平成13年7月8日

<美しい数学の話>

第38話 「第2回日本数学コンクール論文賞」

 21世紀の展望を開く若者の才能を発掘し、育成していくために、1990年度から日本数学コンクールを、1997年度からは併せて日本ジュニア数学コンクールを開催しています。
 このたび、2000年から新たな日本数学コンクール論文賞が創設されました。

1.自由にゆったり考える  論文はテーマの発表から締め切りまで約3ケ月、ゆったりと自由に考え、
                さらに、図書館やインターネットなどを利用して調べ、特徴ある論文を
                期待します。
2.新しい数学の発見    学校教育、教科書にとらわれず、数学的の本質に根ざした、考えて楽しい
                テーマを提供します。
3.多彩な才能の評価   綿密な論証力、正確な計算力だけでなく、独自性のあるすばらしい発想や
                問題提起も高く評価します。
4.人材の育成      入選論文のうち特に優秀なものは、数学コンクールフォローアップセミナー
                である数里ウェーブで紹介されます。 

一人でも多くの、数学に興味のある高校生の皆さんの参加を期待します。

                                     日本数学コンクール委員会

「第2回日本数学コンクール論文賞募集要項」

1.応募資格:@日本数学コンクール論文賞 高校生以上(一般の方も可)。共著論文も歓迎します。
     A日本ジュニア数学コンクール論文賞 中学生以下。共著論文も歓迎します。
ただし、共著論文の場合も中学生以下であることを要します

2.論文テーマ: 次の論文テーマから、ひとつを選んで、論文に纏めて下さい。

@【パッチワーク】野球のボールをよくみると、同じ形の二枚の皮が丹念にぬいあわされていることがわかります
皮に加わる張力がなるべく均等になるように、皮の形が入り組んだ曲線になっているようです。こんな工夫はどこから生まれたのでしょうか。また、この皮の形がボールをおおうのに適していることを、どのように説明できるか。
 この問題に答えるような説を立ててみてください。そして同様の考えを適用して、ドーナツ型の曲面を二枚のゴムの薄膜をぬいあわせておおううまい方法を提案してみてください。

A【3次元の黄金と白銀】長方形が、そこから短い方の辺を一辺とする正方形を切り落としてできる長方形と同じ形(相似)になるとき、その長い辺と短い辺の長さの比を黄金比といいます。黄金比はバランスのとれた美しい形に良く表される数として有名です。たとえば、正五角形の対角線と一辺の長さの比は黄金比になっています。
 また、長方形が半分に折りたたんだ長方形と相似になるとき、長い辺と短い辺の長さの比を白銀比といいます。日本で使われているノートはこの形をしていて、白銀比は実用的であるといえそうですね。
 彫刻家のA氏は展示会に出すために、3次元の黄金比と白銀比というイメージで構想を練っていますが、あなたが二つの直方体を黄金比と白銀比のイメージにあうようにしようとしたら、それぞれの直方体の辺の長さの比をどのようにしますか。
 また、ほかの立体ではどうでしょうか。
    

3.応募方法 :論文はA4版横書き原稿用紙(20×20)を用いること。数式は文章と分け、行を改めて書く             こと。必要に応じて図を入れても構わない。長さの制限はとくにない。
◎ 論文送付先 郵便番号464−8601 名古屋市千種区不老町
        名古屋大学総務課内、日本数学コンクール担当
        ☆ 封筒に「論文賞」と朱書きのこと

4.締め切り:平成13年8月18日(土)必着
     なお、当日は日本数学コンクール、日本ジュニア数学コンクールが名古屋大学で開催されますので、
     論文を会場で提出してもかまいません。

5.審査方法:日本数学コンクール論文賞、日本ジュニア数学コンクール論文賞ともに、応募論文それぞれに、
     2名の査読者が査読結果をレポートにまとめ、審査員の合議により入選論文を決定します。
     ◎ 審査会 伊藤 正之(名古屋大学教授、日本数学コンクール委員会会長)
       大沢 健夫(名古屋大学教授、日本数学コンクール委員会問題委員会委員長)
      その他日本数学コンクール委員会問題委員会委員若干名

6.表彰式:表彰は数学コンクール表彰式当日に行い、最優秀論文に対しては日本数学コンクール論文賞、
日本数学ジュニア数学コンクール論文賞とも数学コンクール大賞と同等の記念品および賞品を贈呈します。
優秀論文に対する表彰も数学コンクールに準じます。
また、最優秀論文の結果については、中日新聞に紹介します。

7.論文に関する問い合わせは、名古屋大学総務課内、日本数学コンクール担当
       電話 052−789−2011
       時間 9:00〜12:00と13:00〜17:00(土、日は除く)

     *表彰式は11月3日(土)祝日に名古屋大学シンポジオンで行います。

 紹介文のWeb上での掲載の許諾は得てあります。(7月6日に)

<自宅>  mizuryu@aqua.ocn.ne.jp

 

 

 

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