解と係数の関係からα+β=1,αβ=aなので、

 上式=4a-1=0 a=1/4

となりますが、(5)式を満たさないので、このケースはあり得ません。

2.0<α<βのとき

同じようにして、

0<x<αでは正、α<x<βでは負

すると、

 

 ⇒(3α4-4α3+6aα2)/12=-(3β4-4β3+6aβ2-3α4+4α3-6aα2)/12

 ⇒3β2-4β+6a=0

ここで、βは(2)式の解でβ2=β-a、β=1+(1-4a)/2ですから、

 上式=3(β-a)-4β+6a=0 3a-β=0 6a-(1-4a)-1=0 a=2/9

となり、(5)式を満足しています。

12より、a=2/9です。

問題2

(別解)

3次関数の性質をうまく利用すれば、上のような面倒なことをしなくとも、もっと簡単にアプローチできます。

3次関数は変曲点について点対称

です。つまり、変曲点のy座標が0なら、x軸で囲まれた2つの面積は等しいです。すると、

 h(x)''=0 6x-2=0 x=1/3

となり、変曲点は{1/3,h(1/3)}なので、

 h(1/3)=0 a=2/9

です。これは解と係数の関係から求めた結果と一致します。

問題3

別解と同じように、3次関数の性質を使います(っていうか、f(x)g(x)の交点を素手で求めるのはかなり厄介です)。

 h(x)=f(x)-g(x)=x3-6x2+(8-a)x+3

とやって、変曲点のx座標は

 h''(x)=0 6x-12=0 x=2

ですから、そのときのy座標が0になればよいので、

 h(2)=0 a=3/2

です。

2012/09/27に下記解答を追加

問題1

(別解)

先生から『3次関数は点対称を利用』というご指摘を頂きました。仰る通りで、こちらも3次関数の性質を使うと、簡単にできます。

3次関数の対称性から、変曲点のy座標が0なら、極大値・極小値の和は0です。これは問題2の答えと一致するはずですが、実際にやってみると、

 f(x)''=0 6x-2=0 x=1/3

となり、そのときのy座標が0になればよいで、

 f(1/3)=0 a=2/9

です。

 

NO5「にいばりZ1209/27 0324分受信

「にいばりZ1209/28 0152分受信 更新10/21

準備

表題にあるとおり、3次関数は変曲点に対し点対称であることを示します。

f(x)=ax^3+bx^2+cx+d (a0)・・・一般式

変曲点のx座標はf(x)2階微分が0(曲率0)のときなので

f(x)0とおいてx=-b/3a,y=(2b^3-9abc-27a^2d)/27a^2を得ます

X=x+b/3a,Y=y-(2b^3-9abc-27a^2d)/27a^2で座標変換(変曲点を原点に)すると

Y=aX^3-(b^2-3ac)X/(3a)となります。(原点移動なので関数の形は変わりません)

この式と、Y=mXとの交点を調べると(b^2-3ac)/(3a)=kとして(X=Y=0)

X=±((k+m)/a)^(1/2),Y=±m((k+m)/a)^(1/2)となり、原点以外の2点の交点の和X,Yともが0となることから変曲点に対し点対象が示されました。(ここでは(k+m)/a>0とします)

なおY=aX^3-(b^2-3ac)X/(3a)が極値を持つ条件はこの関数を微分して0と置き、実数解があるときなのでb^2-3ac>0。また以後、準備で使った記号aは問題のaと違うので以後のaは題意に従います。

問題1:3次関数f(x)=x3―x^2+ax において、極大値と極小値の和が0にとき、aの値を求めよ。

 

準備で示した通り、3次関数は変曲点に対し点対称なので変曲点のy座標が0になるようにaを定めればよいことになります。

変曲点のx座標は元の関数の2階微分が0のときなので

6-20

x=1/3

この時のy座標が0になるのは

f(x)=x(x^2-x+a)=0から

a=2/9

(念のため極大値と極小値を持つことを確認します

1-3a=1/3>0

 

問題2:2つの関数 f(x)=x3 と g(x)=x^2−ax で囲まれた部分が2つあるとする。それぞれの面積が等しいような定数aの値を求めよ。

 

問題1のf(x)F(x)とします

f(x)=x3 と g(x)=x^2−a=x(x-a) で囲まれた部分の面積はF(x)=f(x)-g(x)の積分に他なりません。

またf(x)=x3 と g(x)=x(x-a)はともに原点を通ります。

したがってF(x)も原点を通り、準備で示したとおり、三次関数は変曲点に対し点対称なので、F(x)の変曲点のy座標は0にならなければなりません。

また、2つの領域を持つためにはa>0でなければなりません。

結局、結論は問題1と同じa=2/9となります。

 

問題3:2つの関数 f(x)=x3−6x^2+8x+3 と g(x)=ax で囲まれた部分が2つあるとする。それぞれの面積が等しいような定数aの値を求めよ。

 

準備で述べたようにg(x)がf(x)の変曲点を通る直線であれば、3次関数が変曲点に関し点対称であることから2つの領域を持てばその面積は等しくなります。

変曲点座標は、(2,3)になります。したがってg(x)=ax は(2,3)を通るのでa=3/2となります。

 

途中経過の計算はA4の紙で3枚くらい使いました(間違えて破った紙は10枚くらい)。結果のみ記しましたが、もっとシンプルな解法があるような気がします。

また、この問題はもっと突き詰めて、常に極大値と極小値の存在やその座標、判別式などを検証しなければならないと思いますが、力足りずの回答です。

以前、2次関数の問題で深いなあ!と思いましたが3次関数ともなれば底が知れなくなるような思いを感じました。