平成26年3月16日
[流れ星]
第303回数学的な応募解答
<解答募集期間:2月16日〜3月16日>
[特殊な約数]
問題1:整数n=2014とする。nより小さいn2 の正の約数であって、nの約数でないような整数は何個あるか。また、具体的にこの数を求めよ。
例えば、整数18のとき、18より小さい182=324の正の約数であって、18の約数でない数は4と12の2個です。
問題2:整数n=pa qb (pとqは異なる素数)とする。nより小さいn2 の正の約数であって、nの約数でないような整数は何個あるか。
問題3:整数n=pa qbrc (pとqとrは異なる素数)とする。nより小さいn2 の正の約数であって、nの約数でないような整数は何個あるか。
NO1「uchinyan」 02/16 13時57分 受信 更新3/16
最初から一般的に解いてしまいましょうか。
整数 n = p^a *
q^b * r^c * …,p,q,r,… は異なる素数,とすると,
n^2 =
p^(2a) * q^(2b) * r^(2c) * …
そこで。n^2 の約数は (2a + 1)(2b + 1)(2c + 1)… 個。
ここで,k を n^2 の約数とすると
n^2/k も n^2 の約数で,
1 <= k
< n ならば n < n^2/k <= n^2
k = n ならば n^2/k = n
n < k
<= n^2 ならば 1 <= n^2/k < n
なので,n^2 の n 以下の約数は ((2a
+ 1)(2b + 1)(2c + 1)… + 1)/2 個。
一方で,n を含む n の約数は (a +
1)(b + 1)(c + 1)… 個。
そこで,n^2 の約数で n より小さく n の約数でないものは,
((2a +
1)(2b + 1)(2c + 1)… + 1)/2 - (a + 1)(b + 1)(c + 1)…
個
になります。 以下ではこの結果を使います。
問題1:
2014 = 2 *
19 * 53,2014^2 = 2^2 * 19^2 * 53^2,なので,
個数は,((2 + 1)(2 + 1)(2 + 1) + 1)/2 - (1 + 1)(1 + 1)(1 + 1) = 14 - 8 = 6 個。
具体的には,2^x * 19^y * 53^z の形で,x,y,z は 0 〜 2 で少なくとも一つは 2 ですが,
53^2 =
2809 > 2014 なので z は 2 にはなれません。そこで,
2^2 * 19^0
* 53^0 = 4
2^2 * 19^1
* 53^0 = 76
2^2 * 19^0
* 53^1 = 212
2^0 * 19^2
* 53^0 = 361
2^1 * 19^2
* 53^0 = 722
2^2 * 19^2
* 53^0 = 1444
になります。
問題2:
n = p^a *
q^b,n^2 = p^(2a) * q^(2b),なので,
((2a +
1)(2b + 1) + 1)/2 - (a + 1)(b + 1)
= (2ab + a
+ b + 1) - (ab + a + b + 1)
= ab 個
になります。
問題3:
n = p^a *
q^b * r^c,n^2 = p^(2a) * q^(2b) * r^(2c),なので,
((2a +
1)(2b + 1)(2c + 1) + 1)/2 - (a + 1)(b + 1)(c + 1)
= (4abc +
2ab + 2bc + 2ca + a + b + c + 1) - (abc + ab + bc + ca + a + b + c + 1)
= 3abc +
ab + bc + ca 個
になります。
(感想) これで合っていれば簡単でした。 最初に書いたことに気付くかどうか,かな。
NO2「二度漬け白菜」
02/16 22時17分 受信更新3/16
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NO3「早起きのおじさん」
02/19 08時27分 受信更新3/16
●まずnの素因数がp、qの2種類のときを考えます。()
の約数は次の表に示されます。
たてに、横に2b+1なので、全部で個あります。
水色に塗った部分はnの約数です。
この表の中で、nに関して点対称の位置にある赤枠で囲った2数に注目します。
この2数の積は、です。
左下の数とnを比べると 、右上の数とnを比べると となりこの比の値は互いに逆数の関係です。
赤枠の2数のうち一方はnより大きく、他方はnより小さくなります。
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黄色と橙色の部分の数は、nより大きくなります。
(nに関して対称の位置にある数がnより小さいからです。つまり、nの約数です)
よって、白い部分のnに関して対称な2数のどちらか一方がnより小さくなります。
つまり、太枠で囲った白い部分の一つ分なので、の約数であって、nの約数でない数はab個あります。
計算では、全体から、@水色の部分、A黄色の部分、B橙色の部分を引いて半分にします。
なので、の約数であって、18の約数でない数は、1×2=2個です。
●次にnの素因数がp、q、rの3種類のときを考えます。()
の約数の表を作ると、3次元的になります。
rの指数が増えたものを上に重ねていくように作ります。
前後に、横に2b+1、たてになので、全部で個あります。
水色で囲った部分はnの約数です。
この表の中で、nに関して点対称の位置にある2数に注目します。
一方が なら、他方は です。( は整数です)
この2数の積は、です。
これらの数とnを比べると と となりこの比の値は互いに逆数の関係にあります。
水色は2014の約数です。
問題2:ab個です。
問題3: 3abc+ab+bc+ca個です。
●上の結果から考えると、nの素因数が4個になると()、
全体から、nの約数の個数、4次の基本対称式、3次の基本対称式、2次の基本対称式、1次の基本対称式を引いて半分にすれば良いようです。
つまり、
NO4「にいばりZ12」3/16 02時02分 受信
更新 03/16
問題1:整数n=2014とする。nより小さいn2 の正の約数であって、nの約数でないような整数は何個あるか。また、具体的にこの数を求めよ。
約数の定義は単位数とその数自体も含みます
2014を素因数分解すると
2014=2×19×53
2014^2を素因数分解すると
2014^2=2×2×19×19×53×53
2014は3つの重複しない(互いに素な2,19,53)素数で素因数分解できるので
その約数の個数は
素数の次数を0,1の2個とし
2×2×2=8
(3C0+3C1+3C2+3C3=8)
素因数をp,q,r(1<p<q<r)としたとき具体的には
1,,p,q,r,,pq,qr,pr,, pqrの8個(単位数,その数自体を含む)で
1,2,19,53,2×19,2×53,19×53,2×19×53
2014^2は3つの素数の2乗で素因数分解できるので
その約数の個数は
素数の次数を0,1,2の3個とし
3×3×3=27
(3C0+3C1+3C2+3C3) ・・・nの約数の個数(素因数の2乗が出てこない)(A)
+ (3C1+(3C2-1)×3+3C3×3) ・・・2乗する素因数を1個だけ含む場合の個数(B)
+( (3C2-2)×3+3C3×3) ・・・2乗する素因数を2個以上含む場合の個数(C)
素因数をpqrとしたとき上記を具体的に示すと
1,,p,q,r,,pq,qr,pr,, pqrの8個
p2,q2,r2,,p2q,p2r,
q2p,q2r, r2p, r2q,,p2qr,
q2pr, r2pqの12個(B)
p2q2,q2r2,p2r2,,
p2q2 r, p2q r2, pq2 r2,
p2q2 r2の7個(C)
の27個(単位数,その数自体を含む)で
1,2,19,53,2×19,2×53,19×53,2×19×53
2×2,19×19,53×53,,2×2×19,2×2×53,19×19×2, 19×19×53,53×53×2,53×53×19,, 2×2×19×53,2×19×19×53, 2×19×53×53
2×2×19×19,19×19×53×53, 2×2×53×53,, 2×2×19×19×53, 2×2×19×53×53, 2×19×19×53×53, 2×2×19×19×53×53
n2の約数でnの約数でない数はp,q,rの2乗を因数に持つのでその総数は27-8=19(B、C)です
その内、pqr(2014)より小さい数は
2×2, 19×19, 2×2×19,2×2×53,19×19×2,2×2×19×19
4,361,76,212,722,1444の6個となります・・・・回答
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上記で、pqrとB、Cの大小関係を考えます(<>は≠と同じ)
B
pq r >p2
pq r > q 2
pq r <> r 2
pq r >p2r>p2q
q2r> pq r >pq2
pqr <pr2<qr2
pqr<p2q r<pq2
r<pqr2
C
pqr<> p2q2
pqr<p2 r2<q2
r2
pqr< p2q2 r<p2q
r2<pq2 r2<p2q2 r2
よってB、Cの内pqrより小さいのは
p2,q 2, p2r,
p2q, pq2
で、大小を特定できないのが
r 2, p2q2
ここで
pq <r ・・・@
とすると
@の両辺にrをかけて pq r < r 2
@の両辺にpqをかけて p2q2 < pqr
B、C のうちpqrより小さいのは
p2, q 2, p2r,
p2q, pq2, p2q2
の6個となります。
pq >r ・・・A
とすると
Aの両辺にrをかけて pq r> r 2
Aの両辺にpqをかけて p2q2 > pqr
B、C のうちpqrより小さいのは
p2, q 2, p2r,
p2q, pq2, r
2
のやはり6個となります。
つまり、pqとrを比較しpqが大きいときにはr 2が入りその逆の時にはp2q2が入ります。
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問題1を見てすぐに問題3の特殊な形と思い
例示するうちにr^2が入る場合と入らない場合があり深く考えずに
約数の数(pqrより小さな約数の個数)は特定でいないと思い込んでしまいました。
その後、場合分けをしてみるとどちらにしても約数の個数が変わらないことに気づき
あわてましたが時間切れとなってしまいました・・・・。
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全く回答にはなっていませんが問題2と問題3の
n2 の正の約数であって、nの約数でないような整数の個数は
問題2
(2a+1)(2b+1)-((a+1)(b+1)=4ab-ab=3ab
問題3
(2a+1)(2b+1)(2c+1)-(a+1)(b+1)(c+1)=7abc+3(ab+bc+ac)+(a+b+c)
NO5「SPC」3/26 15時41分 受信
更新 04/01
パソコン部部員です。募集期間の過ぎた第303回問題の1番だけですが、パソコンのゲーム作成プログラムHSPで解きました。
(プログラム)
n=2014
k=0
repeat n-1,1
if ((n*n)\cnt=0)&(n\cnt>0) : k+ : mes
str(k)+":"+str(cnt)
loop
(解答)
4
76
212
361
722
1444
皆さん、問題や質問に答えてください。一部でも構いませんから、解答とペンネームを添えて、メールで送ってください。待っています。