令和4年3月6日
[流れ星]
第410回数学的な連続応募解答
<解答募集期間:2月06日〜3月06日>
[大垣八幡宮奉納算額3]
岐阜県大垣市にある八幡神社
江戸時代末期、谷松茂(幽斎)は大垣藩士で致道館講官であった水野民興に学び、自ら塾を開いて和算を教えていました。彼の門人達が大垣市の八幡神社に天保年間に算額(絵馬)を奉納しています。この算額は残念ながら先の戦争で神社ごと焼失したことを知り、幽斎算約四編である奉納された算額の解法を後世に残すために、これから32問順に出題していきます。
第1問題
扇面(中心角が120°)内に2個の等しい楕円を入れるとき、扇長を知って、短軸の極小なものを求めよ。
術文(答) 短軸=扇長÷2.5
出題者 白井庄吉次堅 謹考
第2問題
直角三角形内へ相等しい8個の正方形を容れ、それに接する円を描くとき、この円の直径を求めよ。
術文(答) 円の直径=2(正方形の一片の長さ)
出題者 服部定之助重郷 謹考
第3問題
相等しい3円(萌黄)が交わり、その間に4個の等しい赤円を容れる。萌黄円の直径を知って赤円の直径を求めよ。
術文(答) 赤円直径=萌黄直径÷3
出題者 川瀬又太郎直之 謹考
追加問題(ジョーカーさんから)
NO1「ジョーカー」 02/06 12時13分 受信 更新 3/6
寄せられた大垣八幡宮奉納算額の第1問から第3問、の解答です
また、追加問題の解答です
NO2「よふかしのつらいおじさん」02/21 8時46分 受信 更新 3/6
第410回 よふかしのつらいおじさん
第1問題
扇長とは何を意味しているのでしょうか。
考え始めは分かりませんでした。
●初め、様子をみるために、扇形の中に円を入れてみます。
計算しやすいように右に60°回転させます。
右の図のように、原点O中心の円の半径をR、点P中心の円の半径をrとします。
直線OAと円Pの方程式を連立させます。
判別式Dを0とすると、
円Oの半径の三等分点のところに中心があれば、円が内接します。
●図のように、中心が点Pの右側にあれば短軸は横方向(青楕円)、左側にあれば短軸は縦方向(赤楕円)になります。
赤楕円の短軸は、中心が円Oの二等分点に近づくと0に近づきます。
青楕円の限界を調べます。
青楕円の中心の座標を、横軸、縦軸の長さをそれぞれ2a、2b とします。
円Oの方程式と連立させませす。
この方程式の判別式を調べます。
これで楕円が接するぎりぎりの長軸と短軸の長さの関係が分かりました。
●次に直線と接することを考慮します。
直線OAと青楕円の方程式を連立させます。
判別式Dを0とすると、
(*)と(**)からbを消去すると、
●扇長とは半径の長さと考えます。
扇をたたんだときに、残る長さです。
扇をしまうときのケースの長さです。
第2問題
●青の正方形の一辺の長さをb、赤の円の半径をrとします。
図の△OABは、OA=4b、OB=3bなので、AB=5bです。
●△OABの面積を次の二通りで考えます。
よって、
第3問題
●赤円の半径をr、萌黄円の半径をmとします。
3個の萌黄円の中心をそれぞれA、B、Cとします。
図の△OAHは、 です。
よって、萌黄円の中心間の距離は、 です。
●正三角形ABCの面積を次の二通りで考えます。
よって、
追加問題
(1)
●
・公式の確認をしておきます。
・相加平均と相乗平均の関係の確認をします。
a、b正の数のとき、
● のとき、 です。(でもあります)
●
ここで、 とおきます。
相加平均と相乗平均の関係を用いて、
● のグラフは、次のようです。
(2)
● とおきます。
※・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ここで、中カッコ{ }の中を調べます。
よって、(b)は、
■ です。
よって、
よって、(c)は、
とおくと、(d)は、
■
です。
です。
Wの値の範囲は、 です。
とおきます。
Wが のとき、
・(e)の中の式 の値の範囲は、 です。
つまり、正の値をとります。
・もちろん、初めの部分 も正の値をとります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・※
●以上から導関数y’(a)は の部分で値の正負が決まります。
よって となるのは、 より、 です。
●
・ のとき、
・
・
●以上から値域は、
NO3「三角定規」 02/26 21時50分 受信 更新 3/6
寄せられた第1問の解答です。
同じく第2問と第3問の解答です
さらに、追加問題の解答
皆さん、問題や質問に答えてください。一部でも構いませんから、解答とペンネームを添えて、メールで送ってください。待っています。