令和４年11月13日

[流れ星]

　　第419回数学的な連続応募解答

　　　　＜解答募集期間：10月16日〜11月13日＞

［大垣八幡宮奉納算額12］

　　　　　岐阜県大垣市にある八幡神社

江戸時代末期、谷松茂（幽斎）は大垣藩士で致道館講官であった水野民興に学び、自ら塾を開いて和算を教えていました。彼の門人達が大垣市の八幡神社に天保年間に算額（絵馬）を奉納しています。この算額は残念ながら先の戦争で神社ごと焼失したことを知り、幽斎算約四編である奉納された算額の解法を後世に残すために、これから32問順に出題していきます。

今回は第28問題から第30問題です。

第28問題

互いに中心を通る２等円（黄）に３個の等円（青）をつくり、

それに赤円２個、黒円４個を容れる。青円径を知って黒円径を求めよ。

出題者　小寺源之助玄庵　　　謹考

第29問題

　直交する二直線に接し互いに外接する３個の等円（赤）をつくり、

その間に青円と黒円を容れる。青円の直径を知って黒円径を求めよ。

出題者　田辺亀助直　　謹考

第30問題

　楕円の短軸の端に接する２個の等円（黄）をつくり、

この楕円と黄円に接する４個の等円（赤）を描く。

楕円の長軸と短軸との長さを知って黄円径を求めよ。

出題者　岩村藩　加藤延之近信貞　　　謹考

追加問題１（ジョーカーさん提供）問題番号は前回から続きです。

追加問題２（ジョーカーさん提供）

NO1「ジョーカー」 　10/16 　　 10時37分 受信 更新 11/13

寄せられた大垣八幡宮奉納算額の第28問から第30問の解答です

また、寄せられた追加問題の解答です.

NO2「よふかしのつらいおじさん」10/30 11時54分 受信 更新 11/13

第28問題

●それぞれの円の半径を次のように表します。

黄円:ｙ、青円:ｂ、赤円:ｒ、黒円:ｋ

・青円の直径が黄円の半径なので、です。

・直角三角形ＹＢＲに三平方の定理を用いると、

●青ｂ、赤ｒ、黒ｋの3円が互いに外接しながら、黄円ｙに内接しているので、デカルトの円定理を用います。

・ｋの解が2つありますが、問題の図では、 が求める解です。()

は黒円が赤円と青円の左側にある場合です。()

よって、

第29問題

●問題文の図を下のように、縦軸に対称に折り返して考えます。

各円の半径を次のように表します。

赤円:ｒ、黒円:ｋ、青円:ｂ

・点ＤＢを通る直線をｓ、点ＡＣを通る直線をｔとします。

ｓ：点Ｂ(3ｒ,ｒ)を通り傾き なので、

ｔ: 点Ａ(ｒ,ｒ)を通り傾き なので、

・点Ｄの座標は、sの式のｘをｋとして、 です。

・点Ｅの座標は、 より です。

●黒円と赤円の半径ｋとｒの関係を調べます。

・直角三角形ＡＫＦに三平方の定理を用います。

・点Ｄと直線ｔとの距離ＤＦを調べます。

点、直線ｔ: より、

二つの結果を比べて、

(ｋはｒより小さいので)

・後で使うので、

●ＥＣの距離を調べます。

・青円と赤円の中心間の距離なので、半径の和 です。

・次に点 と点 との距離の2乗を求めます。

これが、 に等しいとして、

これに上の、 を代入すると、

ｋで約して、

の2次式と考えて、

は正なので、

第30問題

●黄円の半径をｋ、赤円の半径をｒとします。

・楕円の方程式は、 ．

・上の黄円は、直径が なので、 ．

また、中心Ｙのｙ座標は、ｒです。

・右の赤円の方程式は中心のｘ座標をｓとすると、 ．

●直角三角形ＯＹＲに三平方の定理を用いると、

●右の赤円と楕円が接するので、連立させ判別式を0とします。

●(1)、(2)、(3)からｓとｒを消去します。

(2)と(3)より、

(1)を代入して、

ｋは0ではないので、

追加問題１

●円甲の中心をＫ、半径をｋ、上の円丙の中心をＨ、半径をｈとします。

●円甲の中心のｘ座標は1−ｋです。

また、扇形の中心角が60°なので、

円甲の半径を求めます。

連立させて判別式を0とします。

●円乙の半径を求めます。

半径1の扇形に内接する円甲の半径が なので、

半径 の扇形に内接する円乙の半径は です。

●円丙の半径を求めるために、次の3つのことを考えます。

(1) 　　(2) 直線ｍと接する　　(3) 半径1の扇形に接する

・(1)Ｋの座標は、Ｈの座標をとします。

平方して考えます。

・(2)円丙と直線ｍを連立させて、判別式を0とします。

・(3)半径1の円に接することをＯＨとｈの和が1と考えます。

・◎ (a)に(c)を代入します。

(d)を(a)に代入します。

(d)と(e)を(b)に代入します。

この中でふさわしいのは、 です。

他の解は、円甲そのものと下の図の大きな円です。

追加問題2

(1)

● とします。

・ＡＨ⊥ＢＣなので、

・ＢＨ⊥ＡＣなので、

この式に(あ)を代入して、

この式を(あ)に戻して、

ゆえに、

●この結果を、ｋ_iを用いて表します。

、 なので、

ここで正弦定理を考えます。

この結果を上の式に代入すると、

(2)

● とします。

です。

・Oは外心なので、AO＝BO＝COです。

(ｲ)＝(ﾛ)より、

(ｲ)＝(ﾊ)より、

この式に(ﾆ)を代入して、

これを(ﾆ)に戻して、

ゆえに、

●この結果を、ｋ_iを用いて表します。

、 なので、

-

ここで(1)の結果を用いて、

＜水の流れ：「ジョーカー」さんとの結果の式が微妙に違っていたので、

「ジョーカー」さんに検証を願いしたところ答えとしては間違いないと回答を頂きました。＞

「ジョーカー」 　11/01 　　 06時50分 受信 更新 11/13

頂いた追加問題の補足です。

「よふかしのつらいおじさん」11/03 15時43分 受信 更新 11/13

追加問題2＿追加

●結果をもう少しすっきりさせます。

垂心のベクトルも外心のベクトルもＢ、Ｃ(ｂ、ｃ)に対して対称です。

の結果を調べれば、 の結果は、ＢとＣを入れかえたものになります。

●

(1)結果は次のようです。

の係数は、

よって、 の係数は、

ゆえに、

●

(2) 結果は次のようです。

の係数は、

よって、 の係数は、

ゆえに、

「よふかしのつらいおじさん」11/05 16時50分 受信 更新 11/13

●垂心のベクトルと外心のベクトルの関係をみてみます。

この結果は、「Ａを始点とする外心Ｏまでのベクトルは、線分ＡＨの中点を始点とし、

ＢＣの中点を終点とするベクトルに等しい」ことを示しています。

NO3「スモークマン」 11/08 19時36分　 受信 更新 11/13

NO4「三角定規」　　　　11/12 14時01分 受信 更新 11/13

寄せられた第２８問と第３０問の解答です

＜水の流れ：追加問題２は第370回の応募問題を参照してください＞

ネームを添えて、メールで送ってください。待っています。