平成25年9月29日
[流れ星]
第297回数学的な応募解答
<解答募集期間:9月8日〜9月29日>
[分数の和]
「uchinyan」 09/08 15時55分受信
「uchinyan」 09/10 14時39分受信
更新9/29
問題1 2013 =
3 * 11 * 61 なので,
p/2013 が既約分数になるのは,p が 3 の倍数でも 11 の倍数でも 61 の倍数でもないときです。そこで,その和は,分子に関して,
1 〜 2012 の和から,
3 の倍数,11 の倍数,61 の倍数,の和を引いて,
引き過ぎた 3 * 11 の倍数,3
* 61 の倍数,11 * 61 の倍数,の和を足せばいいです。
これより,
1/2013 + 2/2013 + 4/2013 + 5/2013 + … +
2011/2013 + 2012/2013
= (Σ[k=1,2012]{k})/2013
- (3 * Σ[k=1,670]{k})/2013 - (11 *
Σ[k=1,182]{k})/2013 - (61 * Σ[k=1,32]{k})/2013
+ (33 * Σ[k=1,60]{k})/2013 + (183 *
Σ[k=1,10]{k})/2013 + (671 * Σ[k=1,2]{k})/2013
= ((2012 * 2013)/2)/2013
- ((670 * 671)/2)/671 - ((182 *
183)/2)/183 - ((32 * 33)/2)/33
+ ((60 * 61)/2)/61 + ((10 * 11)/2)/11 +
((2 * 3)/2)/3
= 1006 - 335 - 91 - 16 + 30 + 5 + 1
= 600 になります。
(考察1) a,b,c を互いに素な素数として,p/abc が既約分数のときの和は,
全く同様にして,(a - 1)(b - 1)(c - 1)/2,になります。
(考察2) 一般に,分母を n とし,p/n が既約分数となるような分子が 1 〜 n-1 の和は,
次のようにして求められます。
一般に,n 未満で n と互いに素な自然数を m とします。
また,m の個数は,n 未満で n と互いに素な自然数の個数なので,
例えば,第157回数学的な応募問題[オイラー関数]などより,
オイラー関数を使って,φ(n) 個,と書けます。
さて,p/n が既約分数となる p
= 1 〜 n-1 の和は,分子に注目すれば,m の和,です。
m は n と互いに素なので,n - m も n と互いに素です。
また,m と n - m とは1対1に対応しているので,それぞれ φ(n) 個あります。
しかも,(m の和) = ((n
- m) の和),m + (n - m) = n,なので,
(m の和) = 1/2 * {(m の和) + (m の和)}
= 1/2 * {(m の和) + ((n - m) の和)}
= 1/2 * {(m + (n - m))の和}
= 1/2 * n * φ(n)
そこで,
求める既約分数の和 = (m の和)/n
= (1/2 * n * φ(n))/n = φ(n)/2 になります。
a,b,c を互いに素な素数で,n = abc の場合は,
φ(n) = abc(1 - 1/a)(1 - 1/b)(1 - 1/c) =
(a - 1)(b - 1)(c - 1)
が知られているので,確かに,(a - 1)(b - 1)(c - 1)/2,になりますね。
もちろん,問題1では,(3 - 1)(11 - 1)(61 - 1)/2 =
600,です。
問題2 三つの方法で解いてみましょうか。
(解法1) 一般に 5k = 7q + r,0 <= r <= 6 とおくと,
5k/7 = q + r/7,[5k/7] = q + [r/7] =
q
となり,k = 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7 に対して q = 0, 1, 2, 2, 3, 4, 5 となるので,
ここまでの和は,0 + 1 + 2 + 2 + 3 + 4 + 5 = 17,です。
次の k = 8 〜 14 では,8 = 7 + 1, 9 = 7 + 2, …, 14 = 7 + 7 に注意すると,
先ほどの 17 に 5 * 1 *
7 = 35 が加わります。
以下,k = 7n + m,m =
1 〜 7 のときは,
同様にして,17 に 5 * n
* 7 が加わります。
ただし,最後の k = 7 * 14 + 1,7 * 14 + 2 = 100 のときは,
1 に 5 * 14 * 2 が加わります。
そこで,
求める和 = Σ[k=1,100]{[5k/7]}
= Σ[n=0,13]{17 + 5 * n * 7} + (1 + 5 *
14 * 2)
= 17 * 14 + (13 * 14)/2 * 35 + 141
= 238 + 3185 + 141
= 3564 になります。
(解法2)
求める和 = S = [5/7] + [10/7] + [15/7] + … +
[490/7] + [495/7] + [500/7]
= Σ[k=1,98]{[5k/7]} + [495/7] + [500/7]
5k/7 は,m を自然数として,k = 7m のときに整数になり,それ以外は整数にはなりません。
また,[495/7] = 70,[500/7]
= 71,です。
これらを踏まえると,m を自然数として,
S = Σ[k=1〜98,k≠7m]{[5k/7]} + Σ[m=1,14]{5m} + 70 +
71
S1 = Σ[k=1〜98,k≠7m]{[5k/7]} とおくと,
S = S1 + ((5 + 70) * 14)/2 + 70 + 71 =
S1 + 666
ここで,
5k/7 = i + f,i は正の整数,0 < f < 1,[5k/7] = i,とおけるので,
[(490 - 5k)/7] = [70 - 5k/7] = [70 - (i
+ f)] = [(70 - i - 1) + (1 - f)]
70 - i - 1 は整数,0 < 1 - f <
1 なので,
[(490 - 5k)/7] = 70 - i - 1 = 69 - i
となります。このことと,
S1 = Σ[k=1〜98,k≠7m]{[5k/7]} =
Σ[k=1〜98,k≠7m]{[(490 - 5k)/7]}
に注意すると,
S1 * 2 = Σ[k=1〜98,k≠7m]{[5k/7] +
[(490 - 5k)/7]}
= Σ[k=1〜98,k≠7m]{i + (69 - i)} = Σ[k=1〜98,k≠7m]{69}
k=1〜98,k≠7m となる k は 98 - 14 = 84 個 あるので,
S1 * 2 = 69 * 84,S1 = 69 * 42 = 2898
そこで,求める和 = S = 2898 + 666 = 3564 になります。
(解法3) (x,y)-座標平面を考え,y = 5x/7 という直線を考えます。
すると,[5k/7] は x = k における y = 5x/7 以下で x 軸より上の格子点の個数になります。そこで,求める和は,
(0,0),(100,0),(100,500/7)
を頂点とする直角三角形の内部又は x 軸上を除く辺上の格子点の個数
に等しくなります。これは,少し工夫すれば,次のように数えられます。
まず,この三角形に近い格子点を結んだ三角形を考えます。
そこで,100 = 7 * 14 + 2,500 = 7 * 71 + 3 より,
(0,0),(98,0),(98,497) を頂点とする直角三角形の内部又は x 軸上を除く辺上の格子点の個数を考えると,これに,x = 99 と 100 の格子点の個数 70 + 71 = 141 個 を加えればいいことになります。
この格子点を結んだ三角形は,
辺 (0,0) - (98,0) 上の格子点の個数は 99 個
辺 (98,0) - (98,70) 上の格子点の個数は 71 個
辺 (0,0) - (98,70) 上の格子点の個数は 15 個
これより,格子点を頂点にもつ三角形の内部又は x 軸上を除く辺上の格子点の個数は,
この直角三角形を二つくっつけた長方形を考えて,
(99 * 71 + 15)/2 - 99 = 3522 - 99 =
3423 個
これより,元の三角形の内部又は x 軸上を除く辺上の格子点の個数は,
3423 + 141 = 3564 個
以上より,結局,求める和は,3564,になります。
(考察1) 一般に,a,b,0 < b < a,を互いに素な自然数,として,
[b/a] + [2b/a] + [3b/a] + … +
[(a-2)b/a] + [(a-1)b/a]
の場合を考えてみましょう。
(解法2)でも(解法3)でもできますが,ここでは(解法3)の方向で,若干異なる工夫をして考えてみましょう。
この場合,求める和は,
(1,b/a),(a-1,b/a),(a-1,(a-1)b/a)
を頂点とする直角三角形の内部又は辺上の格子点の個数に等しくなる,と考えることができます。
そこで,この直角三角形を二つくっつけた
(1,b/a),(a-1,b/a),(a-1,(a-1)b/a),(1,(a-1)b/a) を頂点とする長方形を考え,
(a-1)b/a = b - b/a,0 < b/a < 1,b-1 < (a-1)b/a < b
に注意すると,この長方形は,
x 軸に平行な方向の格子点の個数は a-1 個
x 軸に平行な方向の格子点の個数は b-1 個
対角線 (1,b/a) - (a-1,(a-1)b/a) 上の格子点の個数は 0 個
で,長方形の中心で対称になっているので,
元の直角三角形の内部又は辺上の格子点の個数は,
((a-1)(b-1) + 0)/2 = (a-1)(b-1)/2 個
以上より,結局,求める和は,(a - 1)(b - 1)/2,になります。この結果はきれいですね。
(考察2)=(解法4)
(考察1)の結果を知っていれば,これを使って問題2を解くこともできます。
例えば,(解法1)のように,k = 1 〜 100 を 7 ずつ区切って(解法3)のように図形的に考えると...
k = 1 〜 7 は,
[5/7] + [10/7] + [15/7] + [20/7] +
[25/7] + [30/7] + [35/7]
に対応する直角三角形で,(考察1)の結果を使って,(5 - 1)(7 - 1)/2 + 5 = 17,です。
k = 7m+1 〜 7m+7,m = 1 〜 13,は,
1 〜 7 の直角三角形とその下の 7 * 5m の長方形なので,17 + 35m で,
m = 1 〜 13 なので,17 * 13
+ 35 * (13 * 14)/2 = 221 + 3185 = 3406,です。
k = 99, 100 は,[495/7] + [500/7] =
70 + 71 = 141,です。
以上ですべてなので,
求める和 = 17 + 3406 + 141 = 3564 になります。
(感想) どちらの問題も,以前に考えたことがありました。
問題1は,(考察2)で示したように,かなり一般化できるのが面白いです。
問題2は,この問題に関しては,(解法1)が単純な気がしますが,(解法2)や(解法3)も興味深いです。
(解法3)は,ピックの定理を使ってもいいのですが,単純な図形なので,そこまでする必要もないでしょう。
(考察1)の結果はきれいですね。(考察2)=(解法4)は,実は,(解法1)と同じ考え方ともいえそうです。
「浜田明巳」 09/10
11時02分受信 更新9/29
エクセルのマクロで解いた.解は,
問題1:600
問題2:3564 である.
(マクロ)
Option Explicit
Sub Macro1()
Sheets("Sheet1").Select
Cells(1, 1).Value = 0
Cells(1, 2).Value = 2013
Dim p As Integer
Dim g As Integer
Dim j As Integer
For p = 1 To 2012
If Application.Gcd(p, 2013) = 1 Then
Cells(1, 1).Value = Cells(1,
1).Value + p
: End If
Next p
g = Application.Gcd(Cells(1, 1).Value, Cells(1,
2).Value)
For j = 1 To 2
Cells(1, j).Value = Cells(1, j).Value / g
Next j
Range("A1").Select
'
Cells(3, 1).Value = 0
For j = 5 To 500 Step 5
Cells(3, 1).Value = Cells(3, 1).Value +
Int(j / 7)
Next j
Range("A3").Select
End Sub
(別解)問題1
2013=3・671=3・11・61であるから,分子pは3,11,61の倍数でない.
故に分子の和は, 1〜2012の和から,
3の倍数,11の倍数,61の倍数
を引く.しかしこれでは,
3・11の倍数,11・61の倍数,61・3の倍数
を余計に引いているので,それらを加える.しかしこれでは,
3・11・61の倍数
を余計に加えていることになるが,これは,
3・11・61=2013>2012
となり,無視してよい.
故に分子の和は,
Σ1≦k≦2012k−3Σ1≦k≦11・61−1k−11Σ1≦k≦3・61−1k−61Σ1≦k≦3・11−1k
+3・11Σ1≦k≦61−1k+11・61Σ1≦k≦3−1k+61・3Σ1≦k≦11−1k
=Σ1≦k2012k−3Σ1≦k≦670k−11Σ1≦k≦182k−61Σ1≦k≦32k
+3・11Σ1≦k≦60k+11・61Σ1≦k≦2k+61・3Σ1≦k≦10k
=2012・2013/2−3・670・671/2−11・182・183/2−61・32・33/2
+3・11・60・61/2+11・61・2・3/2+61・3・10・11/2
=2025078−674355−183183−32208+60390+2013+10065
=1207800
故に解の分数は, 1207800/2013=600
問題2
[5k/7](1≦k≦100)を書き出してみると,
1→ 5/7→ 0, 2→ 10/7→ 1, 3→ 15/7→ 2, 4→ 20/7→ 2, 5→ 25/7→ 3, 6→ 30/7→ 4, 7→ 35/7→ 5,
8→ 40/7→ 5, 9→ 45/7→ 6,10→ 50/7→ 7,11→ 55/7→ 7,12→ 60/7→ 8,13→ 65/7→ 9,14→ 70/7→10,
15→ 75/7→10, 16→ 80/7→11,17→ 85/7→12,18→ 90/7→12,19→ 95/7→13,20→100/7→14,21→105/7→15,
・・・
92→460/7→65, 93→465/7→66,94→470/7→67,95→475/7→67,96→480/7→68,97→485/7→69,98→490/7→70,
99→495/7→70,100→500/7→71
まとめると,
{(0+1+2+3+4+5)+2}+{(5+6+7+8+9+10)+7}+{(10+11+12+13+14+15)+12}
+・・・+{(65+66+67+68+69+70)+67}+(70+71)
={6(0+5)/2+2}+{6(5+10)/2+7}+{6(10+15)/2+12}
+・・・+{6(65+70)/2+67}+141
={3(5・0+5・1)+(5・0+2)}+{3(5・1+5・2)+(5・1+2)}+{3(5・2+5・3)+(5・2+2)}
+・・・+{3(5・13+5・14)+(5・13+2)}+141
={3・5・1+(5・0+2)}+{3・5・3+(5・1+2)}+{3・5・5+(5・2+2)}
+・・・+{3・5・27+(5・13+2)}+141
=3・5・(1+3+5+・・・+27)+5・(0+1+2+・・・+13)+2・14+141
ここで,
1+3+5+・・・+27=Σ1≦k≦14(2k−1)=142=196
0+1+2+・・・+13=13・14/2=91
∴与式=3・5・196+5・91+28+141=2940+455+169=3564
「にいばりZ12」9/14 01時32分受信 更新9/29
問題2
[5/7]+ [10/7] + [15/7] + [20/7] + [25/7] + [30/7] + [35/7]=0+1+2+2+3+4+5=17
[35/7+5/7]+ [35/7+10/7] + [35/7+15/7] + [35/7+20/7] + [35/7+25/7] +
[35/7+30/7] + [35/7+35/7]=5×7+0+1+2+2+3+4+5=5×7+17
[35×2/7+5/7]+ [35×2/7+10/7] + [35×2/7+15/7] + [35×2/7+20/7] + [35×2/7+25/7] + [35×2/7+30/7] + [35×2/7+35/7]=5×2×7+0+1+2+2+3+4+5=5×2×7+17
の様に7項ずつ括っていくと、項数が7の倍数7mであれば
S0=(5×0×7+17)+(5×1×7+17)+(5×2×7+17)+(5×3×7+17)+・・・・+(5×7(m-1)+17)=17m+Σ(i=1→m-1)35i=17m+35×m(m-1)/2
項数は500/5=100なのでm=14括られない項数は(100/7-[100/7])×7=2
よって7の倍数部分は17×14+35×14(14-1)/2=3423
7の倍数に括られない項は最後の2項で[495/7]、 [500/7]
S=3423+[495/7] +[500/7]=3423+70+71=3564・・・回答
感想
問題2は、回答にたどりつきましたがしっくり来ていません。
何とか苦手な合同式を用いて解く方法と、5の倍数を7で割った時の余りの数列、5,3,1,6,4,2,0,5,3,1,6,4,2,0・・・・の一般項を導こうと考えたのですが挫折中です。この一般項が導出できるともっとシンプルな回答が出来ると思うのですが・・・。何か考え付いたらまた投稿したいと思いますのでよろしくお願いします。
「にいばりZ12」9/20 01時19分受信 更新9/29
ご指摘どおりオイラーのφ関数で解きなおしをしましたので訂正させてください。
問題1
2013=3×11×61と3個の素因数に分解される合成数です
したがって、1/2013から2013/2013までの分数で
既約である分数の個数は分子分母が互いに素であることから
オイラーのφ関数により
φ(3)=3×(1-1/3)=2
φ(11)=11×(1-1/11)=10
φ(61)=61×(1-1/61)=60
φ(3×11×61)=φ(3)φ(11)φ(61)=1200
したがって既約でない分数の個数は2013-1200=813個となります。
分子のみを取り出し1から2013までの既約でない分数の分子の総和Sを求めます
3の倍数は3,6,9・・・、で2013/3=671個 @
11の倍数は11,22,33,44,・・・、で2013/11=183個 A
61の倍数は61,122,183,・・・、で2013/61=33個 B
3と11の最小公倍数は33でその倍数は
33,66,99,・・・2013/33=61個
C-
3と61の最小公倍数は183でその倍数は
183,366,549,・・・2013/183=11個
D
11と61の最小公倍数は671でその倍数は
671,1342,013 2013/671=3個
E
3と11と61の最小公倍数は2013の1個
F
Sの個数をsとすると
s=@+A+B−C−D−E+F=671+183+33−61−11−3+1=813
となり、確かにオイラーのφ関数が確かめられます。
S@=Σ(i=1→671)3i=3(671(671+1)/2)=2013(671+1)/2
SA=Σ(i=1→183)11i=11(183(183+1)/2) =2013(183+1)/2
SB=Σ(i=1→33)61i=61(33(33+1)/2) =2013(33+1)/2
SC=Σ(i=1→61)33i=33(61(61+1)/2) =2013(61+1)/2
SD=Σ(i=1→11)183i=183(11(11+1)/2) =2013(11+1)/2
SE=Σ(i=1→3)671i=671(3(3+1)/2) =2013(3+1)/2
SF=Σ(i=1→1)2013i=2013(1(1+1)/2) =2013(1+1)/2
S=S@+SA+SBーSCーSDーSE+SF
=2013( (671+1)+ (183+1) +(33+1)-(61+1) -(11+1) -(3+1)
+ (1+1) )/2
=2013×814/2・・・・・G
1から2013までの自然数の総和は
2013(2013+1)/2・・・・H
で与えられるので
既約である分数の分子の総和は
H−G=2013(2013+1-814)/2=2013×1200/2
よって既約でない分数(分子分母が互いに素)の総和は
2013×1200/(2×2013)=600・・・・・・・・・・・回答
回答から次のことが予想されます
自然数nを与えnが相異なる3個の素因数に分解され
nと互いに素でありnを超えない自然数の総和をmとした時
m/n=φ(n)/2(但しφ(n)はオイラーのφ関数とする)
証明
nを素因数分解し
n=p1p2p3とする(p1<p2<p3)
自然数1からnまでの数のうちnと互いに素である数の個数はオイラーのφ関数で次のように与えられる
∵「オイラーの関数は(互いに素な数の積に関して)乗法的」
φ(p1p2p3)=φ(p1)φ(p2)φ(p3)=(p1-1)(p2-1)(p3-1)
=p1p2p3-(p1p2+p2p3+p1p3)+(p1+p2+p3)-1
一方で、それらの数の総和Sを求めると
1からnまでの数の総和は
n(n+1)/2 ・・・・@
1からnの内p1の倍数(nと互いに素でない数)で表される数の総和は
Σ(i=1→n/p1)p1i=p1Σ(i=1→n/p1)i=p1(n/p1)((n/p1)+1)/2=n((n/p1)+1)/2=n(p2p3+1)/2 ・・・・A
同様に1からnの内p2、 p3の倍数で表される数の総和は
Σ(i=1→n/p2)p2i=p1Σ(i=1→n/p2)i=p2(n/p2)((n/p2)+1)/2=n((n/p2)+1)/2=n(p1p3+1)/2 ・・・・B
Σ(i=1→n/p3)p
3i=p1Σ(i=1→n/p3)i=p3(n/p3)((n/p3)+1)/2=n((n/p3)+1)/2=n(p1p2+1)/2 ・・・・C
1からnの内p1 p2の倍数(p1とp2の公倍数)で表される数の総和は
Σ(i=1→n/(p 1 p 2))p1p2i=p1p2Σ(i=1→n/(p1p2))i=p1p2(n/(p1p2)(n/(p1p2)+1))/2=n(p3+1)/2 ・・・・D
同様に1からnの内p2 p3、p1 p3の倍数で表される数の総和は
Σ(i=1→n/(p 2 p 3))p2p3i=p2p3Σ(i=1→n/(p2p3))i=p2p3(n/(p2p3)(n/(p2p3)+1))/2=n(p1+1)/2 ・・・・E
Σ(i=1→n/(p 1 p 3))p1p3i=p1p3Σ(i=1→n/(p1p3))i=p1p3(n/(p1p3)(n/(p1p3)+1))/2=n(p2+1)/2 ・・・・F
またp1 p2 p3 はnなのでnの倍数で表される数の総和は
Σ(i=1→n/(p 1 p 2 p 3))p1p2p3i=nΣ(i=1→1)i=n ・・・・G
S=@−(A+B+C)+(D+E+F)−G
=n(n+1)/2−(n(p2p3+1)/2+n(p1p3+1)/2+n(p1p3+1)/2) +(n(p3+1)/2+n(p1+1)/2+n(p2+1)/2)−n
=(n+1)n/2−((p2p3+1)+(p1p3+1)+(p1p3+1)) n/2+((p3+1)+(p1+1)+(p2+1))n/2−n
=(n/2)(n+1−((p2p3+1)+(p1p3+1)+(p1p3+1)) +((p3+1)+(p1+1)+(p2+1))−2)
=(n/2)(p1p2p3−(p2p3+p1p3+p1p3) +(p3+p1+p2)−1)
=(n/2)φ(p1p2p3)=m
∴m/n=φ(p1p2p3)/2・・・・証明終わり
一般に4個以上の相異なる素因数に分解される場合にも成り立ちそうですが、証明には、もっとエレガントな方法が必要と思います。
「スモークマン」 09/16 19時09分受信 更新9/29
(1) 素っか…^^;
2013と互いに素な個数は、オイラー関数で出せるのでしたぁ !!
2013=3*11*61
φ(2013)=φ(3)*φ(11)*φ(61)=2013*(1-1/3)(1-1/11)(1-1/61)=1200
mが2013と素なら2013-m も同様に素なので…
1200/2=600 ペアあり、
(m+2013-m)/2013=1 だから…
600
でしたのね ^^
オイラー関数知らなければ...
約数に持つ数=[2013/3]+[2013/11]+[2013/61]-[2013/(3*11)]-[2013/(3*61)]-[2013/(11*61)]+[2013/(3*11*61)]
=11*61+3*61+3*11-61-11-3+1
=813
つまり...
2013 と素な数=2013-813=1200 でぴったり合うわけねぇ...☆
いつか自分で勉強したんだけど...オイラー関数の式でいいことがすぐわからなかったりしてます...^^;;...
(2)
[505/7]=72+1/7 を2個にわけたとき、間隔 1の間だとその分 1だけ減ってる !!
つまり、
[m/7]+[(505-m)/7] は…
505-m の mが7の倍数のとき以外は 71個
500/5=100, 100/7=14個 が7の倍数。505は7の倍数ではないから…
14ペアが72…つまり、71+1 ということだから…
50*71+14=3564
ってことですね ^^
いつもながら一発で正解できない...論理の甘さ...勝手読みが多いわたしの囲碁と同じ...
Orz〜
「二度漬け白菜」9/20 22時14分受信
更新9/29
問題 1 :
求める和は、
(1/2)*φ(2013)
=(1/2)*2013*(1-1/3)*(1-1/11)*(1-1/61) = 600 (答)
一般に2以上の正整数nに対して、n以下の正整数のうち、
nと互いに素なものの総和をS(n)とすると、S(n)は
S(n) = 1/2 * n * φ(n)
で与えられます。
(ここで、φはオイラーのトーシェント関数)
この事実の証明は、「第157回数学的な応募問題解答」において、
解答者のひとり、uchinyan さんによってなされています。
本問では、S(2013)/2013 = (1/2)*φ(2013) の値を計算すればいいです。
問題 2 :
求める和は、3564 (答)
(与式)=Σ[k=1〜100]floor((5*k)/7)
=Σ[k=0〜104]floor((5*k)/7)-Σ[k=101〜104]floor((5*k)/7)
=Σ[k=0〜104]floor((5*k)/7)-291.
ここで、k=7*p+i (0≦p≦14, 0≦i≦6) とおくと、
floor((5*k)/7)=floor(5*p+(5*i)/7)=5*p+floor((5*i)/7).
よって、
(与式)=Σ[k=0〜104](floor((5*k)/7))
-291
=Σ[p=0〜14]Σ[i=0〜6](5*p+floor((5*i)/7))
-291
=Σ[p=0〜14]Σ[i=0〜6](5*p)+Σ[p=0〜14]Σ[i=0〜6]floor((5*i)/7)) -291
=Σ[p=0〜14](35*p)+Σ[p=0〜14](0+0+1+2+2+3+4)
-291
=35*14*15/2+15*12-291
=3564.
本問を少しだけ一般化した問題を考えてみました。
(問題)
nを任意の正整数とするとき、次の和をa(n)とする。
floor(5/7)+floor(10/7)+floor(15/7)+floor(20/7)+……+floor((5*n)/7)
このとき、a(n)をnの式で表せ。
(答)
a(n)=5*floor(n/7+6/7)*floor(n/7)+floor(n/7+5/7)*(5*floor(n/7)+1)+floor(n/7+4/7)*(5*floor(n/7)+2)+floor(n/7+3/7)*(5*floor(n/7)+2)+floor(n/7+2/7)*(5*floor(n/7)+3)
+floor(n/7+1/7)*(5*floor(n/7)+4)-(25/2)*floor(n/7)*(floor(n/7)+1).
「Iga」 09/21 00時49分受信 更新9/29
問題1 分数p/2013 が既約分数であるような次の和を求めよ。
1/2013+2/2013+4/2013+5/2013+……2011/2013+2012/2013
2013を素因数分解すると 2013=3×11×61 なので
求める和=(1+2+4+5+……+2011+2012)/2013
=(Σn−(3の倍数、11の倍数、61の倍数))/2013
分子 =Σn−3の倍数−(11の倍数−33の倍数)−(61の倍数−183の倍数−671の倍数+2013)
=(1+2013)×2013/2
−3×(1+671)×671/2
−(11×184×183/2−33×62×61/2)
−(61×34×33/2−183×12×11/2−671×4×3/2+2013)
=2027091−676368−122793−20130
=1207800
よって、
求める和=1207800/2013
=600
分子の計算にも素因数分解を利用すると、多少小さい数で計算できる。
分子 ={2014×2013−672×2013−(184−62)×2013−(34−12−4+2)×2013}/2
=(2014−672−122−20)×2013/2
=1200/2×2013
=600×2013
となるので、求める和=600 となる。
問題2 [x]=xの整数部分 というように記号[ ]を定義するとき、次の和を求めよ。
[5/7]+[10/7]+[16/7]+……+[495/7]+[500/7]
分子は5の倍数だから、5n/7について考察すると、500÷7=71.42857 であるから、
n 5n 5n/7 [5n/7]
1 5 5/7 0.714 0
2 10 1+3/7 1.428 1
3 15 2+1/7 2.142 2
4 20 2+6/7 2.857 2 ※
5 25 3+4/7 3.571 3
6 30 4+2/7 4.285 4
7 35 5+0/7 5.000 5
------------------------------------------------------------------------------------------------ ループ1回目
8 40 5+5/7 5.714 5 ※
… … … … …
98 490 70+0/7 70.000 70
------------------------------------------------------------------------------------------------ ループ10回目
99 495 70+5/7 70.714 70 ※
100 500 71+3/7 71.428 71
というように、nが7増えるごとに同様に繰り返されているので、
求める和=(ループ10回分)+[495/7]+[500/7]
となることがわかる。また、ループ中に、nが7を法として3と4の時及びnが0と1の時は、[ ]の値が等しくなるので、その分を加えると、
求める和=Σp+Σ(5q+2)+Σ(5q+5)+[495/7]+[500/7]
=(1+70)×70/2+(2×14+5×14×13/2)+(5×13+5×13×12/2)+70+71
=2485+483+455+70+71
=3564
また、当初考えた方法の1つに、y=x/7を利用することを思いつきました。
座標平面をy軸方向1、x軸方向5のマスとして考えて、変域x≦500の範囲で、直線y=x/7より下のマスの数が求める和になるというもの。明らかに直線より下にあるマスは問題ないものの、直線が横切るマスの扱いに苦慮しました。結局、直線が上辺を通る場合は加え、直線が格子点及び左右の辺しか通らないマスは加えないことで解決しました。計算式にはまとめられませんでしたが、エクセルの関数でその通りに条件を設定したところ、前述と同様の結果を得ることができました。
また楽しい問題をよろしくお願いします。
「Iga」 09/23 21時32分受信 更新9/29
前回送らせていただいたものの追加です。
上記の考えをエクセルの表にしたものを添付しました。y=x/7の直線は見た目だけの図形で、計算式には影響していません。最終的には黄色のマスの個数を数えるようになっています。
<水の流れ:添付されたファイルですが、Webに貼り付けできませんでしたので、大変申し訳ありませんが、割愛します。>