令和4年7月24日
[流れ星]
第415回数学的な連続応募解答
<解答募集期間:6月26日〜7月24日>
[大垣八幡宮奉納算額8]
岐阜県大垣市にある八幡神社
江戸時代末期、谷松茂(幽斎)は大垣藩士で致道館講官であった水野民興に学び、自ら塾を開いて和算を教えていました。彼の門人達が大垣市の八幡神社に天保年間に算額(絵馬)を奉納しています。この算額は残念ながら先の戦争で神社ごと焼失したことを知り、幽斎算約四編である奉納された算額の解法を後世に残すために、これから32問順に出題していきます。
今回は第16問題から第18問題です。
第16問題
黄円内に紫正方形と青円赤円4個ずつを入れる。赤円径を知って黄円径を求めよ 。出題者 中津何某秀彦 謹考
第17問題
長方形内に半円(萌黄)と円弧を描き、その円に赤円と黒円とを容れる。
極大な赤円と黒円の直径を知って長方形の長い方の一辺を求めよ。
出題者 山川何某信安 謹考
第18問題
外接する等円(黄)の共通接線と円の間に青正方形と2個の黒正方形を容れる。黄円の直径を知って黒正方形の一辺を求めよ。
出題者 廣P何某忠昭 謹考
追加問題(ジョーカーさん提供)
x、y、zは実数で、x+y+z=x2+y2+z2=2のとき、
次の式の最大値、最小値をそれぞれ求めよ。
(1)max(x,y,z)−min(x,y,z)
(2)x3+y3+z3
NO1「ジョーカー」 06/27
03時52分 受信 更新 7/24
寄せられた大垣八幡宮奉納算額の第16問から第18問、解答です
また、追加問題の解答です.
NO2「よふかしのつらいおじさん」07/11 22時14分 受信 更新 7/24
第16問題
●各円の半径を、黄色:y、青色:b、赤色:rとします。
紫正方形の1辺の長さをmとします。
●関係式を調べます。
・半径y
・△OABに余弦定理
●OCの式に結果を代入します。
第17問題
●初めによく使う式を確認しておきます。
図のように共通接線を持つ2円が互いに接している。
それぞれの円の半径をa、bとすると、接点間の距離dは、直角三角形ABCに三平方の定理を用いて、
(半径の相乗平均の2倍)
●各円の半径を次のようにします。
円弧:R、萌黄円:m、赤円:r、黒:b。
・
長方形の長い方の一辺DCは、
長方形の長い方の一辺ABは、
ゆえに、
・△OEFに三平方の定理を用いると、
ここで複合が「+」の場合は、萌黄円の直径が円弧の半径を超えてしまい不適当なので、
この式を(1)に代入すると、
この結果を上のDCの式に代入すると、
第18問題
●黄色円の半径をr、青正方形の一辺をa、黒正方形の一辺をbとします。
・直角三角形OABより、
・直角三角形OCDより、
ここで上のaの値を代入すると、
追加問題
●条件は、x、y、zに関して対称です。
ここで2次の部分は、
となるので、上の2次方程式は、楕円を表しています。
●
(1) の定義域は、 なので、 です。
複合が「+」の場合で様子をみます。
は、分子=0として、
は、複合が「−」のときです。
複合が「−」の場合と合わせると、
●ここで、x、y、zの様子を調べます。
複合が「+」のとき、
このzは複合が「−」のときのyです。
平方の和を調べます。
複合が「−」のときは、yとzが入れ代わります。
(1)
この問題を解くために、xの場合分けをします。
ア)
、 イ) 、 ウ)
ア)のときは 、イ)のときは 、ウ)のときは の大小関係があります。
とおくと、
ア) のとき、
イ)のとき、
ウ)のとき、
以上から、
最大値は、
最小値は、
(2)
よって、最大値は22/9、最小値は2です。
NO3「三角定規」 07/22
21時40分 受信 更新 7/24
寄せられた第17問の解答です
また、追加問題の解答です.
皆さん、問題や質問に答えてください。一部でも構いませんから、解答とペンネームを添えて、メールで送ってください。待っています。