<水の流れ>
(私の一日NO25) はトップページにもあります。N014:2000年12月2日(土)1640年、フェルマーは友人のメルセンヌ(1588〜1648)に手紙の中で、n=4を証明しています。(多少、不備があるようでした。)この証明方法が、彼が編み出した「無限降下法」を使っています。では、紹介します。
『以後引用』フェルマーはx4+y4=z4に自然数解(x、y、z)がないことを証明するために、まず、x4+y4=z2を考察した。「x4+y4=z2に、自然数解(x、y、z)がある」と仮定し、次ぎに「平方数が互いに素な2数の和で表されるとき、その2数はともに平方数である」という命題を利用した。
これによって(x、y、z)より小さな自然数(x2、y2、z2)の存在がわかる(z1>z2)。この繰り返しによって、z1>z2>z3>z4・・・と、いつまでも自然数の列が続くことになるが、それはあり得ない。
よって、x4+y4=z2は解を待たず、x4+y4=(z2)2、すなわち、x4+y4=z4も解を持たないことが分かる。フェルマーが得意とした無限降下法を使った証明である。
フェルマーが残したのは指数が4の証明だけだが、これを拡張していくことで、指数が4の倍数の場合はすべて証明される。また、合成数は必ず素数の倍数だから、その元となっている素数が指数である場合を証明すれば、合成数が指数の場合の「フェルマーの最終定理」は自動的に証明されるわけです。
そこで残るのが、3,5,7,11,13,・・・、といった奇素数の場合だけである。最初の奇素数3については、オイラーが1753年にゴールドバッハに宛てた書簡の中で述べている。ただし、証明が発表されたのは、1770年にオイラーが「代数学」を刊行したときである。
『引用終わり』では、明日、n=3の証明を段階をおって紹介します。
N013:2000年12月1日(金)今日から、12月で師走に入ります。20世紀も後30日になりました。ミレニアムという言葉もあまり新鮮みがなくなりつつあります。
3日の日曜日に、「情報教育セミナーin名古屋&第32回東海スクールネット研究会例会」が愛知淑徳大学(星ヶ丘キャンパス)記念会堂大講義室で10時より行われます。太郎さんは、この研究会に出席する予定です。情報教育に役に立つようなことを聴いて来ようと思っています。
N012:2000年11月30日(木)今夜、「清川(kiyo」さんから、フェルマーが書き込んだ「直角三角形の斜辺以外の二辺の和が平方数となるための条件」について再度報告がありました。
【 いつもお世話になっています。清川(kiyo)です。 別に角度から、プログラムを組んでみました。フェルマーは一般解を求めているのでしょうか。
前回のプログラムと今回のをうまく組み合わせると一般解に辿りつけそうな気がします。今後とも宜しくお願いします。
REM M1,N1は直角三角形の斜辺以外の二辺の和が平方数となるための条件
FOR N=1 TO 3000
LET S=INT((4+SQR(8))*N)+1
FOR M=S TO 20000
LET M1=M*M-4*M*N+8*N*N
LET N1=4*M*N
LET C=M1*M1+N1*N1
LET C1=SQR(C)
LET C2=INT(C1)
LET C3=C1-C2
IF C3=0 THEN
LET A=M1*M1-N1*N1
LET B=2*M1*N1
PRINT "M =";M;"N =";N
PRINT "A =";A
PRINT "B =";B
PRINT "C =";C
PRINT "C の平方根 = ";C1
PRINT "A+Bの平方根 =";SQR(A+B)
PRINT
END IF
NEXT M
NEXT N
END
M = 4368 N = 113
A = 292191105776704
B = 67945746785280
C = 299987111058496
C の平方根 = 17320136
A+Bの平方根 = 18977272
M = 8736 N = 226
A = 4675057692427264
B = 1087131948564480
C = 4799793776935936
C の平方根 = 69280544
A+Bの平方根 = 75909088
M = 13104 N = 339
A = 23667479567913024
B = 5503605489607680
C = 24298955995738176
C の平方根 = 155881224
A+Bの平方根 = 170795448
M = 17472 N = 452
A = 74800923078836224
B = 17394111177031680
C = 76796700430974976
C の平方根 = 277122176
A+Bの平方根 = 303636352】
<水の流れ>今、持っている文献には、最小の組しか書いていませんので、多分一般解は知らないと思われます。
N011:2000年11月29日(水)今朝、【初めてメールを送ります。数学の問題で、どうしても納得がいかないものがあるので、教えていただければ幸いです。
xのx乗が4のとき、x=2になりますが、どうしてですか?
x=2のときxのx乗が4になることは代入すればいいので分かるのですが(十分条件)。】
上のようなメールが届いていました。早速、y=xxのグラフを書いてみました。やはり、y=4との交点はx=2しかありません。それで良いと思います。ご参考までに。
さて、古代から数学者が興味を最も惹いてきたのが、素数です。しかし、数学者の執拗な挑戦にも関わらず、新しい素数を次々に生み出すような式は未だに発見されていません。フェルマー数が発表した、「(22)n+1」はn=5で破綻しました。
一方、オイラー(1707〜1783)が見つけた P=n2+n+41 のn=0から順に整数を代入すると、41、43、47、53、61、・・・と、n=39までは素数です。しかし、n=40はP=168(412)となり合成数になります。
N010:2000年11月28日(火)まだまだある有名な未解決問題を書きます。1つは、ゴールドバッハ(プロシア:1690〜1764)の予想です。「2を除いたすべての偶数は、2個の素数の和として表せる」というのがそうです。この予想はゴールドバッハが1742年、オイラー宛ての書簡に書いたものです。
「フェルマーの最終定理」同様、問題の意味するところは非常に分かりやすいため、多くの人々が挑戦したが、未だに解決していません。
新たなミレニアム(千年)の数学を祝福するためにクレイ数学研究所は7つのミレニアム懸賞問題を提出しました。
7つの問題は次のものです。1.P=NP問題。2.ホッジ予想。3.ポアンカレ予想。4.リーマン予想。5.ヤンーミルズ理論とmass gap。6.ナヴィエーストークス方程式とsmoothness。7.バーチとスウインナートンーダイアーの予想。
実は、この中に、「ゴールドバッハの予想」がありません。ところが、「Uncle Petror and Goldbach's Cesjecture」を出版したDoxladisが、、ゴールドバッハ予想について百万ドルの賞金をかけたことが話題になっています。、ゴールドバッハの予想の賞金を得るためには、発表された論文をアメリカのBloomsbury Publishing Co の出版社へ2002年3月までに提出しなければなりません。
同じ内容の記事は、9月13日の「私に1日」にも書いてあります。是非、挑戦してもらいたいのです。これが、太郎さんの願いです。
さて、帰宅後、フェルマーが愛読したバシェ版の『算術』(ラテン語に翻訳)には、200題弱の不定方程式の問題が集められている。フェルマーはこれに48もの書き込みをしている。例えば、直角三角形で2辺の和と斜辺のいずれもが平方数になるもので、最小のものもフェルマーは残している。
それは、4565486027761,1061652293520,4687298610289 の3数であるとね。誰かパソコンでフェルマーに成り代わって、検証してください。と11月15日に書きましたが、「清川(kiyo)」さんから報告がありました。
【いつもお世話になっています。清川(kiyo)です。 十進ベーシックでプログラムを組んで検索しました。コピー&ペーストで実行出来ると思います。一番小さいことが確認出来ました。二番目も確認できました。検索範囲を広げればまだまだありそうです。理論的には無数にあるのでしょうか?。今後とも宜しくお願いします。
REM M,Nはピタゴラス数
LET Z=0
FOR N=1 TO 1000
FOR M=N+1 TO 5000
LET Y=M*N
IF MOD( Y , 12) =0 THEN
LET P1=MOD( N , 2 )
LET P2=MOD( M , 2 )
LET P3=P1+P2
IF P3=1 THEN
LET M1=M*M+N*N
LET M2=M*M-N*N
LET M3=2*M*N
IF M2*M2+M3*M3=M1*M1 THEN
LET C=M2*M2+M3*M3
LET A=ABS(M2*M2-M3*M3)
LET B=2*M2*M3
LET X=A+B
LET X1=SQR(X)
LET X2=INT(X1)
LET X3=X1-X2
IF X3=0 THEN
LET Z=Z+1
PRINT Z;"番"
PRINT "M =";M2;" N =";M3
PRINT "A =";A
PRINT "B =";B
PRINT "C =";C
PRINT "Cの平方根 =";M1
PRINT "A+Bの平方根 =";X1
PRINT
END IF
END IF
END IF
END IF
NEXT M
NEXT N
END
1 番
M = 2150905 N = 246792
A = 4565486027761
B = 1061652293520
C = 4687298610289
Cの平方根 = 2165017
A+Bの平方根 = 2372159
2 番
M = 19358145 N = 2221128
A = 369804368248641
B = 85993835775120
C = 379671187433409
Cの平方根 = 19485153
A+Bの平方根 = 21349431
<2回目の報告です>
いつもお世話になっています。清川(kiyo)です。十進ベーシックの1000桁モードで検索の範囲を広げてみました。3番目が見つかりました。
3 番
M = 53772625 N = 6169800
A = 2853428767350625
B = 663532683450000
C = 2929561631430625
Cの平方根 = 54125425
A+Bの平方根 = 59303975 】
太郎さんは、当時フェルマーがこんな凄い計算をしていたとは驚きですし、現代のコンピュータにもおなじように驚嘆の気持ちをもちます。清川(kiyo)さん、本当にありがとうございます。
また、今日初めて、掲示板に書き込みがありました。ありがとう。これからも、よろしくお願いします。
N09:2000年11月27日(月)有名な「フェルマーの最終定理」は「自然数n≧3対して、xn+yn=znを満たす自然数x、y、zは存在しない。」です。フェルマーが1630年頃、バシェ版のディオファントス『算術』の第2巻、第8問に「このことの真に驚くべき証明を私は得たが、それを書くには、この余白はあまりにも狭すぎる。」と書き込んでいます。
ところが、1640年、フェルマーは友人のメルセンヌ(1588〜1648)に手紙の中で、n=4を証明しています。(多少、不備があるようでした。)この証明方法が、彼が編み出した「無限降下法」を使っています。ここで、今日は「無限降下法」を紹介します。
「無限降下法」とは背理法の一種です。『T』成り立つ数n=aがあると仮定する(aは自然数)。
『U』n=k1が成り立つと仮定して、n=k2で成り立つことを証明する。(k1>k2)
『T』と『U』より、aをk1に入れることによって、k1>k2>k3>k4>・・・と無限に続く自然数で成り立つことになる。
しかし、自然数は1以上であり、無限に小さい自然数というのは明らかに矛盾している。従って、aに相当する自然数は存在しない。よって、命題は成り立つ。
それに対して、「数学的帰納法」も比較する意味で書きます。
『T』n=a(aに数を入れる)が成り立つことを証明。
『U』n=k1が成り立つと仮定して、n=k2で成り立つことを証明する。(k1<k2)
『T』と『U』より、aをk1に入れることによって、k1<k2<k3<k4<・・・と続く数をnに入れてすべての自然数で成り立つことが証明できる。
N08:2000年11月26日(日)午前中、2時間半位かかって、第64回の応募問題
「図形数=m角数」の問題を載せました。また多くの方からの応募をお待ちしてします。N07:2000年11月25日(土)太郎さんの学校は、第4土曜日でしたが、授業がありました。これは、11月4日にすでに、休日の振り替えをして休んでいたからです。平成14年からは、週休2日制に学校も入ります。後1年足らずで土曜日の授業日はなくなります。
さて、帰宅後、「数の不思議パート3」に載せておいた
N06:2000年11月24日(金)オイラーは、フェルマー数のF5が合成数と次のように発見しました。まず、641=54+24=5×27+1 である事実に目をつけた。
さらに、F5=232+1=228×24+1 とかける。
ところで、54×228=54×24×7=(5×27)4 、
だから、54×228−(5×27)4(5×27)4=0 となる。
これをF5の両辺に足すと・・・
F5+0=228×24+{54×228−(5×27)4}+1
=228×(54+24)−(5×27)4}+1
=228×(641)−(641−1)4}+1
ここで、分かりやすくするために、641=aとおく。
F5=228×a−(a−1)4+1
=228×a−(a−1)4+1
=228×a−(a4−4a3+6a2−4a+1)+1
=228a−a4+4a3−6a2+4a
=a(−a3+4a2−6a+4+228)・・・ここの段階で合成数とわかる。
=641(−6413+4×6412−6×641+4+228)
=641×6700417
N05:2000年11月23日(木)朝、第47回の応募問題「無限積」
「解答」が「やぎ」さんから寄せられていました。平成12年3月5日に発信した問題です。この問題は、先週解答者一覧を復刻作業していて、解答者がいなくて寂しく思っていたところでした。本当に感謝します。N04:2000年11月22日(水)気になっていることがあります。未だに、第63回の
「応募問題」の解答が寄せられていないのです。よろしければ、読者の皆さん考えてくださいませんか。結果は綺麗な形になっています。N03:2000年11月21日(火)帰宅後、「やぎ」さんからのメールが来ていました。
【美しい数学の話 第14話の
N02:2000年11月20日(月)フェルマーが残した超難問に「フェルマーの最終定理」があります。1630年代、バシェ版のディオファントス『算術』の第2巻、第8問を覗いてみます。「与えられた平方(z2)を2つの平方(x2+y2)に分ける方法」が書いてあります。
与えられた平方z2を、仮に16とおくと、分ける平方のうち1つをx2とすると、もう一つは(16−x2)となる。ここで、一方の解(16−x2)が(mx−√16)2に等しいとして、m=2とすると、
(16−x2=(2x−√16)2 展開すると、
16−x2=4x2−2・2√16x+16
16−x2=4x2−16x+16
5x2=16x、x≠0なので、x=16/5 となり、
x2=256/25、y2=144/25
よって、結果は 16=(16/5)2+(12/5)2 となる。
ここではm=2を例にとったが、どんな自然数をとっても、同じ結果が得られる。また、この場合、zを16とおいたが、25や36など平方数なら同様なことがいえる
さて、ここの余白に、フェルマーは一体どんな注釈を書いたかは、明日書くことにします。最後に、「驚くべき証明を見つけたが、この余白はそれを記するには、余りにも狭すぎる」と、後世まで引き継がれた有名な文で終わっていました。もし、次が真っ白なページだったら、フェルマーは一体何と書いたか興味がありませんか。
明日もお楽しみにしていてください。
先日の、数学研究大会で、「極方程式に関して、曲線が、極に対して、凹であるか、凸であるかの定義を聞いて来ました。皆さんに、報告するには、この余白があまりにも、狭すぎる。
したがって、「フェルマーの最終定理」みたいに、360年後とはいかないまでも、後日、皆さんに、報告したいです。
N01:2000年11月19日(日)今日午前中、農場のどろ畦へりにコンクリート側板をいれる作業をしていました。午後から、昨日の「やぎ」さんから寄せられた、美しい話13話
「10^n+1」の因数分解についての報告を入力していました。 実は、「フェルマーの小定理」はap−a=(ap-1−1)×aと表すことができます。しかし、aとpは互いに素なのでaはpでは割り切れない。よって、「ap-1−1は必ずpで割り切れる」と言い換えられます。これを、合同の記号で書くと a^p≡a(mod p)
a^(p-1)≡1(mod p)は同じことになります。
太郎さんの表現が、誤解を生む形で申し訳ありませんでした。累乗の指数の表現が統一していないことも、原因ですね。
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