令和6年7月21日
[流れ星]
第443回数学的な連続応募解答
<解答募集期間:6月23日〜7月21日>
「cosθのn倍角]
追加問題(出題者は「ジョーカー」)
新シリーズ(正三角形の辺や円弧によって囲まれる図形内の3円の半径について)6・7問目
問題1
問題2
NO1「ジョーカー」 6/23 21時28分 受信 更新 7/21
寄せられた解答です
NO2「スモークマン」 6/27 16時27分 受信 更新 7/21
今回もできたと思うものだけの投稿です Orz
問題 cosθのn倍角
(2)
θ=((2k-1)*π/10) は、k=1〜5において、cos(5θ)=0
so…
16x^5-20x^3+5x=0 の根
ここで、cos(5π/10)=0 なので
x(16x^4-20x^2+5)=0 から、
残りの根が
16x^4-20x^2+5=0 の根
So…
与式=5/16
(4)
同様に、
θ=(2k-1)π/14 はcos(7θ)=0
so…
64x6−112x4+56x2−7=0 の根
So…
与式=-7/64
(5)
(-1)^n*(2n+1)/2^(2n)
「スモークマン」 6/27 23時40分 受信 更新 7/21
追加問題1
<「スモークマン」からの問題提起>
ちなみに、「ヤドカリの気ままな数学」というサイトにも参加してますが、ここにも強者が多くいらっしゃいます。
今、https://okayadokary.blog.fc2.com/blog-entry-5022.html の問題1904
「 Aさん,Bさん,Cさんは共に 1から339までの番号が1つずつ書かれた339枚の番号札を持っていて、その中から、Aさんは2枚,Bさんは3枚,Cさんは1枚を無作為に取り出します。
Aさんの取り出す最小の番号を a ,Bさんの取り出す最大の番号を b ,Cさんの取り出す番号を c として、
a≧b である確率は?
また、a≧b であるとき a≧c≧b である条件付確率は?」
を考えていますがなかなか...いい手を思いつけないでいます...^^;;
N3「二度漬け白菜」 6/29 11時23分 受信 更新 7/21
第443回の応募問題 を考えました.
よろしくお願いします.
まず,次の等式 (☆) が成り立つことを証明しておきます.
以下では,Iは虚数単位(I^2=-1)を表しています.
任意の正整数 n に対して,次の等式が成り立つ.
Π[k=0〜2*n,k≠n]cos(π*(2*k+1)/(4*n+2))=(2*n+1)*(-1/4)^n ---(☆)
(証明)
Π[k=0〜2*n,k≠n]cos(π*(2*k+1)/(4*n+2))
=Π[k=0〜n-1]cos(π*(2*k+1)/(4*n+2))*cos(π-π*(2*k+1)/(4*n+2))
=(-1)^n*Π[k=0〜n-1](cos(π*(2*k+1)/(4*n+2)))^2
=(-1)^n*Π[r=1〜n](cos(π*(2*(n-r)+1)/(4*n+2)))^2
=(-1)^n*Π[r=1〜n]cos(π/2-r*π/(2*n+1)))^2
=(-1)^n*Π[r=1〜n](sin(π*r/(2*n+1)))^2
=(-1)^n*Π[r=1〜n]sin(π*r/(2*n+1))*sin(π*r/(2*n+1))
=(-1)^n*Π[r=1〜n]sin(π*r/(2*n+1))*sin(π-π*r/(2*n+1))
=(-1)^n*Π[r=1〜n]sin(π*r/(2*n+1))*sin(π*(2*n+1-r)/(2*n+1))
=(-1)^n*Π[r=1〜2*n]sin(π*r/(2*n+1))
=(-1)^n*Π[r=1〜2*n](1/(2*I))*(exp(I*π*r/(2*n+1))-exp(-I*π*r/(2*n+1)))
=(-1)^n*(1/(2*I))^(2*n)*Π[r=1〜2*n](-exp(-I*π*r/(2*n+1)))*(1-exp(2*I*π*r/(2*n+1)))
=(-1)^n*(1/(2*I))^(2*n)*(-1)^(2*n)*exp((-I*π/(2*n+1))*(1+2+…+2*n))*Π[r=1〜2*n](1-exp(2*I*π*r/(2*n+1)))
=(1/2)^(2*n)*exp(I*(-n*π))*Π[r=1〜2*n](1-exp(2*I*π*r/(2*n+1)))
=(1/4)^n*cos(-n*π)*(2*n+1) ---(★)
=(2*n+1)*(-1/4)^n (証明終)
(★)について:
exp(2*I*π*r/(2*n+1)) r=1,2,…,2*n は方程式
x^(2*n+1)-1=(x-1)*(x^(2*n)+x^(2*n-1)+…+x^2+x+1)=0
の相異なる2*n個の虚根である.
よって,x^(2*n)+x^(2*n-1)+…+x^2+x+1は次のように因数分解できる.
x^(2*n)+x^(2*n-1)+…+x^2+x+1=Π[r=1〜2*n](x-exp(2*I*π*r/(2*n+1))).
x=1を代入して,(2*n+1)=Π[r=1〜2*n](1-exp(2*I*π*r/(2*n+1))).
「cosθのn倍角]の解答:
(1)f(x)=16*x^5-20*x^3+5*x (答)
(2)(与式) = 5/16 (答)
(3)f(x)=64*x^7-112*x^5+56*x^3-7*x (答)
(4)(与式) = -7/64 (答)
(5)Π[k=0〜2*n,k≠n]cos(π*(2*k+1)/(4*n+2))=(2*n+1)*(-1/4)^n (答)
チェビシェフの多項式について:
cos(n*θ)をcos(θ)の多項式で表すと次のようになります.
cos(n*θ) = Σ[k=0〜floor(n/2)](-1)^k*(n/(n-k))*binomial(n-k,k)*2^(n-1-2*k)*(cos(θ))^(n-2*k) ---(☆☆)
たとえば,cos(123*θ)をcos(θ)の多項式で表したときの,(cos(θ))^45 の係数は,
(n=123,k=39を代入して,)
(-1)^39*(123/(123-39))*binomial(123-39,39)*2^(123-1-2*39)
=-34989091723911923921720529310848122880.
(☆☆)は次のようにすれば得られます.
A,Bを文字変数とします.
A^n+B^nを基本対称式 A+B,A*B で表すと次のようになります.
A^n+B^n = Σ[k=0〜floor(n/2)](n/(n-k))*binomial(n-k,k)*(A+B)^(n-2*k)*(-A*B)^k.
(これは,等式 -log(1-A*t)-log(1-B*t)=-log(1-((A+B)*t-A*B*t^2)) の両辺をマクローリン展開し,
両辺のt^nの係数を比較することにより得られます.)
よって,
(A^n+B^n)/2 = Σ[k=0〜floor(n/2)](n/(n-k))*binomial(n-k,k)*2^(n-1-2*k)*((A+B)/2)^(n-2*k)*(-A*B)^k.
ここで,A=exp(I*θ),B=exp(-I*θ) を代入して,
cos(n*θ) = Σ[k=0〜floor(n/2)](-1)^k*(n/(n-k))*binomial(n-k,k)*2^(n-1-2*k)*(cos(θ))^(n-2*k)
となり,(☆☆)が得られました.
[追加問題 1]
甲円の半径は,3^(1/2)-3/2,
乙円の半径は,(1/16)*(36+15*6^(1/2)-18*3^(1/2)-27*2^(1/2)) (答)
甲円の半径をr,乙円の半径をsとする.
xy直交座標上を設定して考える.
A(0,3^(1/2)),
B(-1/2,0),
C(1/2,0)
となるように座標を設定する.
その中心が点Cに近い方の甲円の中心をD,
乙円の中心をEとする.
Dの座標は,D(r,r) である.
Eの座標を,E(0,t) とおく.
(DB)^2=(1-r)^2 であるから,
(r+1/2)^2+r^2=(1-r)^2 ---(1)
(EB)^2=(1-s)^2 であるから,
(1/2)^2+t^2=(1-s)^2 ---(2)
(DE)^2=(r+s)^2 であるから,
r^2+(r-t)^2=(r+s)^2 ---(3)
(1),(2),(3)を解いて,
r=3^(1/2)-3/2,
s=(1/16)*(36+15*6^(1/2)-18*3^(1/2)-27*2^(1/2)),
t=(1/16)*(22*3^(1/2)+21*2^(1/2)-9*6^(1/2)-36)
を得る.
[追加問題 2]
甲円の半径は,1-(1/2)*3^(1/2),
乙円の半径は,(1/23)*(4*6^(1/2)+20*3^(1/2)-28*2^(1/2)-2) (答)
甲円の半径をr,乙円の半径をsとする.
xy直交座標上を設定して考える.
A(0,3^(1/2)),
B(-1/2,0),
C(1/2,0)
となるように座標を設定する.
その中心が点Cに近い方の甲円の中心をD,
乙円の中心をEとする.
Dの座標は,D(r,r) である.
Eの座標を,E(0,t) とおく.
また,点(1,(1/2)*3^(1/2))をGとする.
(GD)^2=(1+r)^2 であるから,
(1-r)^2+(r-(1/2)*3^(1/2))^2=(1+r)^2 ---(1)
(GE)^2=(1+s)^2 であるから,
(1-0)^2+((1/2)*3^(1/2)-t)^2=(1+s)^2 ---(2)
(DE)^2=(r+s)^2 であるから,
r^2+(r-t)^2=(r+s)^2 ---(3)
(1),(2),(3)を解いて,
r=1-(1/2)*3^(1/2),
s=(1/23)*(4*6^(1/2)+20*3^(1/2)-28*2^(1/2)-2),
t=(1/46)*(8*6^(1/2)+36*2^(1/2)-29*3^(1/2)-4)
を得る.
(以上)
<水の流れ:>任意の正整数 n に対して,次の等式が成り立つ.
Π[k=0〜2*n,k≠n]cos(π*(2*k+1)/(4*n+2))=(2*n+1)*(-1/4)^n ---(☆)
一般から証明とは想定外でした。
ご存知だったのですね。
チェビシェフの多項式について:言葉は知っていましたし、誰か考察の中できずいてもらえないかと 想定していました。深い考察に感謝します。>
NO4「kasama」
7/01 23時57分
受信 更新 7/21
寄せられた解答です
「kasama」
7/06 17時37分
受信 更新 7/21
追記された解答です
NO5「よふかしのつらいおじさん」
7/10 21時48分 受信 更新 7/21
寄せられた解答です
NO6「三角定規」
7/14 21時25分 受信 更新 7/21
寄せられた解答です
水の流れ 更新 7月21日
問題はcosθのn倍角の奇数の場合です。
で、偶数の場合も含めて、書いておきます。
ただし、cosθ=xとする。
f(cosθ)=x
f(cos2θ)=2x2−1
f(cos3θ)=4x3−3x
f(cos4θ)=8x4−8x2+1
f(cos5θ)=16x5−20x3+5x
f(cos6θ)=32x6−48x4+18x2−1
f(cos7θ)=64x7−112x5+56x3−7x
f(cos8θ)=128x8−256x6+160x4−32x2+1
f(cos9θ)=256x9−576x7+432x5−120x3+9x
f(cos10θ)=512x10−1280x8+1120x6−400x4+50x2−1
・・・
f(cosnθ)の式をチェビシェフ多項式といいます
参考に第71回「余弦のn倍角」をご覧ください。
皆さん、問題や質問に答えてください。一部でも構いませんから, 解答とペンネームを添えて, メールで送ってください。待っています。