平成12年9月9日

[流れ星]

    第58回数学的な応募問題

 <解答募集期間:8月28日〜9月10日>

[第3回初等数学の会]

 太郎さんは、8月20日に新大阪駅の近くで行われた第3回初等数学の会に出席してきました。

全国に会員が約350名くらいいまして、約1割の人が集まってこられました。大阪府・奈良県・兵庫県淡路島・神奈川県・三重県・福岡県の方々とお話ができました。

 最初に、講演があり、神戸大学名誉教授の田村三郎先生の「分けて掛けて大きくしょう」でした。何とこれは、「自然数を分割し、積が最大となる」の話が前半にありました。

後半は、反対に「ある数をいくつかの自然数の積として表し、それら自然数の和を最小にする話がありました。例えば、12=2×2×3のとき、最小の和 2+2+3=7というわけです。この話を紹介するお許しをもらってきていますので、今回の問題とさせていただきます。西暦2000年と平成12年にちなんだ数字です。

問題1:12を幾つかの自然数の和として分解し、それらの自然数の積を最大にせよ。

 

問題2:2000を幾つかの自然数の和として分解し、それらの自然数の積を最大にせよ。

 (これだけ大きくなると、試行錯誤では無理である。小さい数字について試してみて、その規則性を見つけてください)

 

問題3:12を幾つかの異なる自然数の和として分解し、それらの自然数の積を最大にせよ。

 

問題4:2000を幾つかの異なる自然数の和として分解し、それらの自然数の積を最大にせよ。

 

問題5:2000を幾つかの正の実数の和として分解し、それらの自然数の積を最大にせよ。

 

問題6:12を幾つかの自然数の積として表し、それらの自然数の和を最小にせよ。

 

問題7:2000を幾つかの自然数の積として表し、それらの自然数の和を最小にせよ。

 

問題8:12を幾つかの異なる自然数の積として表し、それらの自然数の和を最小にせよ。

 

問題9:2000を幾つかの異なる自然数の積として表し、それらの自然数の和を最小にせよ。

 

問題10:2000を幾つかの正の実数の積として表し、それらの自然数の和を最小にせよ。

 

 以上の問題を田村先生からご教示くださいまして、解説がありました。

 また、午後から、大阪天満宮の算額を希望者で見学に行ってきました。詳しくは「私の一日」の8月20日をお読みください。

 

NO1<寄せられた解答> 「//ねこ」さん 9月8日9:55分受信 9月9日更新

はじめまして。ねこと申します。

No.58を解いてみました。よろしくお願いします。

問題1:12=3+3+3+3  3×3×3×3=81

問題2:できるだけ3を使うとよい。

 2000=2+666×3

 2×3^666≒5.791×10^317

問題3:12=3+4+5  3×4×5=60

問題4:3に近い自然数から使うようにするとよい。

 2000=2+3+・・・+59+60+85+86

 2×3×・・・×59×60×85×86

 =60!×7310

 ≒6.083×10^90

問題5:2000=(2000/N)×Nの形に分解するのが効率がよい。

 その中で、2000/Nがeに近くなるNを選ぶ。

 2000/e≒735.76より、Nの候補は735か736。

N=735のとき

2000=(2000/735)×735

(2000/735)^735≒3.4344×10^319

N=736のとき

2000=(2000/736)×736

(2000/736)^736≒3.4356×10^319

 N=736のときが最大。

問題6:12=2×2×3 2+2+3=7

    12=3×4   3+4=7

問題7:2000=2×2×2×2×5×5×5

    2+2+2+2+5+5+5=23

問題8:12=3×4 3+4=7

問題9: 2000=2×5×10×20

     2+5+10+20=37

問題10:2000=(2000^(1/N))^Nの形に分解するのが効率がよい。

 その中で、2000^(1/N)がeに近くなるNを選ぶ。

 N=ln2000≒7.60よりNの候補は7か8。

N=7のとき

 2000=(2000^(1/7))^7

(2000^(1/7))×7≒20.688

N=8のとき

 2000=(2000^(1/8))^8

(2000^(1/8))×8≒20.734

 N=7のときが最小。

NO2<水の流れ:コメント>9日発信

「ねこ」さん!ご応募ありがとうございます。

解答は、残念ながら問題4の分解は他に大きくなる場合があります。

2000の和の分解ですが、2+3+・・・+59+60+85+86 以外にも

掛けて大きい場合があります。85+86=171を分けてください。

 皆さんは、問題5でどうして、下のような分解が良いか考えて。

2000=(2000/N)×Nの形に分解するのが効率がよい。

 その中で、2000/Nがeに近くなるNを選ぶ。

 2000/e≒735.76より、Nの候補は735か736。

さらに、皆さんは、問題10でどうして、下のような分解が良いか考えて。

2000=(2000^(1/N))^Nの形に分解するのが効率がよい。

 その中で、2000^(1/N)がeに近くなるNを選ぶ。

 N=ln2000≒7.60よりNの候補は7か8。

NO3<寄せられた解答> 「清川(kiyo)」さん 9月9日23時37分受信 9月10日更新

いつもお世話になっています。問題4について

解答 3に近い自然数から使うようにするとよい。

2000=2+3+4+・・・・・+14+16+・・・・+63

63!/15≒1.32×10^86

「//ねこ」さんの解答 6.083×10^90

10^85 ではないでしょうか?

約2.17倍にすることが出来ると思います。

 NO4<水の流れ:コメント>10日発信

 60!×7310≒6.083×10^90が60!×7310≒6.083×10^85

のご指摘ありがとうございます。確認してなくてごめんなさい。

1952=2+3+4+・・・+61+62のとき、積は最大62!

2015=2+3+4+・・・+61+62+63のとき、積は最大63!

したがって、2000については、1952の分解で大きい方の62から15までの48個に1を足していけば

得られます。したがって、清川(kiyo)の答で正解です。

 

    <自宅>  mizuryu@aqua.ocn.ne.jp

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