平成12年9月2日

<美しい数学の話>

          第27話 「回転体の表面積

 皆さん!回転体の表面積を求める公式をご存じですか。体積は同然、知っていますね。

何と、この夏の岐阜県高高等学校教育課程研究集会(数学部会)のときに、県内の先生が発表されましたので、ここに紹介させていただきます。この研究会に参加できたことを感謝します。

 この先生は、数学を体験する学習プリントの中で、生徒に指導されておられました。

1.曲線の長さの定義と求め方を復習しよう。

  曲線の方程式が y=f(x)(a≦x≦b)で表される曲線の長さの定義は次のとおりである。

f(x)、f’())は連続とする。図のように、曲線PQを近似する折れ線を考える。この折れ線の長さを

sΔとするとき、分割のしかたによらずsΔがある極限値sに収束するならば、sを弧PQの長さと定義する。

f’(x)が区間[a,b]で連続であるとき、曲線y=f(x)の区間[a,b]上にある部分の長さsは

図の中のような式で与えられる。

2.課題の提示

 「球の表面積を求めたい。曲線の長さを求めるのに曲線を折れ線で近似したことをヒントに、回転体の側面積を

円錐台の側面積で近似して、球を円の回転体の側面積とみて求めてみよう。」

 

3.回転体の側面積の定義

 はじめの図において、折れ線をx軸のまわりに回転してできる回転体は直円錐台の和になっている。

この側面積をsΔとおく。分割のしかたによらずsΔが、ある極限値Sに収束するならば、このSをこの回転体の

側面積と定義する。

 

4.補助定理「円錐台の側面積は、S=π(a+b)d で与えられる。」を証明しよう。

5.定理「曲線y=f(x)をx軸のまわりに回転してできる回転体の側面積は、図の中の式で与えられる。」

  を証明しよう。

 

6.問題:球の表面積を求めよう。

  円:x+y=r2   とし、a=−r,b=r として考えてください。これは、読者の任せましょう。

 

      

<自宅>  mizuryu@aqua.ocn.ne.jp

 

 


 最初のページへもどる