平成25年4月14日
[流れ星]
第289回数学的な応募解答
<解答募集期間:3月24日〜4月14日>
[合同式(2)+和算]
学習指導要領の改訂で数学Aに「整数の性質」がでてきます。ここでは、整数に関する問題の解法に合同式の利用があります。では、問題です。
問題1:20132013を15で割った余りを求めよ。
問題2:nを自然数とするとき、1n+2n+3n+4n が10の倍数となるようにnの値を求めよ。
問題3: 直角三角形ABCにおいて、AB=6、BC=8、AC=10である。図のように、半径rの2つの円が互いに外接し、一方の円は辺AB、ACともう一方の円は辺AC,BCと接している。このとき、rの値を求めよ。
注:この問題は最近読んだ「天地明察」の中にあったものです。本の中では江戸時代17世紀後半、有名な和算家 関孝和が鮮やかに解いています。
NO1「uchinyan」 03/24 15時11分受信
「uchinyan」 03/26 17時35分受信 更新4/14
問題1:
(解法1) ここでは,合同式は mod 15 とします。
2013 ≡ 134 * 15 + 3 ≡ 3,3^5 ≡ 243 ≡ 16 * 15 + 3 ≡ 3
なので,
2013^2013 ≡ 3^2013 ≡ 3^(625 * 3 + 125 * 1 + 5 * 2 + 3)
≡
((((3^5)^5)^5)^5)^3 * (((3^5)^5)^5)^1 * (3^5)^2 * 3^3
≡ 3^3 * 3^1 *
3^2 * 3^3 ≡ 3^4 * 3^5 ≡ 3^4 * 3
≡ 3^5 ≡ 3
つまり,2013^2013
を 15 で割った余りは 3 です。
(解法2)
2013 ≡ 134 * 15 + 3 ≡ 3 (mod 15),2013^2013 ≡ 3^2013 (mod 15)
つまり,2013^2013
を 15 で割った余りは 3^2013 を 15 で割った余りに等しいです。
そこで,2013^2013
を 15 で割った余りを r,n を整数として,
r = 3^2013 - 15n =
3 * (3^2012 - 5n)
この式より,求める余り r
は 3^2012 を 5 で割った余りに 3 を掛けたものです。
ここで,
3^4 ≡ 81 ≡ 1 (mod 5),3^2012 ≡
(3^4)^503 ≡ 1^503 ≡ 1 (mod 5)
つまり,3^2012 を 5 で割った余りは 1 です。
そこで,2013^2013
を 15 で割った余りは 3 * 1 = 3 になります。
(解法3)
2013^2013 = (3 *
671)^2013 = 3 * (3^2012 * 671^2013)
なので,2013^2013
を 15 で割った商を q,余りを r,とすると,
r = 2013^2013 - 15q
= 3 * (3^2012 * 671^2013 - 5q)
この式より,求める余り r
は 3^2012 * 671^2013 を 5 で割った余りに 3 を掛けたものです。
ここで,
3^4 ≡ 81 ≡ 1 (mod 5),3^2012 ≡
(3^4)^503 ≡ 1^503 ≡ 1 (mod 5)
671 ≡ 134 * 5 + 1 ≡ 1 (mod 5),671^2013 ≡ 1^2013 ≡ 1 (mod 5)
3^2012 * 671^2013 ≡ 1 * 1 ≡ 1 (mod 5)
つまり,3^2012 *
671^2013 を 5 で割った余りは 1 です。
そこで,2013^2013
を 15 で割った余りは 3 * 1 = 3 になります。
問題2:
(解法1) P(n) = 1^n + 2^n + 3^n + 4^n, n は自然数,とします。
まず,明らかに,すべての
n で,1^n と 3^n は奇数,2^n と 4^n は偶数,なので,P(n)
は常に偶数です。
これより,P(n) が 10 の倍数になる場合を求めるには P(n) が 5 の倍数になる場合を考えればいいです。
そこで,以下では mod
5 の合同式で考えます。すると,
P(n) ≡ 1^n + 2^n + 3^n +
4^n ≡ 1^n + 2^n + (-2)^n + (-1)^n ≡ 1^n + (-1)^n + 2^n + (-2)^n
(1) n が奇数の場合
P(n) ≡ 1^n - 1^n + 2^n -
2^n ≡ 0
つまり,P(n) は常に 5 の倍数になり,したがって P(n) は 10 の倍数になります。
(2) n が偶数の場合
m を自然数として n = 2m と書け,
P(2m) ≡ 1^(2m) + (-1)^(2m) +
2^(2m) + (-2)^(2m)
≡ 1 + 1 + 4^m
+ 4^m ≡ 2 * (4^m + 1) ≡ 2 *
((-1)^m + 1)
ここで,k を自然数として,
(2-1) m = 2k-1 のとき
P(2(2k-1)) ≡ 2 * ((-1)^(2k-1) +
1) ≡ 2 * ((-1) + 1) ≡ 0
つまり,P(n) は 5 の倍数になり,したがって P(n) は 10 の倍数になります。
(2-2) m = 2k のとき
P(2(2k)) ≡ 2 * ((-1)^(2k) + 1) ≡ 2 * (1 + 1) ≡ 4
つまり,P(n) は 5 の倍数になることはなく,したがって P(n) も 10 の倍数になりません。
以上ですべてなので,結局,
P(n) が 10 の倍数になる場合の n は 奇数 又は 4 で割って 2 余る数
ということになります。
(解法2) P(n) = 1^n + 2^n + 3^n + 4^n, n は自然数,とします。
また,ここでは,合同式は
mod 10 とします。
P(n+4) ≡ 1^(n+4) + 2^(n+4) +
3^(n+4) + 4^(n+4)
≡ 1^4 * 1^n +
2^4 * 2^n + 3^4 * 3^n + 4^4 * 4^n
≡ 1^n + 16 *
2^n + 81 * 3^n + 256 * 4^n
≡ 1^n + (15 +
1) * 2^n + (80 + 1) * 3^n + (255 + 1) * 4^n
≡ 1^n + 2^n +
3^n + 4^n + 15 * 2^n + 80 * 3^n + 255 * 4^n
n は 1 以上の整数なので,
≡ 1^n + 2^n +
3^n + 4^n + 30 * 2^(n-1) + 80 * 3^n + 1020 * 4^(n-1)
≡ 1^n + 2^n +
3^n + 4^n ≡ P(n)
これより,
n が 4 で割って 1 余る数のとき
P(n) ≡ P(1) ≡ 1^1 + 2^1 + 3^1 + 4^1 ≡ 1 + 2 + 3 + 4 ≡ 10 ≡ 0
n が 4 で割って 2 余る数のとき
P(n) ≡ P(2) ≡ 1^2 + 2^2 + 3^2 + 4^2 ≡ 1 + 4 + 9 + 16 ≡ 30 ≡ 0
n が 4 で割って 3 余る数のとき
P(n) ≡ P(3) ≡ 1^3 + 2^3 + 3^3 + 4^3 ≡ 1 + 8 + 27 + 64 ≡ 100 ≡ 0
n が 4 の倍数のとき
P(n) ≡ P(4) ≡ 1^4 + 2^4 + 3^4 + 4^4 ≡ 1 + 16 + 81 + 256 ≡ 354 ≡ 4
そこで,
P(n) が 10 の倍数になる場合の n は 奇数 又は 4 で割って 2 余る数
ということになります。
(解法3)
P(n) = 1^n + 2^n +
3^n + 4^n, n は自然数,とします。
P(n) が 10 の倍数になる場合とは,下一桁が 0 になる場合です。
そこで,下一桁を調べると,
n = 1 2 3 4 5 6 7 8 …
1^n 1 1 1 1 1 1 1 1 …
以下繰り返し …
2^n 2 4 8 6 2 4 8 6 …
以下繰り返し …
3^n 3 9 7 1 3 9 7 1 …
以下繰り返し …
4^n 4 6 4 6 4 6 4 6 …
以下繰り返し …
P(n) 0 0 0 4 0 0 0
4 … 以下繰り返し …
そこで,
P(n) が 10 の倍数になる場合の n は 奇数 又は 4 で割って 2 余る数
ということになります。
問題3:
(解法1) 円の中心を,A に近い方を O,C に近い方を O' とし,
円O の AB,AC との接点を D,E,円O' の BC,AC との接点を F,G,
O から BC に下ろした垂線の足を H,O' から AB に下ろした垂線の足を I,
OH と O'I との交点を J,とします。
∠ABC = 90°より,OH//AB,O'I//AC で,OO'//AC
なので,△OJO' ∽ △ABC です。
そこで,OJ:JO':OO' = AB:BC:AC = 6:8:10 = 3:4:5,です。
これと,OO' = 2r より,OJ = 6r/5,JO' = 8r/5,です。
また,BH = DO =
r,BI = FO' = r,DI = OJ = 6r/5,HF = JO' = 8r/5,なので,
AD = AB - DI - BI =
6 - 6r/5 - r,CF = BC - HF - BH = 8 - 8r/5 - r
そこで,接線の性質より
AE = AD,CG = CF で,さらに EG = OO'
= 2r,なので,
AC = AE + EG + GC =
AD + OO' + CF = (6 - 6r/5 - r) + 2r + (8 - 8r/5 - r) = 10
14 - 14r/5 = 10
r = 10/7
になります。
(解法2) 使わないものもありますが,(解法1)のように点を取ります。
すると,∠OAC = ∠OAB,∠O'CA = ∠O'CB,なので,
AO,CO' の延長の交点を P とすると,P は △ABC の内心です。
そこで,P を中心とした
△ABC の内接円を描き,
その半径を p,円P の AB,BC,AC との接点を Q,R,S,とします。
∠ABC = 90°より QB = PR = p,RB = PQ = p で,AQ = AB - QB = 6 - p,CR = CB - RB = 8 - p です。
接線の性質より AS =
AQ = 6 - p,CS = CR = 8 - p なので,
AC = AS + CS = (6 -
p) + (8 - p) = 10,p = 2,PS = 2,AS = 4,CS = 6
ここで,△OEA ∽
△PSA,△O'GC ∽ △PSC,なので,
OE:EA = PS:SA,r:AE = 2:4,AE = 2r,O'G:GC = PS:SC,r:CG = 2:6,CG = 3r
これより,
AC = AE + EG + GC =
AE + OO' + CG = 2r + 2r + 3r = 7r = 10
r = 10/7
になります。
(解法3) 使わないものもありますが,(解法2)のように点を取ります。
まず,
△PAB:△PBC:△PCA = AB:BC:CA = 6:8:10 = 3:4:5,
△ABC = AB *
BC * 1/2 = 6 * 8 * 1/2 = 24,△PCA = 24 * 5/(3 + 4 + 5) =
10
一方で,OO'//AC なので,
△POO' ∽
△PAC,PO:PA =
OO':AC = (2r):10 = r:5,OA:PA = (5 - r):5,
これより,
△OAC = △PAC * OA/PA = AC * OE * 1/2
10 * (5 - r)/5 = 10
* r * 1/2
r = 10/7
になります。
(考察&感想)
どの問題も三つずつ解法を書いてみました。
問題1:と問題2:は合同式を使わなくとも二項定理で同じようなことはできますが,
使う方が記述がはるかに簡単になり,考えやすいですね。
問題1:の(解法2)と(解法3)は似たようなものですが,一応。
問題2:の(解法3)は今回は反則かも知れませんが,
実は小学生にも分かりそうな問題でした,という意味も込めて。
厳密には数学的帰納法を使えばいいでしょうが,累乗の計算より明らかでしょう。
問題3:は,和算としては珍しく容易に解けました。
一応,初等幾何の範囲に留めましたが,バリエーションはいろいろあると思います。
もっと簡単になるのかな?
NO2「浜田明巳」 03/26 10時59分受信 更新4/14
問題1
以下mod 15で計算する.
2013=15×134+3≡3
であり,
32=9≡−6
33≡−18≡−3
∴20132013≡32013=33×671=(33)671≡(−3)671
=−3671=−33×223+2=−(33)223・32
≡−(−3)223・32=3225=33×75
=(33)75≡(−3)75=−375
=−33×25=−(33)25≡−(−3)25=325
=33×8+1=(33)8・3≡(−3)8・3=39
=(33)3≡(−3)3=−33≡−(−3)=3
故に余りは3である.
また,
34≡−9≡6
35≡18≡3
まで計算し,
20132013≡32013=35×402+3=(35)402・33
≡3402・33=3405=35×81
=(35)81≡381=35×16+1
=(35)16・3≡316・3=317
=35×3+2=(35)3・32≡33・32
=35≡3
としても得られる.
下記のVBSCRIPTで計算しても3となる.
'289_1.vbs
r=1
for j=1 to 2013
r=(r*2013) mod 15
next
msgbox r
問題2
f(n)=1n+2n+3n+4nとする.
以下mod 10で計算する.
表にまとめると,
n 1 2 3 4 5
1n 1 1 1 1 1
2n 2 4 8 6 2
3n 3 9 7 1 3
4n 4 6 4 6 4
f(n) 0 0 0 4 0
故にf(n)は周期4で同じ値を繰り返す.
故に1≦n≦4で考えればよい.
表から,n≡1,2,3(mod 4)(4の倍数でない)であればよい.
下記のVBSCRIPTで計算しても,同様な答を得る.
'289_2.vbs
for n=1 to 15
if (1^n+2^n+3^n+4^n) mod 10=0 then
msgbox n
else
msgbox n&"ではない"
end if
next
問題3
Aよりの円の中心をO1,円O1とACとの接点をH,
Cよりの円の中心をO2,円O2とACとの接点をIとする.
AO1O2Cを結び,O1H,O2Iを結ぶ.
まず,HI=O1O2=2rである.
x=tan∠O1AHとする.
tan∠BAC=BC/AB=8/6=4/3
であり,加法定理から,
tan∠BAC=tan(2∠O1AH)=2tan∠O1AH/(1−tan2∠O1AH)
=2x/(1−x2)
∴2x/(1−x2)=4/3
∴3x=2(1−x2)
∴2x2+3x−2=0
∴(x+2)(2x−1)=0
ここで,0<∠O1AH<π/4から,0<x=tan∠O1AH<1
∴x=1/2
△AO1Hにおいて,
tan∠O1AH=O1H/AH
∴AH=O1H/tan∠O1AH=r/x=2r
次に,
tan∠O2CI=tan(∠ACB/2)=tan{(π/2−∠BAC)/2}
=tan(π/4−∠O1AH)
={tan(π/4)−tan∠O1AH}/{1+tan(π/4)tan∠O1AH}
=(1−1/2)/(1+1/2)=1/3
△CO2Iにおいて,
CI=O2I/tan∠O2CI=r/(1/3)=3r
∴10=AC=AH+HI+IC=2r+2r+3r=7r
∴r=10/7
(関孝和のようにはいきません)
「浜田明巳」 04/01
09時10分受信 更新4/14
問題3(別解)
Aよりの円の中心をO1,Cよりの円の中心をO2とし,
AO1O2Cを結ぶ.
O1,O2からBCに垂線O1F,O2Eを下ろし,
O1からABに垂線O1Jを下ろす.
直線CO2と辺ABとの交点をDとする.
CDは∠ACBの二等分線なので,
BD=AB×BC/(AC+BC)=6×8/(10+8)=8/3
DB//O2Eから,△DBC∽△O2EC
∴O2E:EC=DB:BC=(8/3):8=1:3
∴EC=3・O2E=3r
AB//O1G,BC//GO2,AC//O1O2から,
△O1GO2∽△ABC
∴O1O2:GO2=AC:BC=10:8=5:4
∴GO2=O1O2×4/5=2r×4/5=8/5・r
BF=JO1=r,FE=GO2=8/5・rから,
BC=BF+FE+EC=r+8/5・r+3r=28/5・r=8
∴r=10/7
NO3「スモークマン」 03/26 20時54分受信 更新4/14
問題1:20132013を15で割った余りを求めよ。
2013/15=134…3
(15*134+3)^2013≡3^2013
3^4=81≡1 mod 15
つまり、周期が4ですから スタートに戻ります
3^1=3 mod 15
よって、答え3となる。
問題2:nを自然数とするとき、1n+2n+3n+4n が10の倍数となるようにnの値を求めよ。
10=2*5
1^n+3^n=(2-1)^n+(2+1)^n≡0 mod 2
n=2m-1
1^n+4^n+2^n+3^2=1^n+(5-1)^n+2^n+(5-2)^n
これでも…n=2m-1 であれば満たす。
<水の流れ:奇数のとき、正解ですが、他に偶数の場合も考えてください>
問題3: 直角三角形ABCにおいて、AB=6、BC=8、AC=10である。図のように、半径rの2つの円が互いに外接し、一方の円は辺AB、ACともう一方の円は辺AC,BCと接している。このとき、rの値を求めよ。
三角関数でも出せるけど...
r/x=tan(A/2)
r/y=tan(C/2)
x+y+2r=10
tan(A)=4/3
tan(C)=3/4
tan(2A)=sin(2A)/cos(2A)=2sin(A)cos(A)/(cos^2(A)-sin^2(A))
=2tan(A)/(1-tan^2(A))
4/3=2a/(1-a^2)…a=1/2
3/4=2c/(1-c^2)…c=1/3
x=2r,y=3r
10=7r
r=10/7
相似に気づけば...添付図のような関係になっているので...
10=2r+6-(r+6r/5)+8-(r+8r/5)
4=14r/5 r=10/7
♪
「スモークマン」 03/28
21時45分受信 更新4/14
問題2:
奇数のときも含めて再考…
与式は…奇数*2+偶数*2=偶数 なので…
f(n)=1^n+(5-1)^n+2^n+(5-2)^n が5の倍数になるときを考える…
n=2m-1…つまり、nが奇数のとき…f(2m-1)≡0 mod 5 で成立。
n=2m のとき…
2+2^(2m+1)=2*(1+2^(2m))
1+2^(2m) が5の倍数になるときを考える…
2^2=4≡-1 mod 5
(2^2)^2≡1
つまり…
n=4k+2 なら満たす。
NO4「にいばりZ12」04/08 01時36分受信 更新4/14
にいばりZ12です。(仕事が煮詰まってきていて解答できなかったのがとても残念です。そんなわけで今回も一部となりますが・・・)
問題1(合同式を勉強していないので取りあえず我流で問題1を解答します。追って以降の問題についても時間が許せば解答したいと思います)
<準備>1
aをbcで割ったときの商をp余りをqとします。 a= bcp+ q (q<bc、a とbとcは自然数)・・・@
aをbで割ったときの商をp’余りをq’とします。 a= b p’+ q’ (q’<b)・・・A
p’をcで割ったときの商をp’’余りをq’’とします。 p’= c p’’+ q’’ (q’’< c)・・・B
AにBを代入するとa= bc p’’+(b q’’+ q’)・・・C
Aからb >q’、Bからb(c-1)≧bq’’
辺々足すとb c> bq’’+q’・・・D
これはCにおいて(b q’’+ q’)がaをbcで割ったときの余りであることを示しています。
よって、p= p’’、 q= bq’’+q’・・・・・・E 「因みにBにおいてcをc1、c2、c3・・・と分解を繰り返すと割る数を素因数分解したときの一般式が導かれると思います」
<準備>2
(d+e)^fを2項展開すると項数はf+1となり第1項から第f項までは因数にdを含み第2項から第f+1項までは因数にeを含みます。
したがって因数にdしかないのは1項目で因数にeしかないのはf+1項目です。
<準備>3
問題を、(d+e)^fをbcで割ったときの余りを求めよと設定します。さらにdをbcの倍数に設定すると準備2からe^fをbcで割ったときの余りを求めればいい事になります。
問題1の検討
準備1にしたがって左辺をa(=(d+e)^f)とします。
右辺は割る数が15なのでbを3、cを5とします(bc=15)
準備3にしたがって
d=2010=15×134、e=3として
e^f=3^2013=3×5×p+q (q<3×5)のqを求めていきます。
準備1Aから
e^f=3^2013=3×p’+q’
3^2013は3でわりきれるので、
p’=3^2013/3=3^2012
q’=0
準備1Bから
p’= c p’’+ q’’
3^2012=5×p’’+ q’’
ここで左辺に注目し、3^2012=3^(4×503)=(3^4)^503=81^503=(80+1)^503と変形します
80は5で割り切れるので、準備3の論理を適用すると
1^503=1=5×p’’’+ q’’
p’’’=0
q’’=1
準備1Eにより
q= bq’’+q’=3×1+0=3
解答は3です。
「にいばりZ12」04/11 01時31分受信
更新4/14
問題2(この問題も先ず合同式を使わないで考えてみました)
準備1
自然数kの1桁目はk^5の1桁目に等しい
証明(数学的帰納法)
k^5の1桁目がkの一桁目に等しいと仮定したとき(k+1)^5の1桁めはk+1の1桁目に等しい。
(k+1)^5=k^5+5k^4+10k^3+10k^2+5k+1
=k^5+1+10(k^3+10k^2)+5(k^4+k)+1
k^4+kは常に偶数なので10(k^3+10k^2)+5(k^4+k)は10の倍数となり1桁目には関係しない。
よって、(k+1)^5の一桁目はk^5+1の1桁めに等しい。
仮定からk^5の1桁目がkの一桁目に等しいので
(k+1)^5の一桁目はk+1の一桁目に等しい。
k=1としたとき、1^5=1
よってすべての自然数で成り立つ。
上記によりk^jにおいてj=4i+1(iは0及び自然数)の時1桁目が等しいことが自明でありまた、k^jにおいてj=4i+2、j=4i+3、j=4i+4、(iは0及び自然数)の時1桁目が等しい。
解答
1n+2n+3n+4nにおいて10の倍数となるとは、一桁目が0になることと同値です。
準備から、n=1、2、3、4を調べればよいことが判ります。
結果n=4の時1桁目が4でその他は0です。
したがってn≠4P(Pは自然数)・・・・解答
「にいばりZ12」04/13 22時13分受信
更新4/14
にいばりZ12です。いよいよ最終日ですので和算に回答したいと思います。
問題3
先ず△ABCは直角をはさむ2辺と斜辺の比が3:4:5の直角三角形であることを押さえて置きます。
内接円の中心O1、O2を通る直線とAB,BCの交点をそれぞれD、Eとします
O1からABへ、O2からBCへ垂線の足を下ろしそれぞれm1、m2とします
△ABC∽△DBE・・・@
△DO1m1において斜辺の長さはr・5/4
△O2Em2において斜辺の長さはr・5/3
∴DE= r・5/4+2r+ r・5/3=r・59/12
BからACへ垂線の足を下ろし交点をFとします
△ABC∽△AFB
△ABCの高さh=BF=6・4/5
∴△DBEの高さh’=BF=6・4/5−r
@より
AC:DE=h:h’
10:r・59/12=6・4/5:6・4/5−r
∴r=10/7・・・解答
「にいばりZ12」04/13 23時18分受信
更新4/14
にいばりZ12です。時間が出来たので問題1を合同式で解いてみました。
問題1:20132013を15で割った余りを求めよ。
a ≡ a' (mod m), b ≡ b' (mod m) とすると,
a + b ≡
a' + b' (mod m)
a - b ≡
a' - b' (mod m)
a * b ≡
a' * b' (mod m)
となる。
2013≡3 (mod 15)
∴2013^2013≡3^2013 (mod 15)
3^2013 =81^503×3=(80+1)^503×3
80^n×m×3≡0 (mod 15) (mは上式を展開した時の二項係数)
(80+1)^503×3≡1^503×3≡3 (mod 15)
よってあまりは3・・・解答