令和5年9月17日
[流れ星]
第430回数学的な連続応募解答
<解答募集期間:8月13日〜9月17日>
[双心四角形]
「双心四角形」とは外接円と内接円を持つ四角形をいう。
問題
四辺の長さがAB=a,BC=b,CD=c,DA=dである双心四角形とき, 次の設問の答えをa,b,c,dで表せ。
また,(7)を証明せよ。
(1)AC=e,BD=fとして,e,fの値をそれぞれ求めよ。
(2)e×fの値を求めよ。
(3)四角形ABCDの面積Sを求めよ。
(4)対角線AC,BDのなす角θのsinθの値を求めよ。
(5)四角形ABCDの内接円Iの半径rを求めよ。
(6)四角形ABCDの外接円Oの半径Rを求めよ。
(7)(ef)2=4r2(ef+4R2)を証明せよ。
出典 上の(7)は「聖なる数学・算額」森北出版 深川」英俊著
寛政7(1795年)年に掲げた善光寺の算額の2番目から
追加問題1(出題者は「ジョーカー」)
第427回からの「確率等」の問題シリーズの4問目です。
第1番から第n番までの番号のついたn個の袋がある。一般に第k番目の袋にはk個の赤球と(n―k)個の白球が入れてある。
(1)第k番目の袋から無作為に1球ずつ5回球を取り出す。ただし, 1回ごとに球を袋に戻すものとする。このとき , 赤球が4回 , 白球が1回出る確率を求めよ。
(2)n個の袋のうちの1袋を無作為に選んで , その袋から1球ずつ5回球を取り出す。ただし , 1個ごとに球をその袋に戻すものとする。このとき , 赤球が4個 , 白球が1回でる確率はnが極めて大きいときどのような値に近いか。
NO1「ジョーカー」 08/13 19時26分 受信 更新 9/17
寄せられた問題の解答です
NO2「スモークマン」 08/16 23時48分 受信 更新 9/17
(1) 第k番目の袋から無作為に1球ずつ5回球を取り出す。ただし, 1回ごとに球を袋に戻すものとする。このとき , 赤球が4回 , 白球が1回出る確率を求めよ。
k番目の袋には
赤球 k個、白球 n-k個
So…
5C1*(k/n)^4*(n-k)/n
=5*k^4*(n-k)/n^5
(2) n個の袋のうちの1袋を無作為に選んで , その袋から1球ずつ5回球を取り出す。ただし , 1個ごとに球をその袋に戻すものとする。このとき , 赤球が4個 , 白球が1回でる確率はnが極めて大きいときどのような値に近いか。
(1/n^6)Σ[k=1,n]k^4*(n-k)
=(1/n^6)Σn*k^4-k^5
=(1/n^6) {nΣk^4-Σk^5}
(k+1)^5-k^5
=(k+1)^4+(k+1)^3*k+(k+1)^2*k^2+(k+1)*k^3+k^4
So…
(n+1)^5=5Σk^4+…
So…
Σk^4=(n+1)^5/5+…
(k+1)^6-k^6
=((k+1)^3-k^3)((k+1)^3+k^3)
=((k+1)^2+k(k+1)+k^2))(2k+1)((k+1)^2-k(k+1)+k^2)
=(3k^2+…)(2k^3+…)
So…
k^5=(n+1)^6/6+…
So…
(1/n^6) {nΣk^4-Σk^5}
=(1/n^6){n(n+1)^5/5-(n+1)^6/6}
So…
lim[n→∞] (1/n^6){n(n+1)^5/5-(n+1)^6/6}
=1/5-1/6
=1/30
「スモークマン」 08/24 17時11分 受信 更新 9/17
(1)
余弦定理より
e^2=a^2+b^2-2ab*cosB=c^2+d^2+2cd*cosB
cos B=(a^2+b^2-c^2-d^2)/((2(ab+cd))
so…
=a^2+b^2-2*a*b*(a^2+b^2-c^2-d^2)/((2(ab+cd))
=(ad+bc)(ac+bd)/(ab+cd)
f^2=b^2+c^2-2*b*c*cosC=a^2+d^2+2a*d*cosC
cosC=(b^2-a^2+c^2-d^2)/(2(ad+bc))
so…
f^2
= a^2+d^2+2a*d*(b^2-a^2+c^2-d^2)/(2(ad+bc))
=(ac+bd)(ab+cd)/(ad+bc)
結局、
e=√{(ad+bc)(ac+bd)/(ab+cd)}
f=√{(ac+bd)(ab+cd)/(ad+bc)}
(2)
トレミーの定理より
ef=ac+bd
上の結果からも、
√{(ad+bc)(ac+bd)* (ac+bd)(ab+cd)}/(ab+cd)} =ac+bd
(3)
ブラーマグプタの定理より
a+b+c+d=2sとすると、
S=√{(s-a)(s-b)(s-c)(s-d)}
ここで、a+c=b+d=s
なので、
S=√(a*b*c*d)
NO3「kasama」
08/18 17時32分 受信 更新 9/17
寄せられた問題の解答です
NO4「よふかしのつらいおじさん」9/14 17時06分 受信 更新 9/17
・双心四角形ABCDは、外接円を持つことから、対角の和が180度です。
∠A+∠C=∠B+∠D=180度
・双心四角形ABCDは、内接円を持つことから、対辺の和が等しいです。
a+c=b+d
(1)
●△BCAに余弦定理を用いて、
△DACに余弦定理を用いて、
なので、(1)、(2)の右辺の和は、0です。
●△ABDに余弦定理を用いて、
△CDBに余弦定理を用いて、
なので、(3)、(4)の右辺の和は、0です。
(2)
●(1)の結果から、
aで整理して、
根号内の割り算をすると割り切れて、
(3)
●
●△ABCに余弦定理を用いると、
(1)より、eを代入すると、
なので、
よって、
●これを(5)に入れて、
(4)
●図のように、e、fに平行で四角形ABCDの頂点を通る補助線を引くと、
四角形KLMNの面積は、 で、四角形ABCDの2倍です。
よって、
(2)の結果を使って、
(5)
●四角形ABCDの面積
なので、
(6)
●△BCAに正弦定理を用いると、外接円の半径をRとして、
(1)より、
(3)より、
なので、
(7)
右辺の
を計算してみます。
そのとき、 を意識します。
まず、事前にrとRについて、考えます。
双心四角形なので、 とします。
rは、
次にRの、根号内を調べます。
平方の和は、
平方の逆数の和は、
これらをRに入れると、
これらを(*)に入れると、
となり、左辺と同じになりました。
NO5「三角定規」 9/15 19時09分 受信 更新 9/17
寄せられた問題の解答です。
「水の流れ」 更新 9/17
出典 上の(7)は「聖なる数学・算額」森北出版 深川」英俊著
寛政7(1795年)年に掲げた善光寺の算額の2番目から
原文を掲載します。
皆さん、問題や質問に答えてください。一部でも構いませんから, 解答とペンネームを添えて, メールで送ってください。待っています。