令和2年8月30日
[流れ星]
第389回数学的な連続応募解答
<解答募集期間:8月2日〜8月30日>
[二項係数]
二項係数とは(1 + x)n の展開における xk の項の係数のことです。これをnCk(0≦k≦n)(n,kは整数)と表します。
問題1 係数nCkがすべて奇数のときは、nはどんな整数か。
問題2 係数383Ckが初めて偶数となるkを求めよ。
問題3 n+1を2進法で表したとき、
係数nCkが初めて偶数となるkを考察してください。
追加問題(提供者 ジョーカーさん)
四角形ABCDは円に外接し,図のように接点をE,F,
G,Hとし,AE=a,BF=b,CG=c,DH=dとする。
図のように,四角形の辺あるいはその延長に接する
4つの円の中心をそれぞれP,Q,R,Sとするとき,
(四角形PQRS)/(四角形ABCD)の値を求めよ。
図はここをクリックください。
解答のとき、この図を利用してください
NO1「スモークマン」 08/06 20時53分 受信
更新 8/30
問題1 係数nCkがすべて奇数のときは、nはどんな整数か。
nCk
=n*(n-1)*(n-2)*…*(n-(k-1))/{k(*k-1)*(k-2)*…*2*1}
分母、分子にはそれぞれk個の数があり、偶数は交互に並ぶ
どのkでもnCkは奇数なので…
分母と分子の2の個数が同じであればいい…
どの偶数になる項も2が一つだけになれば満たす…
そうでないと、n>=kなので、分子に2^2とか2^3とか余分に残る可能性が出てくるから。
so…
n=2^m-1 であればいい。
問題2 係数383Ckが初めて偶数となるkを求めよ。
分子の方が分母より2の個数が初めて大きくなるとき…
kが2^xで、2kつまり2^(x+1)が383-k+1となるとき…
256=2^8<382<2^9=512
so…(383-k+1)=256=2^8
so…k=2^7=128
実際に、384-256=128=2^7=k
問題3 n+1を2進法で表したとき、
係数nCkが初めて偶数となるkを考察してください。
意味がよくわかりませんが、
問題1から、n≠2^m-1
問題2から、
・2^x<=n<2^(x+1)のとき…
k=1
・2^x<n<2^(x+1)のとき...
k=2^x/2=2^(x-1)
NO2「ジョーカー」
08/26 09時33分 受信 更新 8/30
「ジョーカー」 08/26 09時33分 受信 更新 8/30
「よふかしのつらいおじさん」 08/26 16時11分 受信
更新 8/30
問題1
●先ずパスカルの三角形を書き出します。
これは、(1+x)nの展開の項の係数を表しています。
これを見て、
@ nが2kのとき、最初と最後の以外の係数が偶数
A nが2k−1のとき、すべての係数が奇数
となりそうです。
●先ず@を確かめます。
・k=1のとき、つまり のとき、
最初と最後以外の項の係数が偶数です。
・kのとき、の展開の係数は、最初と最後以外が偶数とします。
偶数をで表すと、
(()個の偶数)
さて、k+1のときは、
となり、最初と最後の以外の係数が偶数となります。
●次にAを確かめます。
・k=1のとき、つまり のとき、
すべての係数が奇数です。
・kのとき、 の展開の係数が、すべて奇数とします。
奇数をdで表すと、
(個の奇数)
さて、k+1のときは、
つまり、とかければ良いわけです。
となり、すべての係数が奇数となります。
nが2k−1のとき、係数nCiがすべて奇数となります。
問題2
●例えば、k=6としてみます。
奇数番目のところは、分子・分母ともに奇数です。
分子をそこの分母の奇数で約しても奇数のままです。
分子を他のところの分母の奇数で約しても奇数のままです。
●偶数番目は、分子・分母ともに偶数です。
分子・分母の和は、384です。
偶数番目の分子・分母の数を2進法で表してみます。
384(10)=1,1000,0000(2)
382 (10)=1,0111,1110(2) 2(10)=10(2)
380(10)=1,0111,1100(2) 4(10)=100(2)
378(10)=1,0111,1010(2) 6(10)=110(2)
・・・・・・・・・・・・
258(10)=1,0000,0010(2) 126(10)=111,1110(2)
――――――
256(10)=1,0000,0000(2) 128(10)=1000,0000(2)
2進法で数を表したとき、下の0の桁数が2の因数の個数を示します。
382は1個、380は2個、378は1個それぞれ2を因数にもちます。
2は1個、4は2個、6は1個それぞれ2を因数にもちます。
●分子・分母の和が384です。
384(10)は、2進法で表すと、下7桁が0です。
つまり分子と分母の数は、2進法で表したとき下の桁の0の個数が同じでないと0が並びません。
下の桁からみていって、0でない最初の位は、分子、分母ともに1です。
それより上の位は、分子、分母の一方が1で他方は0です。
そうすると、たすと次々繰上り0が並ぶことになります。
分母が126のところまでは分子と分母の2の因数の個数が同じです。
しかし、その先で事情が変わります。
256(10)=1,0000,0000(2) 128(10)=1000,0000(2)
2を因数として分子の256は8個、分母の128は7個もちます。
約したときに、分子の方に2の因数が残ります。
よってk=128のとき、 が初めて偶数となります。
問題3
●nが偶数のとき、nCkが初めて偶数になるのは、k=1のときです。
これは分かりやすいので、nが奇数のときを考えます。
そうすると、n+1は偶数となります。
・下1桁が0のとき
n+1は、6(10)=110(2)、10(10)=1010(2)、14(10)=1110(2)、・・・
分数を2進法で表してみると、
のように、k=2=21のとき偶数となります。
・下2桁が0のとき
n+1は、12(10)=1100(2)、20(10)=10100(2)、28(10)=11100(2)、・・・
分数を10進法と2進法で表してみると、
のように、k=4=22のとき偶数となります。
・下m桁が0のとき
いままで見てきたように、2進法の分数にしたとき、水色の部分の分母は、
となります。
n+1を2進法で表したとき、下の位の0の並びの個数をmで表せば、
nCk は、 のとき、はじめて偶数となります。
円に外接する四角形ABCDに関する面積問題 解答 よふかしのつらいおじさん
●まず、□ABCDの面積Sを求めます。
●次に、円Oの半径OF(r)と円Qの半径OF'を求めます。
△QBCの内角は図に示した通りです。
・△OBCについて正弦定理より、
より、
よって、
・△QBCについて正弦定理より、
より、
よって、
よって、
ゆえに、
同様に、
●問題の比を求めます。
ここで、いろいろ調べてみます。
●その1
左の図は、ある円に□ABCDが、外接している様子です。
右の図は、その円をはずして、辺の長さを変えずに、四角形をつぶした様子です。
すると、今度は別の円に□A'B'CDが外接します。
これを確かめます。
辺ABが最短の辺とします。
AB'=AXとなるように、A'D上にXをとります。
DX=DYとなるように、DC上にYをとります。
△A'B'X、△DXY、△CYB'は二等辺三角形です。
円に外接する四角形は、向かい合う2辺の和が等しくなります。
変形後も向かい合う2辺の和が等しいので、CB'=CYとなります。
各二等辺三角形の頂点から底辺に垂線を下ろします。
すると、各底辺は垂直に2等分されます。
交点は、△B'XYの外心です。
(3つの垂線が1点で交わります)
各垂線は、各二等辺三角形の頂角を2等分しているので、
交点からA'B'まで、ADまで、CDまで、CB'までの距離が等しくなります。
交点を中心とし、各辺までの距離を半径とする円が、別の円になります。
四角形の4辺の長さが決まっても内接円の大きさは決まりません。
●その2
四角形の4辺の長さが頂点から内接円の接点までと分割されて与えられると、事情が変わります。
下の図で、内接円の中心Oは、頂角の2等分線と接点からの垂線上にあります。
四角形の2辺BC=BF+FC=b+c、CD=CG+GD=c+d.
内接円の半径OF=rとします。
r=OF=GX−GY=GC sinC−OG cosC=c sinC−r cosC
ゆえに、
(この式は、半角で表して整理すると、 となります)
つまり、頂角の大きさが決まれば、内接円の半径が決まります。
先ず、底辺CDを固定します。
次に∠Cを決め、CBを固定します。
式(A)により、内接円の半径が決まります。
点Bから接線を引いて、辺BAが決まります。
最後に頂点Aから接線を引くのですが、うまくDと重なるかは、分かりません。
(最初の∠Cをうまく調整すれば、Dと重ねることができるはずです)
●その3
下の図で、OA=a、OB=bとします。
Oに垂線をたてて、垂線上の点とAO上の点を結んでできる∠OPP'が
∠Aと∠Bの平均でしかも45°になることを考えます。
OP=OP'=rとおきます。
AP':P'B=AP:PB ならPP'で ∠AP'Bが2等分されます。
より、
逆数をとって、
分母を払い2乗すると、
整理して、
●その4
下の図で、OA=a、OB=b、OC=c、OD=dとします。
Oに垂線をたてて、垂線上の点とAO上の点を結んでできる∠OPP'が
∠A、∠B、∠C、∠Dの平均でしかも45°になることを考えます。
・ad=bcの特別な場合は、 となります。
この値が、内接円の半径になります。
∠Aと∠Dの平均は、 のところです。(その点をXとします)
∠Bと∠Cの平均は、 のところです。(その点をYとします)
∠Xと∠Yの平均は、 のところです。
ad=bc なので、点X、Yは、実はPです。
よって、この場合は、
・さて、ad≠bcのとき(一般のとき)は、まだ分かりません。
NO4 水の流れ 08/30
問題1の解答がここにありました。参考にしてください。
ここにも解答があります。
問題2は このサイトの解答を参考にして 出題しました。
問題3は このサイトにあります。
お詫び:いずれも数字が違っていますが、この点はご容赦ください。
皆さん、問題や質問に答えてください。一部でも構いませんから、解答とペンネームを添えて、メールで送ってください。待っています。