<水の流れ> (私の一日NO24)

★掲示板:はトップページにもあります。

N016:2000年11月18日(土)今日は、東海地方数学教育会(岐阜)大会に、長良高校へ出かけました。講師に、名古屋大学多元数理科学研究所教授 浪川幸彦先生の「Mathematics is wonderful!」という講演を聴いてきました。
講演の最後方で、次のようなことを力説しておられました。「分数ができない大学生」がいると質問されると、文部省は、「そんなことはない」と否定している。「今までの教育で、指導はしているが、定着していないだけ」とね。また、「改訂の学習指導要項で、数学教育の時間が減っているが、学力低下は起らないか。」「小中では時間減に伴い、学力低下は考えられるが、高校までに繰り返し指導して、高校を卒業するときに、学力低下がないようにしている」とね。
 そこで、教育行政が変わらなければならないが、打開策は、教育現場の改革によってのみ、考えてもらいたい。
1.日本の算数・数学の世界的な水準の高さは、アメリカの「ドリル型」に比べて、「課題解決型」による教育を勧めよう。
2.学習指導要項の内容を越えて、どんどん教えてよう。より高度でなく、より豊かに。
3.学校の自主性をどんどん使おう。選択科目、学校設定科目を利用する。
4.日常生活と関連づけよう。数学が身近にあることを意識させよう。
5.総合学習に関わろう。他教科とのテキスト作りに携わろう。教材開発や事例集作りに参画する。
6.解法を記述する訓練をしよう。国語教育との中で、作文・論文指導を共同で行う。
7.教師自身が数学の素晴らしさを信じて、今の数学教育を打開して欲しい。
8.教師自身が積極的に身の回りにある数学を学ばなければならない。
9.「なぜ、数学を勉強するの?」と問う生徒に対して、自信を持って答えられるようにしてもらいた。
10.「数学はどこがいいの?」と問う生徒に対して、胸を張って「「Mathematics is beautiful!」「Mathematics is wonderful!」と言って欲しい。 wonder ワンダー:なぜという不思議に秘ちた数学を解き明かしてほしい。
11.何よりも教師が数学を好きでなければならない。
帰宅後、「やぎ」さんから、美しい話13話
「10^n+1」の因数分解について、報告がありました。一報を載せておきます。美しい数学の話 第13話の因数分解の結果ですV(N)=(10^n+1)とします
1)V(N)が素数となる条件について
V(N)が素数となるためにはN=2^mの形でなければならないことは昨年11月23日に<sambaGREEN>様が指摘されています。
  mが2〜10の範囲ではV(n)はフェルマテストの結果合成数となりました。
  したがってV(3)からV(2047)まではすべて合成数となります。
  また、Vm=10^(2^m)+1とするとき
Vmが素数となる必要十分条件はフェルマ数に適用されるPepinの判定法が準用できそうなので
   3^((Vm - 1)/2)==-1(MODVm) となりそうです。
2)V(N)の素因数にならない素数について
P== 3(MOD40) :  P==27(MOD40)
P==31(MOD40) : P==39(MOD40)
  となるPはV(N)の素因数にならないみたいです。
   3)F(2N)とV(N),F(N)の関係について
F(N)=(10^N-1)/9:V(N)=(10^N+1)とすると
F(2N)=V(N)*F(N)となります
いまのところV(N)、F(N)はNが93まではともに素因数分解できているのでNが偶数の場合F(186)までの素因数はすべて判明したことになります。
<水の流れ:コメント>いつも、本当にありがとうございます。感謝しています。これからも、よろしくお願いします。
 さて、今日予定していた「フェルマーの小定理」の書き込みを、明日にさせてもらいます。
   

N015:2000年11月17日(金)フェルマーは「すべての自然数はm個のm角数で表される」ことも『算術』の余白に書き残している。ここで二角数とは、自然数1,2,3,・・・、のことですし、三角数とは、1,3,6,10,15,21,・・・、と言います。
 さらに、四角数とは、1,4,9,16,25,・・・、の平方数を指します。五角数とは、1,5,12,22,35,・・・、ですし、六角数とは、1,6,15,28,45,・・・、です。この数列の階差数列を考えていただければ、お分かりになるはずです。後は、いくつかの自然数はm個のm角数で表されることについては、読者の皆さんに期待しましょう。
もともと、「すべての自然数は4つの四角数の和で表される」という命題は古くからあった。フェルマーはこれを拡張して、先ほどの図形数(m角数)と自然数の間に潜む不思議な関係を見つけだしたのです。さて、四平方の定理を紹介します。「任意の自然数nは、必ず4つの平方数(0も含む)の和で書くことができる」。例えば、1=1^2,2=1^2+1^2,3=1^2+1^2+1^2、4=2^2、5=2^2+1^2,6=2^2+1^2+1^2、・・・、となっていきます。
 これも、ディオファントスがすでに考えていたものだが、証明されたのは、1772年のラグランジェによるものでした。明日は、「フェルマーの小定理」の書き込みをお伝えします。

N014:2000年11月16日(木)フェルマーが愛読したバシェ版の『算術』(ラテン語に翻訳)の中に書き残したものの中で、大変興味深く重要なものの1つに「2平方の定理」がある。
これは「4で割ると1余る(4n+1)の素数は、2つの平方数の和で表される」つまり、5=1+4,13=4+9,17=1+16,29=4+25という具合である。これとは逆に「4で割ると1足りない(4n−1)素数は、2つの平方数の和では表せない」という命題も、フェルマーは残している。
ところで、2より大きい素数は必ず(4n+1)か(4n−1)のどちらかの形になるから、この定理はすべての素数の一般的な定理といえる。他の定理については証明の道筋の示唆はしても、完全な証明は残さなかったフェルマーが、2平方の定理については、珍しく証明を残している。
「無限降下法」という数学上のテクニックを使ったものであるが、これはフェルマーが編み出した方法で、フェルマー自身はいつも「私の方法」と呼んでいた。「無限降下法」は一種の「数学的帰納法」であり、当時としては画期的なものであった。
 これとは、別にフェルマーは「すべての自然数はm個のm角数で表される」ことも『算術』の余白に書き残している。これも確か未解決問題の1つになっています。m角数とは何であるかは明日書くことにします。是非、この証明にも、
青春をかけてみては いかがですか。

N013:2000年11月15日(水)フェルマーが愛読したバシェ版の『算術』(ラテン語に翻訳)には、200題弱の不定方程式の問題が集められている。フェルマーはこれに48もの書き込みをしている。例えば、直角三角形で2辺の和と斜辺のいずれもが平方数になるもので、最小のものもフェルマーは残している。
 それは、4565486027761,1061652293520,4687298610289 の3数であるとね。誰かパソコンでフェルマーに成り代わって、検証してください。
<参考文献:図解雑学フェルマーの最終定理(富永裕久著):ナツメ社>を読んで引用しています。
また、応募問題の解答者一覧は、今日で全部復刻しましたが、2つのフャイルに分けましたので、ご承知ください。ご心配をおかけしました。

N012:2000年11月14日(火)今日から「ディオファントスの算術」の話から、「フェルマーの最終定理」への歴史的な話を書きます。西暦300年頃、アレクサンドリアのディオファントス(246〜330)は『算術(Arithmetica)』全13巻をギリシャ語で書き残す。代数的な問題とその解答からなっていました。
1453年:ビザンチウムが陥落し、多くのギリシャ語の書物がイタリアなどに待ち出される。ただし、すでに全13巻中6巻しか残っていなかったらしい。
1463年:レギオモンタヌスがヴァチカンで、ビザンチウムから流出してきた『算術』を発見。ラテン語への翻訳を試みるが、レギオモンタヌスが死去し、実現しなかった。
1572年:ボムベルリが『代数学』を刊行。その中で『算術』の内容を紹介。
1585年:ステヴィンが第4巻までのフランス語訳を刊行。
1621年:バシェがギリシャ語原典とラテン語の『算術』を注釈付きで刊行。
1630年:フェルマーはバシェ版の『算術』に、さまざまな書き込みを入れる。「フェルマーの最終定理」も、その内の1つである。
1670年:フェルマーの息子サミュエルがバシェ版の『算術』を再版。父の書き込みを付録としてつける。フェルマーの業績が一般に知られるのは、この後である。
1973年:アラビア語訳の3巻(9世紀の物)が新たに発見される。全13巻中9巻が現存している。
 フェルマーが愛読したバシェ版の『算術』(ラテン語に翻訳)には、200題弱の不定方程式の問題が集められている。フェルマーはこれに48もの書き込みをしている。明日はどんな書き込みをしたか書くことにしています。
<参考文献:図解雑学フェルマーの最終定理(富永裕久著):ナツメ社>を読んで引用しています。

N011:2000年11月13日(月)昨日、「ニュートンの2項定理」の話をしましたが、ここで問題を出します。2項式(1+x)−3 をニュートンの方法でべき級数に展開してみてください。
もう1つ、2項式(1−x)−1/2 をニュートンの方法でべき級数に展開してみてください。この結果は、マクロニー展開と同じになっているはずですよ。
 今朝、大変な異変に気がつきました。皆さんから寄せられた大切な記録である、応募問題の解答者一覧のフャイルが太郎さんが思っているようになっていませんでした。これをもとのように復刻するのは、もう一度、解答の本文からみて最初から入力しなければなりません。夕方から手直しをしていますが、時間がかかります。解答者の皆さん、お許しください。
ここで、今日質問を受けましたので、お願いします。
質問:「極方程式 r=f(θ)において、これを1回微分した導関数は一体何を意味しますか。
この極方程式で与えられた曲線の極値の求め方はどうするのでしょう。
また、2回微分した導関数は一体何を意味しますか。
この極方程式で与えられた曲線の凹凸の求め方はどうするのでしょう。」
以上です。これから、文献を調べますが。答が得られるかな・・・

N09:2000年11月12日(日)秋晴れの気持ちいい一日でした。午前中、畑で「里芋」を掘り出しました。やはり、この夏の雨不足による影響で、成長は良くなく、全体に小振りな芋ばかりでした。
 午後、2項定理(1+x)n の展開係数であるパスカルの三角形を考えていたところ、3項式(1+x+xn の展開係数から、似たような奇妙な数列がでてきます。(この三角形をコミカルな三角形と呼びましょう。)

         (1+x+x2)^n の係数

n=0・・・           1

n=1・・・         1 1 1

n=2・・・      1 2 3 2 1

n=3・・・    1 3 6 7 6 3 1

n=4・・・   1 4 10 16 19 16 10 4 1

n=5・・・ 1 5 15 30 45 51 45 30 15 5 1

 で、第63回の応募問題「多項式展開係数」を更新しました。どんな台形の数列ができるか、考えてください。

N08:2000年11月11日(土)秋晴れの一日でした。8時半から13時まで体育館でバスケットの練習試合をしていました。なかなか体を休めることができません。午後、眼科の病院へ行ってきて、治療と目薬をもらってきました。掲示板の利用が少ないので気にしています。皆さん!ご自由にお書きください。
 さて、生徒から「ニュートンの2項定理って何ですか。」と質問を受けました。太郎さんは、2項定理は知っていましたが、ニュートンとなると一体なんだかピント思い当たる式が浮かんできませんでした。ニュートンの近似式なら知っていましたが。やはり、2項定理を主に考えてみなければと思い直しました。パスカル(フランス:1623〜1662)の三角形の発見は確率論を研究していく中で、1654年に発案しています。ニュートン(イギリス:1642〜1727)は微積分の発見で有名でしたし、もっと知られているのが、万有引力・運動の3法則・光の粒子説です。
このニュートンは一体どんな2項定理を見つけているのか、その後知りたくなりました。文献を見てみると、1665年の初めに、ニユートンがパスカルの発見した2項定理の指数nを拡張して、正の整数から、負の整数、分数まで拡げ、無限級数にまで発展させていると書いてありました。次の詳しく述べてみます。ちなみに、すでに、パスカルの三角形(2項定理の係数)は、1303年中国の朱世傑が「四元玉鑑」3巻の初めにこの係数を載せている。
 αが任意の実数のとき、(1+x)^αをベキ級数に展開できる公式を「ニュートンの2項定理」と言います。この係数は組み合わせの記号C(n、r)と書きますが、nが正整数でないと組み合わせの意味がなくなりますが、n=α,r=nとして、α(α-1)(α-2)(α-3)・・・(α-n+1)/n!={α,n}と表します。例えば、α=−1のとき、1+x+x^2+x^3+x^4+・・・+x^n+・・・=1/(1−x) となることです。
 

N07:2000年11月10日(金)服部教授の課外授業は次のような内容でした。”科学は、先人の業績のうえに、新しい業績を積み上げていく人間の共同作業である。17世紀から現代までのひとつの流れに、このことを見てみよう。
対数が想像されたのは、1617年、関ヶ原の戦い(1660年)の後。当時大きな数字の間のかけ算がふえ、その苦労を減らすためであった。暦のための星の位置、航海する船の位置や時間、高利貸や商人による利子計算。ここからは、参考書:志賀浩二著「数の大航海」(日本評論社)から引用します。
【ものを数える、測ることは、遠い原始時代の昔から人間が営んだ活動で、やがてそれぞれの数学となりました。数え方、測り方には、地域によって違ったり、ある地域から他の地域へと伝播されたりし、いろいろな数学が生まれ成長しました。今僕らが習っている数学(西洋数学)は、まずバビロニヤ、エジプトからイスラエルを経て中世ヨーロッパに移植された数中心の数学とルネッサンスととに伝播したギリシャ数学(幾何中心)が、西欧数学者の手で合体、新しい数学として発展させられたものだという。】
さらに、【新しい数学の真価は、力学の誕生でまず発揮された。ニュ−トンに始まる力学は、約200年にわたる多くの西欧数学者の努力で一応の完成をみた。20世紀初頭、発展した数学に支えられた相対性理論と量子力学が出現した。】以上のが数学の分野でして、後化学分野・物理分野、最後に専門分野の自然の中の微生物世界の話でした。後輩のために、熱心に語りかけながらの特別講義はとっても印象に残っていました。
 帰宅後、「やぎ」さんからのデカルトの円定理に関して、「浜田」さんからメールがきていました。
【とりあえずVBでプログラムを作ってみました.しかし,私自身,何故これで動くのかよく分かっていません.単純な式で表される関数ではない,とは思っているのですが.】
<水の流れ:コメント>大変申し訳ないのですが、いつも「浜田」さんからの画像を未だに未熟がゆえ、Webに張り付ける技術を会得していません。お許しください。さて、内接する小さい円の半径rは文献によると、3つの半径をa,b,cとして、
r=abc÷[ab+bc+ca+2√{abc(a+b+c)}]を得ると書いてありました。
     

N06:2000年11月9日(木)今日学校で「未知に向かって」という演題で、東北大学名誉教授(本校2回生)である服部勉教授の文化講演がありました。主な著書に「大地の微生物」「大地の微生物社会」(岩波新書)があります。
講演会は、生徒の文化的教養を高め、将来図を描くきっかけにと開催された。服部教授は、土壌微生物の分野では世界的権威。「中学1年のときに焼け野原となった大垣を見て、身近な存在である微生物の研究を通して、皆さんの役に立ちたい」と生徒にエピソードを交えて情熱を込めて語られました。「自分の分からないことは何か、『分からない』と知ることが大切。未知の自分と付き合うことを大切にして。」とも言われ、生徒に印象を与えておられました。次は生徒の感想です。
『私は、今日の話を聞いて微生物はすごいんだなと思いました。微生物についてなんて考えたこともないし、中学校のときに理科の授業で少し学んだという程度で、もし今日、先生の講話を聞くことがなかったら、本当に何も知らないまま過ぎていくんだなと思いました。「自分の青春、自分の未来をかけがいのないもとして、しっかり自分の手ににぎりしめようと一生懸命だった」という先生の言葉に私は深い感動を覚えました。』
『今日の文化講演を聴いて、私は驚くことだらけでした。微生物というとても小さな土に住む目に見えない生物を相手に何十年も研究なさっているのは、とてもすごいなと思いました。私は今まで、土や石など、あんなに小さな物の中に生き物が生きているなんて考えた事もなかったので、本当に驚き、また信じられない感じです。服部先生のように、自分で新しい事が発見にできたらいいです。そんなことが本当にできたら幸せだなと思っています。』
明日は、課外授業と称して、放課後約80名の生徒に、「科学は境界を越えて進む:4課目(数・物・化・地)公差授業」の講話があります。これに出席予定をしています。概要は次のようです。
「高校生の皆さんの中には、数学嫌い、物理や化学、生物のどれかが苦手、といってその課目に全然目もくれない人が多いのではないではないかしら。まあ、それも止む得ないかもしれません。実際はそんなに敬遠しなくてもよいかもしれません。試験の点数が悪いとか大学受験に不利だとか、そんな理由でこんな面白い話を、一生知らずに過ぎてしまうのはもったいないではありませんか。これが今回の講義の第一の要点です。

N05:2000年11月8日(水)朝、美しい話第12話として、「111・・・111(n個)」の因数分解を「やぎ」さんから寄せられていましたので、更新しました。ご覧ください。今までに経ってしまったことをお詫びします。
 さて、皆さんにご不自由をかけていましたが、この度、掲示板を設置しましたので、どしどし、気軽に何でもお書きください。読者の皆さんにお役に立てればと思っています。★掲示板:はトップページにもあります。

N04:2000年11月7日(火)クレイ数学研究所が今年5月24日にパリの学会で賞金100万ドルの7つの問題を提出しました。まずその宣言を引用します。
「数学は科学のなかで特別な地位を持っている。数学は人間の知識の神髄を具現し、人間活動のすべての分野に入り込んでいく。数学的解明のフロンティアは今日計り知れない深さに発展している。科学のすべての分野における発見と数学とが手を携えて進歩している。工業技術への数学の応用は我々の日常生活を支えている。暗号およびコーディングの理論は現代のコミュニケーションに大切であり、また数学は、航海術、航空術、さらに健康や安全保障、その上経済にも中心的な役割を果たしている。
数学の発展は今後も我々の文明の形成のために中心的な役割を果たしていくであろう。大規模な数学的真理の認識のために人間の知性に挑戦し、新たなミレニアム(千年)の数学を祝福するためにクレイ数学研究所は7つのミレニアム懸賞問題を提出する。」
7つの問題は次のものです。1.P=NP問題。2.ホッジ予想。3.ポアンカレ予想。4.リーマン予想。5.ヤンーミルズ理論とmass gap。6.ナヴィエーストークス方程式とsmoothness。7.バーチとスウインナートンーダイアーの予想。
 このなかで3.4.6は19世紀に提出された問題です。もっとも6はその問題の意味は20世紀に深まったので、20世紀の問題といってよいかもしれません。<以上、大学への数学9月号の記事の中からすべて引用>
詳しくは、英文ですが、ここをクリックください。
「クレイ数学研究所」のホームページにあります。

N03:2000年11月6日(月)第62回の応募問題「約数と互いに素な数」で、昨日、寄せられた「やぎ」さんからの「解答」を更新しました。
さらに、国際数学オリンピックについて、今年度の日本選手の活躍状況と過去の成績や目的等を、美しい話第30話として、
「IMO」として、を更新しました。ご覧ください。
 また、帰宅後、「ch3cooh」から、ヘロンの公式の別証をいただきました。本当にありがとございます。早速、生徒に教えておきたいと思います。どうぞ、ご覧ください。
ヘロンの公式を算出できる前提として、3平方の定理は既に知られているものとします。(3平方の定理は三角形の辺の長さについての余弦定理の特殊解とみなす事も出来ますが、ユークリッド空間における 直角三角形・長方形の面積と辺の長さの関係が分かっていれば 三角関数を知らなくても導く事が可能です。)
三角形 の各辺の長さを A,B,C とする。
辺 A から 向かいの頂点に垂線を延ばし、その長さを Dとする。
また、辺 A が上記垂線で分割された長さを各々 Ab,Ac とする。すると
f1) Ab+Ac= A
f2) Ab^2+D^2= B^2
f3) Ac^2+D^2= C^2

f2-f3)
Ab^2-Ac^2= B^2-C^2
(Ab-Ac)(Ab+Ac)= B^2-C^2
=> f1
f4) Ab-Ac= (B^2-C^2)/A

f2+f3)
f5) Ab^2+Ac^2+2D^2= B^2+C^2

f1^2-f3^2 (Ab+Ac)^2-(Ab-Ac)^2= A^2-(B^2-C^2)^2/A^2
f6) 4AbAc= (A^4-(B^2-C^2)^2)/A^2

f5+f6/2)
(Ab+Ac)^2+2D^2= B^2+C^2+(A^4-(B^2-C^2)^2)/(2A^2)
=> f1
2D^2= B^2+C^2-A^2+(A^4-(B^2-C^2)^2)/(2A^2)
= (2A^2B^2+2A^2C^2-A^4-(B^2-C^2)^2)/(2A^2)

D^2= (2A^2B^2+2A^2C^2-A^4-(B^2-C^2)^2)/(4A^2)
= (2A^2B^2+2A^2C^2+2B^2C^2-A^4-B^4-C^4)/(4A^2)
= -(A^4+B^4+C^4-2A^2B^2-2A^2C^2-2B^2C^2)/(4A^2)
= -( (A^2-B^2)^2 - C^2(2A^2+2B^2) +C^4)/(4A^2)
= -( (A+B)^2(A-B)^2 - C^2( (A+B)^2+(A-B)^2 ) +C^4)/(4A^2)
= -( ((A+B)^2-C^2) ((A-B)^2-C^2))/(4A^2)
= -( (A+B+C)(A+B-C)(A-B+C)(A-B-C))/(4A^2)
f7)
= (A+B+C)(A+B-C)(A-B+C)(-A+B+C))/(4A^2)

三角形の面積は AD/2= √(A^2D^2/4)
=>f7
= √((A+B+C)(A+B-C)(A-B+C)(-A+B+C)/16)
S= (A+B+C)/2 とすると
( A+B+C)/2= S
( A+B-C)/2= S-C
( A-B+C)/2= S-B
(-A+B+C)/2= S-A

= √(S(S-A)(S-B)(S-C))  となります。
* f7の分子をきれいに因数分解するのは、かなり大変だと思います。
整理した数式(f7の5行上)がきれいなので、何かありそうと想像はつきますが・・・
<水の流れ:コメント>さて、実は、歴史的には、円に内接する四角形の4辺の長さをa,b,c,d としたとき、
この四角形の面積Sは S=√{(s−a)(s−b)(s−c)(s−d)}
で表されて、d=0としたときが、ヘロンの公式なんです。先に、この式を発見しているのでは、ないかとも思っています。 この式を三角形の正弦・余弦定理を使わずに、求めてもいいのではないかとも思っています。  皆さん!ご参考までに。

N02:2000年11月5日(日)岐阜県美濃地方はすがすがしい空気のもと、素晴らしい秋晴れです。こんなときは、旅にでて森林浴(紅葉)を楽しみたいです。
午前中に、第62回の応募問題「約数と互いに素な数」の寄せられた
「解答」を更新しました。「清川(kiyo)」さんも「浜田」さんもパソコンでの解答でした。いつもありがとうございます。
 それでは、ご覧のように適する自然数は、3,8,10,18,24,30の2桁で6個しかありませんので、
自然数Nについて、N=a^p×b^q×c^r×・・・と素因数分解できたとき、
(p+1)(q+1)(r+1)・・・ =N(1−1/a)(1−1/b)(1−1/c) ・・・
の不定方程式を考えてみると、良いですよ。読者の皆さん考えてくださいね。さらなる解答をお待ちしています。
夜メールを開いたら、第62回の応募問題「約数と互いに素な数」の解答が「やぎ」さんから寄せられた。
第62回の問題を考えさせていただきました。
(p+1)(q+1)(r+1)---=a^p*b^q*c^r(1−1/a)(1-1/b)(1-1/c)--- (1)
(1)式を移項すると 1=a^p(1-1/a)/(p+1) b^q(1-1/b)/(q+1) c^r(1-1/c)/(r+1) ----- (2)
右辺の素因数aに関係するa^p(1-1/a)/(p+1)をf(a,p)とおくと
 f(a,p)は次の表のようになる
P      1     2     3
a
2     1/2    2/3     1
3     1      2
  5    2
  また表の欄外のf(a,p)は2を超過するためf(a,p)の最小が1/2であるから(2)式を満足しない。(ほんとうは証明または説明しなければならないでしょうが)
 この表から(2)式を満足する組み合わせを考えると
Nは  2^1*3^2=18
   2^1*5^1=10
   2^3= 8
   3^1= 3
   2^3*3^1=24
  2^1*5^1*3^1=30
の6とおりとなる。
その他
  9月26日に1がN個並んだ数の素因数分解についてメールを入れましたがN=48のところで転記ミスがありました。右辺右より2番目9990001は99990001の誤りでした。
お詫して訂正します。また、この問題(1がN個並んだ数の因数分解)についてはNが96まで解決しましたがメールのファイル添付がうまくいかないので連絡が遅れています。
 私の考えた問題(やぎさんからの提供です)
 半径a,b,cの三円が互いに接して配置されています、さてこの三円のぶつかる隙間にはいる小円の半径f(a、b、c)はどのような関数になるでしょうか。
 また、この三円に外接する円の半径F(a,b,c)も求めてください。
<水の流れ:コメント>これを読んで、なぜか「和算」にありそうな問題と思いました。文献(日本の幾何ー何題解けますか?深川英俊著:森北出版)を調べてみました。内接する場合の円については、西洋では、「デカルトの円定理」として、知られています。デカルト(1596〜1650)がエリザベス王女に宛てた手紙の中に、論文にしたものです。
また、日本では、東京都新宿区神楽坂毘沙門堂に寛政8年(1751年)に掲額されたが、現在は存在しない。さて、読者の皆さん、一度挑戦ください。勿論!「やぎ」さんとの間には、シンクロナイズ(同時性:他の別々な所で同じことが起きていること)が行われただけです。人間の思考の中にはよくあります。
       

N01:2000年11月4日(土)太郎さんは、秋晴れの下で午前中畑の仕事をしました。この夏は天気が良くて雨がほとんど降りませんでした。
だから、朝か夕方のどちらかには、よくホ−スで畑の野菜に水をかけました。それを土の中から掘りだしたのです。「人参」と「ごぼう」です。やはり、成長はよくありませんでした。自分の家で食べる分には関係ありませんが。来週は「里芋」を堀だそうと思っています。
 さて、今年度の国際数学オリンピック(韓国大会)は7月13日から25日まで、韓国の大田(Taejon)市において開催されました。7月19・20日に試験が行われました。結果は金メダル1個(高校3年)、銀メダル2個(中学3年と高校1年)、銅メダル3個(高校3年・2年・1年)でして、団体は15位でした。 参加国は82か国、参加選手は461人の中の結果です。ここで、上位国の書きます。1位:中国、2位:ロシア、3位:アメリカ、4位:韓国(開催国で素晴らしい結果となっています)5位:ブルガリア、ベトナム、7位:ベラルーシ、8位:台湾、9位:ハンガリー、10位:イラン
11位:イスラエル・ルーマニア、13位:ウクライナ、14位:インド、15位:日本、16位:オーストラリア、17位:カナダ、18位:スロバキア・トルコ、20位:アルメニア・ドイツ 以上でした。そこで、2003年の国際数学オリンピックが正式に日本で行われることが決まりました。今後の日本選手に期待したいです。(この結果は、数学セミナー11月記事を読んで、書きました)
 

N023:過去の「私の1日No23」10月21日〜11月3日のはここをクリック下さい。

N022:過去の「私の1日No22」9月30日〜10月20日のはここをクリック下さい。

N021:過去の「私の1日No21」9月18日〜9月30日のはここをクリック下さい。

N020:過去の「私の1日No20」9月1日〜9月17日のはここをクリック下さい。

N019:過去の「私の1日No19」8月13日〜8月31日のはここをクリック下さい。

N018:過去の「私の1日No18」7月24日〜8月12日のはここをクリック下さい。

N017:過去の「私の1日No17」7月7日〜7月23日のはここをクリック下さい。

N016:過去の「私の1日No16」6月14日〜7月6日のはここをクリック下さい。

N015:過去の「私の1日No15」5月26日〜6月14日のはここをクリック下さい。

N014:過去の「私の1日No14」5月1日〜5月26日のはここをクリック下さい。

N013:過去の「私の1日No13」4月2日〜4月30日のはここをクリック下さい。

N012:過去の「私の1日No12」3月10日〜3月31日のはここをクリック下さい。

N011:過去の「私の1日No11」2月21日〜3月10日のはここをクリック下さい。

N010:過去の「私の1日No10」2月6日〜2月21日のはここをクリック下さい。

N09:過去の「私の1日No9」平成12年1月2日〜2月6日のはここをクリック下さい。

N08:過去の「私の1日No8」12月25日〜1月22日のはここをクリック下さい。

N07:過去の「私の1日No7」12月5日〜12月24日のはここをクリック下さい。

N06:過去の「私の1日No6」11月20日〜12月5日のはここをクリック下さい。

N05:過去の「私の1日No5」10月31日〜11月19日のはここをクリック下さい。

N04:過去の「私の1日No4」10月1日〜10月30日のはここをクリック下さい。

N03:過去の「私の1日No3」8月31日〜9月30日のはここをクリック下さい。

N02:過去の「私の1日No2」8月5日〜8月30日のはここをクリック下さい。

N01:過去の「私の1日No1」平成11年7月7日〜8月1日のはここをクリック下さい。