令和7年12月7日
[流れ星]
第461回数学的な連続応募解答
<解答募集期間:11月11日〜12月7日>
[漸化式]


追加問題(出題者は「ジョーカー」) 新作シリーズ
四分円内の正方形と正三角形の1辺について『3』
問題1 シリーズ1問目
正方形と正三角形の1辺が異なる(a>b),

問題2 シリーズ2問目
正方形と正三角形の1辺が異なる(a>b),

NO1「ジョーカー」 11/11 20時14分 受信 更新 12/7
寄せられた解答です
NO2「三角定規」
11/18
18時09分 受信 更新 12/7
寄せられた解答です
NO3「よふかしのつらいおじさん」 11/26 11時4分 受信 更新 12/7
寄せられた解答です
今回の漸化式の問題は、やりにくかったです。
(1)の方も(2)の方も普通に計算して変形するというのではありません。
(1)は二項定理と比較してこうなるはずだ、
(2)はこの解答で良いのかと思いますが、わかりやすいということでいい
そういうふうに考えました。
算額の問題は、はじめ計算が大変だろうなーと恐れていましたが、反転法でしかやらなかったので、それほどでもなくホッとしました。
「よふかしのつらいおじさん」 11/26 22時26分 受信 更新 12/7
寄せられた解答です
ご指摘ありがとうございます。
(2)でn=1、2 のときは、cos の60°、30° の値であることは、わかっていましたが、
余弦の半角の定理までは、思いつきませんでした。
電卓で、余弦の逆関数の計算をすると、角が半分になっていくので、なるほどと思いました。
数値だけ見ていて一般項を予想するのは、とても難しいです。
ヒントがないととても無理です。
NO4「kasama」 11/29 16時27分 受信 更新 12/7
寄せられた解答です
今回の問題ですが、冠稲荷寺社算額は反転幾何を使うと随分きれいに解けることを知りました。反転幾何の知識はほぼ皆無でしたが、この歳になっても、学ぶことが多いと改めて感じました。
NO5「二度漬け白菜」 11/30 13時27分 受信 更新 12/7
第461回数学的な連続応募問題の解答:
[漸化式]
(1)
2^n/n!=Σ[k=1,n+1]a[k]*a[n+2-k]
---@
@において,n=1,2,3を代入し,a[1]=1を用いることによって,
a[2]=1, a[3]=1/2, a[4]=1/6
を得る.よって,
a[n]=1/((n-1)!) ---A
と予想できる.以下,この予想がすべての正整数nに対して正しい
ことをnに関する帰納法で示す.
n=1,2,3,4に対しては,Aは正しい.
rを2以上の任意の正整数とし,1≦n≦r なるすべての正整数 n に対して,
Aが正しいと仮定する.
@式を変形して,
2*n!*a[n+1]=2^n-n!*Σ[k=2,n]a[k]*a[n+2-k]
を得る.
これにn=rを代入して,
2*r!*a[r+1]=2^r-r!*Σ[k=2,r]a[k]*a[r+2-k].
ここで,帰納法の仮定より,右辺は次のように変形できる.
2^r-r!*Σ[k=2,r]a[k]*a[r+2-k]
=2^r-r!*Σ[k=2,r](1/(k-1)!)*(1/(r+1-k)!)
=2^r-Σ[k=2,r]binomial(r,k-1)
=2^r-(Σ[k=1,r+1]binomial(r,k-1)-binomial(r,0)-binomial(r,r))
=2^r-(2^r-2)
=2.
つまり,2*r!*a[r+1]=2 となる.
このことより,a[r+1]=1/(r!).
よって,n=(r+1)のときにもAは正しいことがわかる.
以上より,すべての正整数nに対して,Aは正しい.
(2)
(√2)*a[n+1]=√(a[n]+1) を変形して,
a[n+1]=√((a[n]+1)/2) ---B
Bにおいて,n=1,2 を代入し,a[1]=1/2
を用いることによって,
a[2]=(1/2)*√(3), a[3]=(1/2)*(√6+√2)
を得る.よって,
a[n]=cos((2^(1-n))*(π/3))
---C
と予想できる.以下,この予想がすべての正整数nに対して正しい
ことをnに関する帰納法で示す.
n=1,2,3に対しては,Cは正しい.
rを2以上の任意の正整数とし,n=rのとき,Cが正しいと仮定する.
このとき,Bより,
a[r+1]
=√((a[r]+1)/2)
=√((cos((2^(1-r))*(π/3))+1)/2)
=√((cos(2^(-r)*(π/3)))^2) ( ∵半角の公式
(cos(θ/2))^2 = (1/2)*(cos(θ)+1) ) =(cos(2^(-r)*(π/3)).
よって,n=r+1のときにも Cは正しいことがわかる.
以上より,すべての正整数nに対して,Cは正しい.
[冠稲荷神社算額]
人円の直径は,14/5(寸) =
2.8(寸) = 2寸8分 (答)
外円の直径を1/r,乾円の直径を1/R とする.(0<r<R)
外円と乾円の両方に接する14個の円のうち,問題図の右半分にある7個の円を,
その半径の大きい順に,α[1],α[2],…,α[7]とする.
また,円α[k]の直径を s[k] とする.(k=1,2,…,7)
外円と乾円との接点を原点Oとし,乾円の中心の座標が
(1/(2*R),0)となるようにxy直交座標を設定して考える.
原点Oを中心とする半径 1 の円に関する反転を I とする.
反転Iによって,外円は直線 x=rに,乾円は直線 x=R に移る.
また,円α[1],α[2],…,α[7]は,図のような,
すべて直径の等しい円β[1],β[2],…,β[7]に移る.
( 図→ https://fpseries.exblog.jp/33836778/ )

円β[k]の直径を t,β[k]の中心をD[k]とし,d[k],M[k],L[k]を図のような
線分の長さとする.このとき,次の4式が成り立っている.
d[k]=(k-1/2)*t,
(M[k])^2=(r+t/2)^2+(d[k])^2,
(M[k])^2=(L[k])^2+(t/2)^2,
(L[k])^2=t/s[k].
これら4式より,
(r+t/2)^2+((k-1/2)*t)^2 =
t/s[k]+(t/2)^2 ---(★)
(★)において,k=1を代入して,
(r+t/2)^2 = t/s[1].
(★)において,k=7を代入して,
(r+t/2)^2 = t/s[7]-42*t^2.
よって,t=(1/42)*(1/s[7]-1/s[1]).
s[k]を k,s[1],s[7] を用いて表すと次のようになる.
s[k]
=t/(L[k])^2
=t/((M[k])^2-(t/2)^2)
=t/((r+t/2)^2+((k-1/2)*t)^2-(t/2)^2)
=t/(t/s[1] + k*(k-1)*t^2 )
=s[1]/(1+s[1]*k*(k-1)*t)
=s[1]/(1+s[1]*k*(k-1)*(1/42)*(1/s[7]-1/s[1]))
=42*s[1]/(
k*(k-1)*s[1]/s[7] + 42-k*(k-1) ).
これにk=4を代入して,
s[4]
=42*s[1]/(12*s[1]/s[7]+30)
=7*s[1]/(2*s[1]/s[7]+5).
本問は,s[1]=(10寸),
s[7]=(1寸) の場合であるから,
s[4]=7*10/(2*10+5)=14/5 (寸)
(反転法を使うことなく,和算家たちはこの問題を
いったいどのように解いていたのでしょうか。
彼らの凄まじいまでの情熱,執念を感じます.)
(以上)
「水の流れ」
更新 12/7


冠稲荷神社算額問題の答 <看板あった答え>

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